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〈幕間〉王太子妃になれと言われましたが、全力で拒否します~弟への愛は無限大ですわ~
4.
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愛とはなんだ?
これが愛なのか?
ファリアにこの形の愛の定義はなかった。
母親が「ファリア、愛しているわ」と伝えてきた「愛している」は、母の思い通りに自分が動いているときにのみ言われた言葉だ。
苦しいこんな気持ちが愛だなんて知らなかった。
それでも、おじさまは微笑んで言う。
「そうです。家族として愛しているから、大切で失いたくないのです。あなたの代わりにこの子があなたのように振るまっていても、それはあなたではありません。そんなことはもう、あなたはわかってらっしゃるはずです」
「でも…母様が……ルゥは代わりだから私の代わりに死ぬって…、つ……っやだっ、やだっ! 死んじゃやだぁ! 」
「ねぇさま、……わたしは、生きてます」
大丈夫だと、ルゥは痛みに耐えて笑った。
ファリアの胸はさらに軋んだ。
自分のせいでルゥが苦しんでいる。
ルゥと一緒にいるのが楽しいからと、いつもいつも振り回した。
このままでは、いつかルゥを殺してしまう。
「私と、一緒に、……っいたら、ルゥが苦しむっ、っルゥが、っ死んじゃうっ……っやだあっ」
しかしルゥはまた笑う。
「苦しく、ないです……ねぇさまといっしょ、たのしい、です」
ぶんぶんと頭を振ってルゥの言葉を否定する。
傷だらけなのダメ。
痛いのもダメ。
こんなのダメ。
ルゥは生きなきゃダメ。
死んじゃダメ。
だって。だって。
その時、ファリアの頭にポンと何かが乗った。おじさまの大きな手だった。
「その気持ちがあれば、もうあなたとこの子は本当の姉弟です。死なせないようにあなたが頑張ればよいのですよ。だってお姉さんなのでしょう?」
お姉さんと言われて、ファリアは目を大きく見開いた。
「う…、うん……私、おねえさんっ……っ」
ルゥに「ねぇさま」と呼ばせたのは自分だ。
だが本当の姉弟じゃない。
ただ瞳の色が一緒だったというだけの、「本物」と「代わり」という関係。
それでも
それでも
私はルゥの「りあねぇさま」でいたい
頬に何かが流れていた。それが涙だと気づいたのはおじさまの優しい手で拭われたからだった。
「優しいお姉さんが可愛い弟に今出来ることは、手を握ってあげることですよ。苦しいとき、大切な人に傍にいてもらえることは、どんな治療より効果があるのです」
さあ。と手をひっぱられ、ファリアはルゥの傍に座った。そして熱でホカホカのルゥの手を握る。
「ルゥ、お願い、元気になって…、さみしい…いっしょにいたい、……私の弟は…、ルゥじゃなきゃ、私……嫌なのっ……ぅ」
またボロリ流れた涙は、喉から「ぅああああ」と言葉でないものが溢れたらもう止まらなかった。
おじさまは再度ポンポンとファリアの頭をなで、直ぐに席を立つ。そしてルゥの傷を治療魔法で治してくれた。さらに自身のカバンから薬をいくつか取り出す。
「解熱剤と低級ポーションです。弱った体にはこれくらいがちょうどいいですから。傷口はふさぎましたが、少し深いので痕が残らないよう、数日間は治療魔法をかけた方がいいですね。おうちに帰ってからもきちんと治療受けて下さいね」
「う、……ありがと、…うあぁっ」
愛だと言われても分からない
でもルゥは、私の弟
たった1人の大切な弟
だから生きていて
その日、ルゥはファリアの唯一の弟になった。
翌日熱が下がったルゥを連れてファリアは屋敷に帰った。辻馬車をおじさまが用意してくれたのだ。自分が甘い認識で生きてきた事を痛感した。
ルゥは魔法だけでなく剣も使って私を守ってくれた。
私は姉なのにルゥを守れなかった。
こんな無力なままでは何も変わらないわ。
王子の婚約者になって母様からの鞭をルゥが受けなくなっても、私が婚約者である限り、ルゥは私の代わり。
いつかルゥを失うかもしれない。私以外誰もルゥを大切に思ってない。誰もルゥを守ってくれない。
こんなにかわいい私の弟を、私が守らないでどうするの。
