真面目ちゃんの裏の顔

てんてこ米

文字の大きさ
80 / 362
第四章 波乱の軍事訓練後半戦

19 君の真似

しおりを挟む

 早朝、みんなの起床より少し早い時間にイーサンを起こして宿舎に送り返す。散策に飽きてしまった呉宇軒ウーユーシュェンは、今日は幼馴染と二人でベッドの上に寝転がり、手持ち無沙汰にゴロゴロしていた。
 ネットを見ると、李浩然リーハオランの言った通り昨日の結婚騒動は大分落ち着いてきている。今の話題はもっぱらあの巨大ショートケーキで、どこで食べられるのか情報を求める声で溢れていた。呉宇軒ウーユーシュェンは彼らの書き込みにお店の名前と注意事項を添えて教えてやると、そっと携帯の電源を落とし、仰向けで寛いでいる幼馴染の胸の上に顎を乗せた。

浩然ハオラン浩然ハオラン、俺のこと構って?」

 携帯から視線を上げた李浩然リーハオランは、幼馴染を一瞥するも何も言わない。ほんの一瞬迷惑そうな色がよぎり、彼の目はまた画面に戻ってしまった。

然然ランランってばぁ!」

 小声で催促すると、今度は僅かに眉をひそめ、呉宇軒ウーユーシュェンの顔が見えないよう携帯を被せてきた。
 意地でも返事をしたくないらしい。それならこっちにも考えがあると、呉宇軒ウーユーシュェンは悪巧みするようにニヤリと口の端を吊り上げた。
 無視を決め込む幼馴染の上に覆い被さるように乗り上げ、そのまま全体重を預ける。ところがかなり重たいはずなのに、李浩然リーハオランはうんともすんとも言わない。いつもの平然とした顔のまま、画面上の文字を熱心に目で追っている。
 呉宇軒ウーユーシュェンは彼の脇腹をくすぐってみたりつついてみたりと好き放題してみたが、李浩然リーハオランは顔を隠すように携帯を持ち、無反応を貫いた。
 構ってくれない幼馴染に痺れを切らし、呉宇軒ウーユーシュェンは腕を潜って携帯と彼の間に割って入った。徹底的に邪魔をしてやろうと口を開きかけたその時、李浩然リーハオランに強く体を抱き寄せられ、そのまま彼の上に倒れ込む。背中に回された腕は力強く、幼馴染の首元に顔を埋めた体勢のまま動けなくなる。

「こ、のっ……離せよ!」

「煩い」

 じたばたともがきながら文句を言うも、彼には交渉する気が無いようで一蹴されて終わった。変な体勢で倒れてしまったため腕に力が入らず、呉宇軒ウーユーシュェンは暴れるのを止めると、今度は脅しにかかる。

「もう! 離さないならお前の首に噛みついてやるからなっ」

「どうぞ」

 さらりと返され、呉宇軒ウーユーシュェンは言葉に詰まった。どうせできっこないと思っているのだろう。何を言っても全く相手にされていない。

「ほ、本当にやるからな!」

「好きにしなさい」

 耳元で李浩然リーハオランの冷ややかな声がする。やれるものならやってみろと言わんばかりだ。
 悔しいのに何も言い返せず、呉宇軒ウーユーシュェンは文句の代わりにうぅーっと唸った。構ってもらうという目的はすっかり忘れ、どうにかして一泡吹かせてやりたいと頭を捻る。
 幼馴染が大人しくなって気が抜けたようで、李浩然リーハオランは体勢はそのままにまた携帯を弄り始めていた。
 彼の白く透き通るような首筋に、呉宇軒ウーユーシュェンはそっと息を吹きかけてみる。すると、背中に回された手がぴくりと反応した。

