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「俺の方だって、昨晩寝てねえんだが……? まあ、ゆっくりペースでやるか……顔、こっち向けろ……」
 声をかけられ、微笑みながら言われた通りにした。
「何……? ……ン」
 唇が、青磁の毛の生えた口元にぶつかる。
 大きな牙の間から舌が出てきて、キスするみたいに俺の唇を舐めてきた。
「ん……」
 青磁のでっかい口の、白い髭がチクチクする所にキスを返して、唾液を纏ったザラザラする長い舌を中に迎え入れる。
 薄い濡れた肉をちゅっ、ちゅっと音を立て優しく吸いながら、俺は毛布の中で手をベッドに突き、ゆっくりお尻を上下させ始めた。
 青磁の雄は既にガチガチで、ヘソのあたりまで強い圧迫感がある。
「ん……ン……」
 キスをしながら、毛布の下で手が俺の胸をまさぐってきた。
 敏感に尖った乳首に指が触れると、乳輪ごと肉球で優しく押し潰されて、甘いよがり声が漏れる。
「あっ、はぁぁ……おっぱい、気持ちいい……」
「付き合い始めの頃よりも、デカくてエロい乳首になったよな……これでいつでも赤ん坊産めるな?」
「ンッ、あんまり触るとっ、イク……っ、やめ……っ、ンン……っ!」
「締まって気持ちいいから、やめねぇ」
 両方とも摘んで引っ張られて、ジンジンと快感が下腹に伝わり、お尻の中がギュウギュウうねってしまう。
「はぅっ、んん……! 青磁っ、動いて……っ」
 堪らなくなってお尻を振りたくり始めたけれど、青磁は動かず、ビンビンになった乳首を緩く擦ってくるだけだ。
「っあ、イキたい……っ、イキたい……っ!」
 激しく動きすぎたせいで毛布がばさりと落ちて、浅ましく腰を振る俺の身体が全部露わになる。
 それでも構わずにペニスを貪っていると、乳首に触れていた青磁の指先の縦のスリットから、突然尖った爪が飛び出した。
「あ!」
 充血した乳頭に優しく爪が食い込んで、痛みと蕩けるような快楽がじわあっとお腹に伝わり、快感が迫り上がる。
「あっ……ン……っ、ンッ……!」
 のけぞりながらキュンッ、キュンッと尻の奥を痙攣させ、俺は乳首でイキ果てていた。
「はあっ、はーっ、」
 身体の芯に甘い余韻がずっと残って、涎が垂れてしまうくらい気持ちいい……。
 絶頂の名残を少しでも長引かせるように、俺はお尻をゆっくりとペニスに擦り付けた。
 青磁はやっと乳首を解放してくれて、今度は男の性器のほうを掴み、確かめるように触ってくる。
「んっ……」
「……お前、いまこっち出たか?」
 イッたばかりで敏感になっている先端をヌルヌル指で撫でられて、俺は首を振りながらビクビク悶えた。
「やめ……っ、ナカと、おっぱいでイッたから……っ、そっちは出てないっ」
「ふうん……ほんとエロいな、お前……」
 青磁が俺の勃起ペニスのカリを撫で回してきて、堪らずビクンビクンと跳ねた。
「いっ、今はっ、イッたばっかだから……っ、触ったら、だっ、めだっ、……っン」
 堪えきれずに腰を浮かせ、膝の上から逃げる。
 ペニスが外れてしまい、俺のお尻のナカから精液がトロトロと溢れ落ちる感触がした。
「あ……出て……っ、いや、だ……」
 思わずお尻の穴を指で押さえていると、青磁が俺の背中を優しく撫でながら囁いてきた。
「ほら、ずっと入れてないと溢れてきちまうだろ……? 今度はこっち向いてハメようぜ。……お前の顔、見たい。……無茶はしねぇから」
 コクンと小さく頷いて、俺は身体の向きを変え、再び青磁の膝の上に跨った。
 大きなトゲトゲのペニスを指で支えながら腰を落とし、俺のトロトロの雌の中に誘導していく。
 俺のお尻の中は、さっきイッた時の余韻でまだすごく感じやすくて、青磁の入ってくる感覚だけでまたのぼりつめてしまいそうだ。
「はあっ……、はあっ……青磁……大きい……っ」
 あと少しで全部呑み込める、と安堵した瞬間――青磁は俺の身体をガバッと押し倒してきて、猛烈な勢いで腰を激しく打ち付け始めた。
「あーっ……! やっ、あっ! トゲっ、凄いっ、こわっ、れるっ、ンン……っ! 無茶、しないって、おまっ、言ったのにい……っ」
 体重をかけられて逃げることもできず、子宮の入り口をズンズン突かれて、穴も全部トゲでザワザワ擦られて、メロメロにされていく。
 数分もすれば、もう俺は従順な雌犬みたいになってしまって、快感にむせび泣きながら尻を締めていた。
「はあっ、青磁のちんぽ気持ちいい……っ、そこ、もっと……、ぐりぐりしてっ、精液っ、かけて……っ」
 自分の両手で膝を持ち上げて支え、奥を突きやすいようにお尻の穴を上げて、律動に身を任せる。
「はは。すげートロットロの顔してる……子宮口責められんの、そんなイイのか?」
「わ、かんな……アッ、またお尻でっ、イク……っ、イッちゃう……っ」
「また? ……それじゃ、お前のコッチが可愛そうだよなあ。こんな硬くして、さっきからずっとよだれ垂らしてんのに」
 悪戯っぽく言うと、青磁は上体を起こし、膝立ち姿勢で上から突き込むように穴を犯しながら、腹に反り返った俺のペニスを両手で包み込むように握った。
「初夜だからな。こっちもちゃんと可愛がってやらねぇと」
「なに、っ……!」