だが、帰宅した二人を待っていたのは、ファリアとルゥに服を貸してくれた侍従とその子供たちの死体だった。
殴る蹴る以上の暴行を受けて息絶えた親子が庭に無造作に転がされていた。
細部まで整えられ美しく咲き誇る花々に囲まれてピクリとも動かない親子があまりにも異質で、ファリアは口を両手で抑えた。
ルゥは執事に抱えられて運ばれてしまった。彼の部屋でちゃんと寝かせてほしい。もらった薬はあの子の服に忍ばせている、どうかバレないで。心の中で祈った。
「この三人があなたを唆したからお仕置きしたのよ」
母は「うふふ、おかえりなさいファリア」と娘にそれはそれは奇麗な笑顔を向けた。
だがファリアの眼は、折り重なる死体から逸らせなかった。
「母様……なぜ……」
「あらあら。こんな汚い服は早く脱がないと、あなたを抱きしめられないわ。未来の王太子妃は誰よりも美しくなくてはだめよ」
「……申し訳……ございません……母様」
……狂っている。こんな世界は……
深く頭を下げながらファリアは込み上げる吐き気を必死で我慢した。
自分が家出しなければルゥも怪我をしなかったし侍従たちも死ななかった。
これは、独りよがりのわがままに巻き込んだ結果だった。
そして母は全てわかっていて侍従家族を殺したのだ。ファリアをこれからも自在に操るために。
顔を上げたファリアは全力で表情を整えた。誰にも負けないために。
もう誰も殺さない。ルゥを絶対殺させない。
「少し散歩が過ぎましたわ。着替えてきますわね、母様」
「ええ。そうしなさいファリア。愛しているわ」
母にとってあの子は私の影、有事の時に私の代わりに死ぬ子供。
でも、あの子は代わりじゃないわ。
私の弟なの。
『りあねぇさまがしたいことを手伝いたいです』
私のしたいこと、決まったわ、ルゥ。
本当の姉弟になるわ。
こんな世界を壊すの。
ルゥが、いつでも笑えるように。
私はお姉さんだから、いくらでも頑張れるわ。
だからルゥ、全てに抗うから、あなたも手伝って。
私の傍で笑っていて。
絶対あなたを死なせないから。
婚約決定後、再び第2王子殿下に会ったとき、ファリアは変わらず美しいドレスを着て、誰もがため息を漏らす美を振りまくご令嬢だった。
だが、形式ばったあいさつの後、顔を上げて口を開いたファリアに誰もが目を剥いた。
「やぁ、アーク君、相変わらず美人だねぇ。瞳も髪も最高にきれいだ。君と婚約したのは魔法研究の一環だよ。君の魔力を調べてみたいと思ってねぇ。私は3度の飯より魔法が好きなんだ。魔法研究所に所属して世界中の魔法を調べつくすのが私の夢さ。君の使える魔法、せびとも色々教えておくれ。じゃあ、あいさつ代わりに私の魔法、見せてあげるね」
手に持った杖を振るい、応接室をものの10秒ほどで様々な植物を生やして天井まで埋め尽くした。
「どうだい? きれいだろう? これは隣国の鉱山地帯に生息する石を食べる植物でね、実は石だけじゃなく骨も食べるんだよ、珍しいだろう? こっちは虫を食べるんだ。で、これは根を伸ばして冬眠中の動物の血を吸うんだよね。でもどれもこんなきれいな花が咲く。ほんと興味深いよねぇ」
ニコニコの笑顔で植物うんちくを語り出したファリア。
ファリアの母は卒倒し、お付の者たちは右往左往する。
ルゥも姉の変わりように驚いたがファリアのウィンクを受け、すぐにその顔はほころんだ。
「大丈夫よ」と口パクで弟にささやいたファリアは、
「ああ、アーク君の近くにある植物はね、美しいものに巻き付く習性があるんだよ。美しさの基準はその植物によって違うから誰もが巻き付かれる可能性がある。ふふ、ほらアーク君に寄ってきたね。これはとんでもなく面食いのお花だ。ああ大丈夫だよ。食べられたりはしないよ。ちょっと体液を舐め取られるだけさ。汗レベルで満足するから分けてやってよ」
と杖をくるくるまわす。
殿下の傍にある手の平のような形の大きな葉を持つ植物がザワと揺れて殿下を包み込む。そして上から花が王子の頭を覆った。
まさかの植物による第2王子巻取り事件勃発に城は大騒動になった。
残念ながらアークフリクト第2王子殿下は大笑いしていたため結局ファリアの婚約は続くことになった。
ファリアは殿下がキレて婚約破棄してくれたら良かったのにと内心舌打ちしていたのだったが。
これが愛なのか?