「……阿軒アーシュェン

 とがめるように呼ばれ、呉宇軒ウーユーシュェンはニヤニヤして返す。

「何だよ。何かあった?」

 彼は悪戯っ子をジロリと見たものの、何も言わず携帯に視線を戻した。まだ頑張る気でいるらしい。それならと忍び笑いを浮かべてもう一度、今度は耳の辺りにふーっと息をかけた。
 来るのが分かっていると耐えられるのか、李浩然リーハオランは無反応だった。呉宇軒ウーユーシュェンの方もそれは想定済みで、本命はむしろ次の攻撃だ。
 滑らかな肌に唇を寄せ、ちゅっと音を立てて首筋に口付ける。その小さな音は二度三度と、ルームメイトたちが寝静まった部屋の静寂に細波を立てる。
 さすがに耐えきれなくなった李浩然リーハオランは僅かに身動みじろぎ、携帯を置いて訴えるような眼差しを向けてきた。してやったりの顔で笑みを返そうとしたその時、幼馴染が素早い動きで身を反転させ、あっという間に呉宇軒ウーユーシュェンを下敷きにしてしまった。
 体にのしかかる重みで身動きが取れず、慌てて両手で守ろうとしたものの、李浩然リーハオランに手首を掴まれてしまう。彼は呉宇軒ウーユーシュェンの両手を器用に片手で掴み、ベッドに押さえつけてしまった。

浩然ハオラン、ちょっと……」

 謝るべきか、それともからかうべきか、迷っている間に暗い影が落ちる。
 間近に迫った彼の端正な顔に思わずぎゅっと目を瞑ると、暖かな吐息が撫でるように首筋をくすぐり、柔らかいものが肌に触れた。ちゅっと細やかな音を立ててそれは離れ、今度は喰むように耳をかすめる。
 目を瞑っていたせいもあって、秘めやかなその動きに肌が粟立つ。ルームメイトたちがすぐそこで眠っているというのに、なんだかいけない事をしているようで胸がドキドキして、気付けば息をするのも忘れていた。
 それからしばらく経っても何も起こらず、呉宇軒ウーユーシュェンは心配になってそろりと瞼を開ける。すると、鼻先が触れそうなほど近くに幼馴染の顔があった。
 叫びそうになるのをなんとか堪え、呉宇軒ウーユーシュェンは小さく息を呑む。驚く幼馴染を見て李浩然リーハオランは楽しげに目を細め、唇に触れるギリギリの所に優しく口付けを落とした。それでようやく満足したのか、彼は手を離して呉宇軒ウーユーシュェンを解放すると、静かに身を起こした。

「どうした? 何かあったか?」

 尋ねる声に隠しきれない笑みが滲む。先ほどの意趣いしゅ返しをされ、呉宇軒ウーユーシュェンは自由になった両手で顔を覆った。
 何でもないと小声で返し、強く掴まれていたせいで少し痺れた手を顔にぐっと押しつけると、そこは火傷しそうなくらいに熱を持っていた。李浩然リーハオランにちょっかいを掛けても、ここのところずっと連敗続きだ。
 一泡吹かせるつもりが逆に吹かされて悶絶していると、ピピピ、と無機質なアラームの音が部屋に鳴り響く。それを合図にルームメイトたちが次々に起き始めた。

「おい、こいつどうした?」

 顔を両手で覆ったままぴくりとも動かない呉宇軒ウーユーシュェンに、呂子星リューズーシンいぶかしげな目を向ける。

「はしゃぎ過ぎたようだ」

 李浩然リーハオランが代わりに返し、呂子星リューズーシンは腑に落ちない顔をしながらも王茗ワンミンを起こしにかかった。彼の抱いているくまのぬいぐるみを取り上げ、耳元で起きろと急き立てると、王茗ワンミンは鳥の巣みたいに爆発した頭をゆらりと上げた。

