しずくの旅路

しろがね白昼夢

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12むか〜し、むかし

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 テリアの暇つぶし事件発生から数日
 何とか私とスコットで大規模な被害が出ないようにテリアに出来るだけ小規模な魔術をと頼み本日、新たに山が生まれた…

 山の多い地域もあるが今いる地域は所どころ岩や丘はあれど、殆どが平地だったがテリアが使用した魔術により開けた砂地に山ができた
 何も無い砂地から爆音と共にタケノコみたいに山がニョキッと出て来た、私も砂地から草木生やすこと出るけど山は生やせないよ…

 そんな事がありティアポットに着いた夜
 テリアが眠った時を狙い、現在私はまたカタツムリスタイルでスコットは私の前に正座しながら今後について話している、話題は勿論テリアについてだ

「思ったよりも深刻です、何とかしなければこの周辺の環境が変わってしまいます」

「この辺地域の人は私が蘇らせた土地でどんな暮らしをしていたか知ってる?」

「私の騎士だった祖父の話では若い時は木を開き、平地を利用した農業が盛んだったらしいです」
 スコットは騎士の家系で代々王家に使えているのだとか
 育ち良さそうだと思っていたけど、名のある名家の生まれか、いいな私もそんな家に生まれ、いや厳しそう私は無理です!
 それはさて置き彼の話では平地で気候も安定したこの一帯は、荒廃が進むまで長い期間農地として使われていたらしい

「専門では無いのではっきりと言えませんがあの山の所為で環境が大きく変わると思います。先日の湖も何らかの影響があるかと」

「テリアを何とか止めないと…何かない?」

「ティア様が暇でなければ良いのではないでしょうか?ティア様の暇つぶしなんですから。
 今までの旅はどうしていましたか?」

「ほとんど誰かと話しながら歩いてたよ、同行してる人が基本3人以上だったから、大体交代しながらって感じかな。今みたいに2人なのが珍しいからね」

「そういえば、私が管理人に配属される際は急でした。私の他に次の管理人が、見つからなかったとかでしたね。2人が余り会話しないので私も黙々と歩くのがあたり前かと勘違いしてました、すみません。これからたまに何か話すようにします」

 スコットの提案に私は首を横に振った
「いいよ、テリアよりも体力あるけど今のスコットの体力では話すのは無理。初日よりは慣れてきてるけどポットまでもたない。うん、でも気持ちは嬉しいありがとう、今みたいに夜に話してくれればいいよ」

「すみません。確かにご指摘のとおり今の私の体力では悔しいですが無理です。しかし、このままではテリアさん街に着くまで毎日ですよ?」

「…………」

「……………」


 しばらく私達の沈黙が続き、夜が更けた

 翌日、苦肉の策で仕方が無く

「むか~し、むかし、在る所に…」

 私が前世に読んだ昔ばなしを2人に歩きながら語る事となった…
 そして、それは街に着くまで続いた
 街まだかな~
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