ファリアにこの形の愛の定義はなかった。
母親が「ファリア、愛しているわ」と伝えてきた「愛している」は、母の思い通りに自分が動いているときにのみ言われた言葉だ。
苦しいこんな気持ちが愛だなんて知らなかった。
それでも、おじさまは微笑んで言う。
「そうです。家族として愛しているから、大切で失いたくないのです。あなたの代わりにこの子があなたのように振るまっていても、それはあなたではありません。そんなことはもう、あなたはわかってらっしゃるはずです」
「でも…母様が……ルゥは代わりだから私の代わりに死ぬって…、つ……っやだっ、やだっ! 死んじゃやだぁ! 」
「ねぇさま、……わたしは、生きてます」
大丈夫だと、ルゥは痛みに耐えて笑った。
ファリアの胸はさらに軋んだ。
自分のせいでルゥが苦しんでいる。
ルゥと一緒にいるのが楽しいからと、いつもいつも振り回した。
このままでは、いつかルゥを殺してしまう。
「私と、一緒に、……っいたら、ルゥが苦しむっ、っルゥが、っ死んじゃうっ……っやだあっ」
しかしルゥはまた笑う。
「苦しく、ないです……ねぇさまといっしょ、たのしい、です」
ぶんぶんと頭を振ってルゥの言葉を否定する。
傷だらけなのダメ。
痛いのもダメ。
こんなのダメ。
ルゥは生きなきゃダメ。
死んじゃダメ。
だって。だって。
その時、ファリアの頭にポンと何かが乗った。おじさまの大きな手だった。
「その気持ちがあれば、もうあなたとこの子は本当の姉弟です。死なせないようにあなたが頑張ればよいのですよ。だってお姉さんなのでしょう?」
お姉さんと言われて、ファリアは目を大きく見開いた。
「う…、うん……私、おねえさんっ……っ」
ルゥに「ねぇさま」と呼ばせたのは自分だ。
だが本当の姉弟じゃない。
ただ瞳の色が一緒だったというだけの、「本物」と「代わり」という関係。
それでも
それでも
私はルゥの「りあねぇさま」でいたい
頬に何かが流れていた。それが涙だと気づいたのはおじさまの優しい手で拭われたからだった。
「優しいお姉さんが可愛い弟に今出来ることは、手を握ってあげることですよ。苦しいとき、大切な人に傍にいてもらえることは、どんな治療より効果があるのです」
さあ。と手をひっぱられ、ファリアはルゥの傍に座った。そして熱でホカホカのルゥの手を握る。
「ルゥ、お願い、元気になって…、さみしい…いっしょにいたい、……私の弟は…、ルゥじゃなきゃ、私……嫌なのっ……ぅ」
またボロリ流れた涙は、喉から「ぅああああ」と言葉でないものが溢れたらもう止まらなかった。
おじさまは再度ポンポンとファリアの頭をなで、直ぐに席を立つ。そしてルゥの傷を治療魔法で治してくれた。さらに自身のカバンから薬をいくつか取り出す。
「解熱剤と低級ポーションです。弱った体にはこれくらいがちょうどいいですから。傷口はふさぎましたが、少し深いので痕が残らないよう、数日間は治療魔法をかけた方がいいですね。おうちに帰ってからもきちんと治療受けて下さいね」
「う、……ありがと、…うあぁっ」
愛だと言われても分からない
でもルゥは、私の弟
たった1人の大切な弟
だから生きていて
その日、ルゥはファリアの唯一の弟になった。
翌日熱が下がったルゥを連れてファリアは屋敷に帰った。辻馬車をおじさまが用意してくれたのだ。自分が甘い認識で生きてきた事を痛感した。
ルゥは魔法だけでなく剣も使って私を守ってくれた。
私は姉なのにルゥを守れなかった。
こんな無力なままでは何も変わらないわ。
王子の婚約者になって母様からの鞭をルゥが受けなくなっても、私が婚約者である限り、ルゥは私の代わり。
いつかルゥを失うかもしれない。私以外誰もルゥを大切に思ってない。誰もルゥを守ってくれない。
こんなにかわいい私の弟を、私が守らないでどうするの。
だが、帰宅した二人を待っていたのは、ファリアとルゥに服を貸してくれた侍従とその子供たちの死体だった。
殴る蹴る以上の暴行を受けて息絶えた親子が庭に無造作に転がされていた。
細部まで整えられ美しく咲き誇る花々に囲まれてピクリとも動かない親子があまりにも異質で、ファリアは口を両手で抑えた。
