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 だって、こういうことを俺に教えたのは、ミーシャなのに。
「ごめん……俺……前にいっぱいしてから、エッチなこと我慢出来なくなってて……」
 涙目でそう言うと、強い腕が俺の腰を掴んで引き寄せた。
「じゃあ、責任を取らなくちゃな……一生――」
 情熱的な硬さと熱を持つペニスが尻の間に押し当てられて、ぁあ……と甘いため息が漏れる。
 ミーシャの筋肉質な腰に自分から両脚を絡めて、目を閉じてそれが入ってくるのを促した。
「欲しい……は、ぁあ……っ、ア」
 太く猛ったモノが再び俺の中をこじ開け、濡れた敏感な肉を擦り始めて、それだけでまたイッてしまいそうになる。
 でも、ミーシャは俺を傷付けたくないのか、動くペースがゆっくりで……なかなか奥まで来てくれない。
 風呂場ではあんなに激しく求めてきたのに。
 中がジンジンして欲しがるの、止められない、もどかしい……。
「み、しゃ……俺、自分で動いていい……っ?」
 堪らなくなって懇願すると、彼は頷いて俺を抱いたままシーツに寝転がり、下になってくれた。
 ある程度動きが自由になって、膝で身体を支えながら手を伸ばしてミーシャの髪に指を絡め、自分で腰を振りたくり始める。
「アッ、はっあ、ン……っ、んっ」
 ミーシャのは太くて長くて、俺のイイ所に全部当たるから、甘えるような喘ぎ声が止められない。
 下になって快楽を堪えているミーシャの表情も、愛おしくてたまらなかった。
 もう離したくない、俺の恋人……。
 夢中でお尻を揺らしていると、ミーシャが手を伸ばしてきて、俺の乳輪ごとぷっくり出てる乳首を周りからぎゅうっとつまんだ。
「ひぁ……っ、それ好き……ンっ!」
 だらしなくヨダレを垂らしながら、歓喜の悲鳴を上げてミーシャをギュッと締め付ける。
 感じすぎてうまく動けなくなり、途端にミーシャが下から突き上げるみたいに腰を使ってきて、もう堪らなくなった。
「ああああっ、だめ、また……はぁっ、ンッ、奥ヤバい……っ、ちんぽ来てる……っんあ、イきそう……ッ」
 我慢できず、揺れているペニスを自分で擦ろうとして、手を握って遮られた。
 あともう少し、なのに……っ。
「あっ……っ、はぁっ……っ、ミーシャ……?」
 訝しむ俺の下で、ミーシャが素早く上体を起こす。
 向かい合って膝に乗ってるような格好になり、戸惑う俺の唇がキスで塞がれた。
 お尻の間を深く貫かれたまま、熱くぬめった舌で歯列をこじ開けられて、じゅる、と舌を吸われる。
「ンッ……! んん……!」
 キス、嬉しい……大人のミーシャが自分から俺にキスしてくれるなんて。
 舌を優しく擦って愛撫されるたび、ミーシャのモノが入っている腹の奥の方にゾクンと快感が走る。
「ンッ! んくぅ……っ!」
 上下の唇の内側を無遠慮に舐め回されながら、指で乳首を捏ねられて、上がり過ぎてる感度に膝がガクガク震えた。
 キス、久しぶりで嬉しすぎて……、泣きそう……。
「ん、んぅ……」
 自分からも舌を伸ばして懸命に愛撫を返すけど、なかなか上手くいかない。
 そのうちに、自慰を阻んでいたミーシャの手が、指の股に近い場所で俺のペニスを挟んで、もどかしい擽ったさでヌルーッ、ヌルーッと裏筋を擦り始めた。
「ん……っ、んん……っ!」
 同時に舌先がクチュクチュ吸われて、お尻の奥のヒクヒクが止まらない。
 指で亀頭や裏筋を撫で回されてはパッと離され、咽び泣きながら快楽を探してお尻をキュンキュン締め付ける。
 最後に唇を強めに噛まれて、ついに俺はビクッ、ビクッと腰を跳ねさせながらペニスからトロトロの粘液を吐き、淫らな絶頂に達してしまった。
「あふっ! ……ッンはぁ……!」
「最後はキスでイッたな……?」
 からかうような口調で聞かれて、小さく頷いた。
「ンッ……、キス、好き……っ、ずっと、ずっとしたかったから……っ、んぁ……っ」
 無意識に吸い付く俺の肉の動きを楽しむようにミーシャが腰を使い始める。
「っ、俺だってそうだ」
「そんな……、全然そんな風に見えなかったのに……っ」
 ギュッと抱きつきながら首を振ると、ミーシャは徐々に奥を責めていきながら耳元で告白し始めた。
「――傷付けないように、ずっと我慢して……しきれなくて、お前の部屋に行って、寝てるお前の顔を見ながら扱いて、尻の上に出したこともある」
「うっ、嘘……っ!」
 俺、全っ然気付かないで寝てたんだ!?
