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第二話
直撃訪問
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「こんにちは。」
会社から出てきた男の人に声をかけた。
男の人は、突然のことに困惑していた。
「ここじゃあれなんで、喫茶店にでも行きますか。」
「え?」
男の人は戸惑っていたが、無理矢理連れていった。
喫茶店に着くと、四人用の席に座った。
俺の隣に大和。
俺の向かいには、依頼人の父親の工藤雅樹。
その隣に裕貴が座った。
「俺は、目黒探偵事務所の所長。目黒慶です。」
「探偵?」
「はい、あなたの奥さんのことについて調べています。」
「比佐子のことか?」
「はい、そうです。たしか、7年前に亡くなってますよね。」
「そうですけど。」
「死亡届けは出されました?」
「え、はい。」
「おかしいですね。戸籍上ではまだ比佐子さんは生きてるんですよ。」
「・・・。」
男の人は黙りこんでしまった。
「なんで、死亡届けを出さないんですか?」
「どこまで知ってる?」
「え?」
「どこまで知ってるんだ?」
「えっと、今お話したところまでですけど。」
「そうか。」
男の人はそう言うと、また黙りこんでしまった。
俺は切り札を使うことにした。
「あなたの娘さんから、依頼人されました。」
「え?」
本当なら依頼人のことは、あまり話してはいけない。
でも、話す様子が無さそうなので言ってみた。
「デパートで、死んだはずのお母さんに似ている人を見たと。」
「柊和が、」
「はい。それで調べていたのですが。」
「すみません。その依頼、取り止めとかできますか?」
「ご本人ならできますよ。」
「わかりました。今日はこれで失礼します。」
男の人はそう言うと、小走りで帰っていった。
「あ、コーヒー代貰ってない。」
会社から出てきた男の人に声をかけた。
男の人は、突然のことに困惑していた。
「ここじゃあれなんで、喫茶店にでも行きますか。」
「え?」
男の人は戸惑っていたが、無理矢理連れていった。
喫茶店に着くと、四人用の席に座った。
俺の隣に大和。
俺の向かいには、依頼人の父親の工藤雅樹。
その隣に裕貴が座った。
「俺は、目黒探偵事務所の所長。目黒慶です。」
「探偵?」
「はい、あなたの奥さんのことについて調べています。」
「比佐子のことか?」
「はい、そうです。たしか、7年前に亡くなってますよね。」
「そうですけど。」
「死亡届けは出されました?」
「え、はい。」
「おかしいですね。戸籍上ではまだ比佐子さんは生きてるんですよ。」
「・・・。」
男の人は黙りこんでしまった。
「なんで、死亡届けを出さないんですか?」
「どこまで知ってる?」
「え?」
「どこまで知ってるんだ?」
「えっと、今お話したところまでですけど。」
「そうか。」
男の人はそう言うと、また黙りこんでしまった。
俺は切り札を使うことにした。
「あなたの娘さんから、依頼人されました。」
「え?」
本当なら依頼人のことは、あまり話してはいけない。
でも、話す様子が無さそうなので言ってみた。
「デパートで、死んだはずのお母さんに似ている人を見たと。」
「柊和が、」
「はい。それで調べていたのですが。」
「すみません。その依頼、取り止めとかできますか?」
「ご本人ならできますよ。」
「わかりました。今日はこれで失礼します。」
男の人はそう言うと、小走りで帰っていった。
「あ、コーヒー代貰ってない。」
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