ルゥは執事に抱えられて運ばれてしまった。彼の部屋でちゃんと寝かせてほしい。もらった薬はあの子の服に忍ばせている、どうかバレないで。心の中で祈った。
「この三人があなたを唆したからお仕置きしたのよ」
母は「うふふ、おかえりなさいファリア」と娘にそれはそれは奇麗な笑顔を向けた。
だがファリアの眼は、折り重なる死体から逸らせなかった。
「母様……なぜ……」
「あらあら。こんな汚い服は早く脱がないと、あなたを抱きしめられないわ。未来の王太子妃は誰よりも美しくなくてはだめよ」
「……申し訳……ございません……母様」
……狂っている。こんな世界は……
深く頭を下げながらファリアは込み上げる吐き気を必死で我慢した。
自分が家出しなければルゥも怪我をしなかったし侍従たちも死ななかった。
これは、独りよがりのわがままに巻き込んだ結果だった。
そして母は全てわかっていて侍従家族を殺したのだ。ファリアをこれからも自在に操るために。
顔を上げたファリアは全力で表情を整えた。誰にも負けないために。
もう誰も殺さない。ルゥを絶対殺させない。
「少し散歩が過ぎましたわ。着替えてきますわね、母様」
「ええ。そうしなさいファリア。愛しているわ」
母にとってあの子は私の影、有事の時に私の代わりに死ぬ子供。
でも、あの子は代わりじゃないわ。
私の弟なの。
『りあねぇさまがしたいことを手伝いたいです』
私のしたいこと、決まったわ、ルゥ。
本当の姉弟になるわ。
こんな世界を壊すの。
ルゥが、いつでも笑えるように。
私はお姉さんだから、いくらでも頑張れるわ。
だからルゥ、全てに抗うから、あなたも手伝って。
私の傍で笑っていて。
絶対あなたを死なせないから。
婚約決定後、再び第2王子殿下に会ったとき、ファリアは変わらず美しいドレスを着て、誰もがため息を漏らす美を振りまくご令嬢だった。
だが、形式ばったあいさつの後、顔を上げて口を開いたファリアに誰もが目を剥いた。
「やぁ、アーク君、相変わらず美人だねぇ。瞳も髪も最高にきれいだ。君と婚約したのは魔法研究の一環だよ。君の魔力を調べてみたいと思ってねぇ。私は3度の飯より魔法が好きなんだ。魔法研究所に所属して世界中の魔法を調べつくすのが私の夢さ。君の使える魔法、せびとも色々教えておくれ。じゃあ、あいさつ代わりに私の魔法、見せてあげるね」
手に持った杖を振るい、応接室をものの10秒ほどで様々な植物を生やして天井まで埋め尽くした。
「どうだい? きれいだろう? これは隣国の鉱山地帯に生息する石を食べる植物でね、実は石だけじゃなく骨も食べるんだよ、珍しいだろう? こっちは虫を食べるんだ。で、これは根を伸ばして冬眠中の動物の血を吸うんだよね。でもどれもこんなきれいな花が咲く。ほんと興味深いよねぇ」
ニコニコの笑顔で植物うんちくを語り出したファリア。
ファリアの母は卒倒し、お付の者たちは右往左往する。
ルゥも姉の変わりように驚いたがファリアのウィンクを受け、すぐにその顔はほころんだ。
「大丈夫よ」と口パクで弟にささやいたファリアは、
「ああ、アーク君の近くにある植物はね、美しいものに巻き付く習性があるんだよ。美しさの基準はその植物によって違うから誰もが巻き付かれる可能性がある。ふふ、ほらアーク君に寄ってきたね。これはとんでもなく面食いのお花だ。ああ大丈夫だよ。食べられたりはしないよ。ちょっと体液を舐め取られるだけさ。汗レベルで満足するから分けてやってよ」
と杖をくるくるまわす。
殿下の傍にある手の平のような形の大きな葉を持つ植物がザワと揺れて殿下を包み込む。そして上から花が王子の頭を覆った。
まさかの植物による第2王子巻取り事件勃発に城は大騒動になった。
残念ながらアークフリクト第2王子殿下は大笑いしていたため結局ファリアの婚約は続くことになった。
ファリアは殿下がキレて婚約破棄してくれたら良かったのにと内心舌打ちしていたのだったが。
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