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第一話
発見
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「慶さん、まりさん見つけました。」
パソコンをいじっていた大和が俺を呼んだ。
「武藤真理。町役場の近くにあった古本屋の店主の娘です。」
「実の娘が殺したってこと?」
「わかりません。真理さんは店主の武藤昇さんが自殺した日から、行方不明になってます。」
「父親を殺して、行方をくらました。って感じかな。」
「そうなると、見つけるのが大変ですね。」
「ああ、そうだな。」
「ちょっといいですか?」
今まで俺たちが話す様子を、じっと見ていた裕貴が言った。
「あの男の子が言ってた、真理さんを引き留めようとした男の人って誰なんでか?」
「あ、そんなことも言ってましたね。」
「店主に息子はいるか?」
「いや、いません。」
「じゃあまず、そいつを探そう。」
「わかりました。でも、でがかりが全くないです。」
「そうだな、どうやって探そう。」
俺と大和が悩んでいると、また裕貴が口を開いた。
「まり、待って。って言ってたんですよね。呼び捨てってことは、知らない人どうしではないですよね。」
「そうだな。」
「じゃあ、僕は真理さんの交遊関係をあたります。」
「おう、頼んだ。」
俺はそう言うと、食べかけのジャムパンを頬張った。
今回の依頼は少々厄介だな。
数時間後...
「慶さん、こいつかもしれません。」
パソコンとスマホをいじっていた大和が俺を呼んだ。
「こいつです。」
パソコンには、イケメンがいた。
「誰だこのイケメン?」
「真理さんの彼氏です。」
「彼氏いたのか。」
「はい。結婚の約束もしていたそうです。」
大和はスマホを見せてくれた。
そこには真理さんが使っていたSNSのある呟きだった。
『今日、彼氏がプロポーズしてくれた!半年後には結婚式だ。』
「幸せそうですね。」
いつの間にか、俺たちの後ろにいた裕貴が言った。
「結婚を間近にした人が父親を殺しますかね?」
「それもそうだが、何かしら理由があるんだろう。」
「理由ですか。」
「ああ、父親に借金があって結婚するのに邪魔だったとか。」
「借金ですか。」
裕貴はそう言うと黙りこんだ。
「まあ、そんなことはいい。とりあえず明日、その男に会いに行こう。」
「はい。住所は···」
パソコンをいじっていた大和が俺を呼んだ。
「武藤真理。町役場の近くにあった古本屋の店主の娘です。」
「実の娘が殺したってこと?」
「わかりません。真理さんは店主の武藤昇さんが自殺した日から、行方不明になってます。」
「父親を殺して、行方をくらました。って感じかな。」
「そうなると、見つけるのが大変ですね。」
「ああ、そうだな。」
「ちょっといいですか?」
今まで俺たちが話す様子を、じっと見ていた裕貴が言った。
「あの男の子が言ってた、真理さんを引き留めようとした男の人って誰なんでか?」
「あ、そんなことも言ってましたね。」
「店主に息子はいるか?」
「いや、いません。」
「じゃあまず、そいつを探そう。」
「わかりました。でも、でがかりが全くないです。」
「そうだな、どうやって探そう。」
俺と大和が悩んでいると、また裕貴が口を開いた。
「まり、待って。って言ってたんですよね。呼び捨てってことは、知らない人どうしではないですよね。」
「そうだな。」
「じゃあ、僕は真理さんの交遊関係をあたります。」
「おう、頼んだ。」
俺はそう言うと、食べかけのジャムパンを頬張った。
今回の依頼は少々厄介だな。
数時間後...
「慶さん、こいつかもしれません。」
パソコンとスマホをいじっていた大和が俺を呼んだ。
「こいつです。」
パソコンには、イケメンがいた。
「誰だこのイケメン?」
「真理さんの彼氏です。」
「彼氏いたのか。」
「はい。結婚の約束もしていたそうです。」
大和はスマホを見せてくれた。
そこには真理さんが使っていたSNSのある呟きだった。
『今日、彼氏がプロポーズしてくれた!半年後には結婚式だ。』
「幸せそうですね。」
いつの間にか、俺たちの後ろにいた裕貴が言った。
「結婚を間近にした人が父親を殺しますかね?」
「それもそうだが、何かしら理由があるんだろう。」
「理由ですか。」
「ああ、父親に借金があって結婚するのに邪魔だったとか。」
「借金ですか。」
裕貴はそう言うと黙りこんだ。
「まあ、そんなことはいい。とりあえず明日、その男に会いに行こう。」
「はい。住所は···」
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