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真実
鏡の真相
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50年前
A「なんで、僕に病気のこと黙ってたんだ!!」
D「お前には関係ないだろ。」
A「関係無いだと!お前は僕の親友だろ。」
D「わかってるよ。だから、お前には知られたくなかったんだよ。」
A「そんなことより、病気のほうはどうなんだよ。」
D「・・・。
今生きてるのが奇跡らしい。もういつ死んでもおかしくないって。」
A「何だって、」
絶句した。自分が何を言いたかったのか全部忘れてしまった。
D「俺は何度も生と死の狭間をさまよってきた。でも、もうそろそろ生にしがみつくのはやめようかな。」
A「何を言っているんだ?」
D「なあ、昭義。世間一般では、人は死んでも誰かの心の中で生き続けるって言うよな。でも、俺は少し違うと思う。お前が俺のことをいつも見てくれているその瞳に、俺の魂は宿るんだ。そして、お前が死ぬ時に俺も一緒に死ぬんだ。だから、お前が生きてる限り俺は死なないのさ。」
大輔は笑顔だった。肩の荷が下りたようなホッとした表情になっていた。
A(こいつは、もうすぐ死ぬと言うのになぜこんなに笑顔なんだ?)
僕は苛立ちをおぼえ、無言で病室から出ていった。
僕は今でも後悔している。もっと、大輔と話せばよかった、
大輔の気持ちを少しでも理解してあげられればと。
次の日、僕の瞳に映ったのは大輔の死に顔だった。
それから、僕は毎日大輔の魂に語りかけている。
初めは、心の中で。途中からは、声に出して話しかけた。
自分の瞳にいる大輔に。
50年後の今日、やっと大輔が答えてくれた。
D「待ってたぞ、昭義。一緒に逝こうか。」
A「なんで、僕に病気のこと黙ってたんだ!!」
D「お前には関係ないだろ。」
A「関係無いだと!お前は僕の親友だろ。」
D「わかってるよ。だから、お前には知られたくなかったんだよ。」
A「そんなことより、病気のほうはどうなんだよ。」
D「・・・。
今生きてるのが奇跡らしい。もういつ死んでもおかしくないって。」
A「何だって、」
絶句した。自分が何を言いたかったのか全部忘れてしまった。
D「俺は何度も生と死の狭間をさまよってきた。でも、もうそろそろ生にしがみつくのはやめようかな。」
A「何を言っているんだ?」
D「なあ、昭義。世間一般では、人は死んでも誰かの心の中で生き続けるって言うよな。でも、俺は少し違うと思う。お前が俺のことをいつも見てくれているその瞳に、俺の魂は宿るんだ。そして、お前が死ぬ時に俺も一緒に死ぬんだ。だから、お前が生きてる限り俺は死なないのさ。」
大輔は笑顔だった。肩の荷が下りたようなホッとした表情になっていた。
A(こいつは、もうすぐ死ぬと言うのになぜこんなに笑顔なんだ?)
僕は苛立ちをおぼえ、無言で病室から出ていった。
僕は今でも後悔している。もっと、大輔と話せばよかった、
大輔の気持ちを少しでも理解してあげられればと。
次の日、僕の瞳に映ったのは大輔の死に顔だった。
それから、僕は毎日大輔の魂に語りかけている。
初めは、心の中で。途中からは、声に出して話しかけた。
自分の瞳にいる大輔に。
50年後の今日、やっと大輔が答えてくれた。
D「待ってたぞ、昭義。一緒に逝こうか。」
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