 どれだけ気配消すのが上手いんだ……っ。
 いや、俺が鈍感すぎ……!?
「嘘じゃない。お前のこのでかい尻の中にハメて、よがり狂わせて……」
 徐々に動きが強く激しくなってきて、ミーシャの両手が俺のお尻をむずっと掴み開き、持ち上げる。
「あー……っ!」
 俺の身体が背中から倒れて、ミーシャが俺の尻に腰をぐんっと押し付けてきた。
「奥までねじ込んで、溢れて垂れるくらい注ぎ込むのを……想像してた、いつも……っ」
 ごつっ、ごつっと最奥をかき混ぜるように色んな角度で突かれて、シーツを掴みながら強すぎる悦びに堪える。
「あっはああっ、ミーシャ、……っ出してっ、ちゃんと俺の中にっ……っ!」
 涙ながらに懇願する俺に覆い被さるようにミーシャが俺をぴったりと抱き寄せ、繋がりが一層に深くなる。
「マコトは本当にいやらしいな……いやらしくて、綺麗で、可愛くて――愛してる……っ!」
 囁きながらまた中で放ち始めた大切な恋人を、俺は愛を込めてギュッと強く抱き締めた。
「ミーシャ、俺も愛してるよ……っ、愛してる……っ!」


 ――翌朝、目を覚ますと隣にミーシャの姿が見当たらなかった。
 俺が寝ている場所も、彼の部屋じゃなく、いつのまにか自分の部屋のベッドにいた。
 昨日のあれは、夢……?
 なんだ……。やっぱり、あんなことあるはずないもんな。
 イタリアの時みたいに、起きたら銃口を突きつけられてないだけ幸せだけど。
 でも……凄く、いい夢過ぎたから、起きるのが切ないな。
 もう一度眠ったらせめて続きが見られるかも……。
 ひどく落胆して目を閉じようとした時、ぱっと俺の部屋の扉が開いて、眩しい光が暗い部屋の中に飛び込んできた。
「マコト。サンドイッチ買ってきた、食べるか?」
 長い髪をなびかせた男が入ってきて近付き、ベッドのそばに跪いて俺の唇にキスを落とす。
「……昨日は無理させたな。まだ眠ってたいなら、寝ててもいい」
 優しく言われて、一気に目がぱっちりと覚めた。
 昨日のあれ、夢じゃない……!?
「ミーシャ!」
 ガバッと布団をめくって起きて、ベッドから落ちる勢いで太い首に両腕で抱きついた。
「? どうしたんだ、マコト……」
 ミーシャはビックリしたみたいに一瞬固まってたけど、すぐに全裸の俺の背中を抱きしめてくれた。
「そうだ、俺のベッドはシーツを洗濯したから、朝、勝手にここまで運んだぞ。……全然起きなくて、可愛かった」
 言われながらチュッチュッと頰に口付けされる。
「うん……うん、ありがとう……」
 涙ぐみながらお礼を言って、でも、なかなか離れることが出来なくて、ずっと抱きついてしまう。
「あー……。お前、今日は何か予定……あるか?」
 照れたみたいにミーシャが言うので、俺は大きく首を振った。
「何にもない、何にもないよ。一緒に、どこか出かけよう……!」

 ――こうして、俺とミーシャはやっとちゃんとした恋人同士になった。
 と言っても、日常生活はそう変わらない。
 ミーシャも俺も、夜遅くまで勉強や仕事があるから、相変わらず部屋は別々だ。
 でも、おはようとお休みのキスが加わって、そして時々は、甘い夜を一緒に過ごすことになりそう。
 パリはこれからがいい季節だし、ミーシャと一緒にしたいことがたくさんある。
 ネズミーランドパリに行くのと、そうだ、約束したラーメンを作ってあげる為に、ベルビルに食材も買いに行かなくちゃ。
 ――でも取り敢えず今日は、近くの公園を一緒に散歩して、カフェでサンドイッチを食べながら、今日の夕飯を何にするか、話し合おうかな。
 そしてきっとこれからも沢山の、何でもないけれど奇跡のような毎日を、ミーシャと過ごしてゆくんだ。
 ……俺と彼の人生が始まった、この懐かしくも愛おしい、光と影の街で。
(完)
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