「……んあ? シュェン兄何かあったの?」

 向かいのベッドなので、彼は寝ぼけながらもすぐに異変に気付く。呉宇軒ウーユーシュェンは手の隙間からしょんぼりした声を出した。

浩然ハオランに挑んで一敗地に塗れたところ」

「自業自得じゃねぇか。ほら王茗ワンミン、さっさと準備するぞ!」

 呂子星リューズーシンはこれっぽっちも心配する素振りもなく吐き捨てると、また眠りに就こうとしていた王茗ワンミンを無理矢理引っ張り起こした。
 仲間たちが一斉に朝の準備をしに行ってしまったので、呉宇軒ウーユーシュェンは幼馴染と二人きりになる。少々気まずい空気が流れる中、李浩然リーハオランが静かに口を開いた。

「今日の夜は野営をするそうだ」

 彼の言葉を聞いて、教官がレクリエーションの一環いっかんで運動場にテントを張ると言っていたことを思い出す。李浩然リーハオランが自然に話題を逸らしてくれたことに気付き、呉宇軒ウーユーシュェンは気持ちを落ち着かせて身を起こした。

「そっか、今日だっけ。キャンプファイヤーとかもするのかな?」

 李浩然リーハオランの隣に並んで座り、普段と変わらない様子を装って尋ねると、彼は僅かに眉をひそめて考え込んだ。

「どうだろう。何にせよ、今日の夕飯はカレーだ」

「だな! 美味しく作ってくれよ?」

 夜にはキャンプお決まりメニューのカレー作りがある。こういう時呉宇軒ウーユーシュェンは他の料理できないグループから助っ人を頼まれるため、不在になりがちだった。そういう訳で、幼馴染が困らないように普段から野菜の切り方や炒め方くらいは教えてあげていた。
 日のあるうちからテントの張り方について講習があるので、今日の予定について予想を立てて話していると、不意に李浩然リーハオランが体を寄せてくる。肩と肩が触れ、先ほどのことを思い出した呉宇軒ウーユーシュェンは思わず身を硬くした。

阿軒アーシュェン

「な、なに?」

 覗き込むように顔を見られ、思わず視線を逸らす。彼の眼差しはいつも真っ直ぐで力強く、目を合わせると雰囲気に飲まれそうになってしまう。
 ベッドの上に置いた手に、ふと彼の手が重なった。

「……何故目を逸らす?」

「そう? そんなことないと思うけどなぁ……」

 普通に聞かれただけなのに、何故か追い込まれているような気がしてくる。この妙な緊張感は一体なんなのか。誰も居ない部屋で二人きりという状況は慣れっこなはずなのに、今日に限って落ち着かない。

浩然ハオランっ……お前、今日どうした?」

 いつもと様子が違う彼に思い切って尋ねると、李浩然リーハオランはふっと微笑んで身を離した。すると先ほどまでの緊張した空気も緩み、呉宇軒ウーユーシュェンはようやく息の詰まる思いから解放された。

「君の真似をした」

「……俺の真似?」

 言われてようやく気付く。押せ押せで距離を詰めるあの感じは、確かに自分がいつもやっていることだ。だというのに、やる人が変わるとこうも違うものなのかとびっくりする。

「お前がやると洒落になんねぇよ! 禁止!」

 いつもふざけている呉宇軒ウーユーシュェンがやるのと、真面目な李浩然リーハオランがやるのでは天と地の差があった。それはもう冗談などではなく、別の意味になってしまう。

「俺、お前に本気で口説かれるかと思った」

 どっと疲れがきて項垂れると、李浩然リーハオランは楽しそうに言った。

「本気で口説いてもいいのか?」

 まだやる気かとぞっとする。朝から散々弄ばれ続けた呉宇軒ウーユーシュェンは、全力で駄目!と却下した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

普通のβだった俺は

りん
BL
普通の大学生として過ごす白瀬凪が、αの先輩に絡まれる話 凪は普通の大学生だ。βで、容姿も中身も平均値ぐらいだと認識している。ある日、大学でもよく噂されている先輩に声をかけられる。先輩の独特の雰囲気と空気に、次第に巻き込まれていく凪。 書き殴り状態なので少しずつ修正するつもりですです…。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

処理中です...