 青磁の右手が、指をピッタリと閉じて俺の亀頭を包み、左手が竿の部分を握る。
 手が大きいせいか、指先と手のひらについた肉球と、その間に密生した毛でちんぽがほぼ全部包まれてしまい、それだけで身体の熱が上がった。
「やだ……それ、動かすなよ……っ、動かしたら……っ」
「分かった、分かった……ゆっくりしてやるからな……?」
 青磁の右手の中で、ムチュ、という濡れた音がして、俺の亀頭がこね回され始める。
 指をしっかり閉じてるせいか、強く吸われてるような感覚が先端に生まれ始めた。
「や、やだって、言ったのにっ……ひいっ、手っ……!」
 柔らかな肉球に吸いつかれ、毛でざわざわ刺激されて、それだけでも気が狂いそうな気持ちよさなのに、もう一方の手は竿の部分を小刻みに扱いてきて、快感の逃げ場がない。
 激しく悶えると、青磁は追いかけるみたいに腰を入れ、俺の子宮口をえぐるようにゆっくり突き上げてきた。
「あああ! むり、両方はっ、死んじゃう……っ!」
 のたうって泣きながら首を振るのに、青磁は許してくれる気配がない。
 それどころか、亀頭をこねくる手をどんどん激しく、速くされ始めた。
「あっ! ひっ! 出っ、……はうぅ……っ!!」
 我慢なんて到底できない絶頂感がすぐに襲ってきて、呼吸困難になりながらまたいやらしい天国に体が無理やり連れていかれる。
 青磁の手の中にわずかな熱を吐き出してしまっても、後ろの生理的な筋肉の痙攣が収まらない。
「ア~~っ……いく、まだ、イッ、く……」
 ギュウッ、ギュウッと何度も彼の雄を絶え間なく締め上げながら、お尻でもまた、深く達してしまった。
「ああ、すげえ締まっていい……。やっぱ生でお前とすんの、気持ちいいな……っ」
 そんなことを言いながらまた中にドプッ、ドプッと沢山出されて、泣くほど気持ち良かったけど、だんだん悲しくなってきた。
 こいつ……気持ちいいとか締まるとか、さっきからそんなのばっかりじゃないか。
 新婚ってこんなのじゃない気がするんだけど、俺が間違ってるか……!?
 連続でイッて多少頭が冷静になったのもあって、俺は膝を抱えたまま青磁を睨みつけた。
「あのなあっ、青磁……っ! 俺の身体で遊ぶなよぉ……っ! 初日からこんなんじゃ、結婚しても何もかわんねぇじゃん……っ!?」
 たまりかねて言った言葉に、青磁が太い首を傾げる。
「はあ……? 逆に聞くが、結婚したら何が変わんだよ? 別に俺も俺のままだし、お前だってそうだろ」
 面倒そうに言われたことにますます傷ついてしまって、涙が溢れた。
「違うだろ……っ。お前がいじっぱりなの分かるけど、ちゃんと結婚するなら……、エッチしてる時くらい、好きとかっ、愛してるとかっ、甘いこと言えよ……っ」
 我慢できなくて、とうとう今まで一度も言ったことのないようなことまで口から漏れ出てしまった。
「……」
 青磁が無言で俺の身体の上に覆いかぶさってきて、虎顔をじいーっと俺の顔に寄せてくる。
「なっ。……何だよ……!?」
 急にものすごく恥ずかしくなってきて、プイと横を向いたら、べちゃあっと頬を舐められた。
「ひゃっ。何すんだ……っ」
「岬は、そんなに俺から好きだって言われたかったんだ……?」
「だっ……。だってお前、前から絶対言わないし……!」
「今日、ミスコンで言っただろ。あと、ミー君にも言ったことあるし」
「それはノーカウントだろ……!」
「俺にとっては一緒だ」
 そんな勝手な論理、あるか……!?
 呆れ果てて、自分で持っていた膝を離した。
 抜けないように、青磁が慌ててその脚を抱えてくれたけど、投げやりな気分の俺は力も入れず、両手をパタンとシーツに落とした。
 疲れと諦めの混じったため息が漏れる。
「もう、いい……」
 ふてくされた俺の顔を見ていた虎の顔が、目の前でふーっと人間のそれになった。
「ちょっ。何でそっちの顔になるんだ、今更……」
 戸惑った俺の額に通った鼻筋が押しつけられて、濡れた目尻に音を立ててキスが降る。
「俺だって、どんな格好しててもお前にとっては一緒だろ……?」
 きかれて、首をひねりながら頷いた。
「それは、まあ……。俺は、青磁ならなんでも好きだけど……。ミスコンで、人間のお前も凄くカッコよくて好きだって思ったし……」
「俺だって同じだ。……全部のお前が好きだ」
 額にも優しく口付けながら言われて、ゾクゾクっと鳥肌が立った。
「嘘、つき……っ」
「嘘じゃねえよ。好きじゃなかったらお前だけの為に高校やら大学やら決めねえし、面倒臭え結婚なんかする訳ねえだろ。……ほら、耳貸せ……」
 青磁がゆっくりと俺の中で動き出しながら、耳元に囁く。
「岬、……好きだ……」
「ンあ……っ!」
 言葉だけでゾクゾクと電流が走って、イく寸前みたいに身体の熱が高まっていく。
「ふっ……。お前、俺に好きって言われただけでヘンになっちまうんだ……? カワイイな……」
「そ、そんなんじゃねえ……っ!」
「いや、ナカがすげえ吸い付いてくるし……可愛いだろ、そんなの」
 荒い吐息に混じって、真剣な眼差しで見つめられ、優しく抱きしめられて、吐息混じりの甘い言葉に翻弄される。
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