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第1部最終章 僕の執事はイケすぎています
1.
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「うわわああああああ! やばいぞ!」
「にげろ!!」
「殺される!」
恐怖にあおられた人々がパニックに陥っていく。
腰を抜かし這いずるように逃げていく人。
階段を転げ落ちていく人。
気絶した女性を運ぶ男性。
泣き叫ぶ子供を抱えて走る親。
「階段席の者たち! 今すぐ退避せよ!!」
あ、辺境伯の声もする。意識をそちらにやると左側の階段状になった席の一番上で叫んでいる姿が見えた。周りの一般の人たちは我先にと駆け降りて広場から出ていく。
そうだね、逃げるのがいいよ。みんな、僕をコロセナイだろう?
―コロシテヨー
ずうぅるり、ずぅるりと動いて伸びていく【僕の太いつる】が、殺してくれる相手を求めてさまよう。
そうしてすぐ、また誰かに切られたのが分かった。
シュォオ! シュォオ! と傷口から吹き出す瘴気。
「うううう!」と苦しみ始める人々。
だあれ? 【僕】を切ったのは。
逃げ惑う観客だらけなのに【僕】を切ったら瘴気で逃げようとしてるみんながオカシクなっちゃうよ。
犯人をにらみつけたら剣を持ち立っていたのは、僕に拘束具をつけたあの神官だった。
もうすでに灰色の瞳が紫に変色している。
「ぐううううう、あああああうう」
獣のように禍々しい声を上げるおじさん神官。
あなた、僕の仲間になっちゃったの?
まあ昨夜あれだけ瘴気まとってたからね。こうなるのも時間の問題だったよね。でも、今じゃなくていいのに。めんどくさい。
―コロシテホシイノニー
おじさん神官に切られて噴き出していた瘴気が紫の砂粒になって地に落ちていく。
まったく。めんどくさいんだよ。おじさん神官もそんなにたくさん瘴気まとってないでさ。
さっさと正気に戻って去ってよね。
―アナタハ、ボクヲ、コロセナイダロー
おじさん神官の紫の瞳を戻そうとしたとき、
「がァ! ぐあァァ……ァ、ァ」
口から血を噴き出して仰向けにバタンと倒れた。
おじさん神官の胸、矢が刺さってる。
辺境伯? 彼に意識を向けると確かに観客席の上から弓を引いた姿があった。ここから5、60メートルはある。
周りは人間だらけなのに、確実に打ち抜けるとわかっていて矢を放ったんだ。
すごい。やはり零に負けてない。ねえ、なら辺境伯。
―ボクヲ、コロセル?―
にや、と僕は笑った。
そしておじさん神官に意識を戻すと、もう彼が息をしていないのが分かった。心臓を矢で一突きされたから仕方ない。
でもこのままだと魔石になっちゃう。仕方ないから僕はこの人を元に戻す。おじさん神官の傍にゴロンと野球ボールサイズの紫玉が転がった。
その間にも【僕】はぬろんぬろんとあちらこちららに動いて進んでいく。ビキ、バギィと都度都度に石のタイルが割れていった。
辺境伯、せっかくだからもっと近くに来てよ。
僕の心臓も一突きにしてよ。
ほら、あそこで石に埋まって動いてないから。
ー簡単ニ、コロセルヨネ?ー
止まって周りに退避を訴えていた殿下がコンラートに叫んだ。
「コンラート! お前も逃げろ! 逃げながら瘴気を浄化しろ!!」
「ひ、っ、いっ、っ」
「コンラート! お前は第3騎士団長の息子だろ! しっかりしろ!」
「う、、っ」
なんとか立ち上がり、よたよたと動き始めた。
「陛下もっ! 退避お願いいたします!」
殿下の声が一層大きくなった。辺境伯のいる階段の中腹を見て叫んでいる。
そこには鎧を着た兵士に囲まれて、陛下をはじめ宰相、そして我が父もふくめて10名ほどの高位貴族が座していた。カルシード公爵もいる。若い人は第一王子殿下と第二王子殿下かも。ああ、あのバーコード神官まで。やっぱりあの人高位神官なんだ。
さすが陛下たち。なかなか見やすい良い席で観覧していたようだ。
「陛下! あちらへ! みなさまも!」
「うわあああ!」
「やれ! やっつけろ!」
辺境伯のいる逆、右側の階段下から叫び声が上がり【僕】が切られた。ていうか、さっきからあちこちで【僕】は切られている。
そのたびにシュウシュウ噴き出す瘴気。仕方ないからサクッと紫の砂粒に変えているけれど、僕以外にも陛下の近くでは浄化している人がいるみたいだ。
兵士の中に浄化魔法が使える人や神官も数名いるのだろう。風だったり土だったりいろいろな魔法と一緒に浄化の光が広がっている。
【僕】の傷口から噴き出して漂う瘴気がそれに触れるとちょっとだけ消えていった。
そうして陛下を囲む兵士たちが同時に一段ずつ階段を降りて彼らを誘導していく。
そんな中、逃げ惑う人々の声にバーコード神官と父の声が混じった。
「魔物化のワナなど要りませんでしたなぁ。魔王の方がよっぽど恐ろしい」
「魔王とはかくも禍々しいものか、くくくっ、我が子よ早く殺せ、思うままに殺ってしまえ」
あのフォレストベアの罠を作ったの、バーコード神官なんだ。
この人土属性だから深い穴も掘れるし簡単だったろうなぁ。
浄化祭の演出に魔物を用意したいと思ったのかな?
でも、確かに僕の方が適任だよね、だって本物だもんね。
でも父様、間違っていますよ。
僕は、殺したいんじゃないの。
―ボクハ、コロサレタイノー
そのとき、シュン! と鋭い風切り音がした。
あれは矢が空間を切り裂く音。
見れば僕に向かって飛んできてた。
ああ、辺境伯だ。ようやく、僕の願いが叶う。
嬉しくて【僕】がドオオンン!と波打った。バギバキと石のタイルを割り砂埃を舞い上げる。
「うわわああああああ!」
悲鳴が上がった。
【僕】がちょっと動いただけなのにみんな敏感だね。
―待ッテタヨー
でも辺境伯の放った矢は僕に届く前にキィン!!と甲高い音をたてて緑の障壁に当たり、地に落ちた。
せっかく死ねると思ったのに。
「やめろ! ドレ君!」
叫んだのはファリア先生だった。緑の障壁は彼女のか。
てか先生、ガロディア辺境伯の名前がアンドレアスだからドレ君だなんて、僕をトラ君とあだ名付けたのと同じだ。あんな強面をかわいい愛称で呼べるなんてさすがだね。
「やめるわけにゃ、いかねぇなぁ。約束があんだよ」
また辺境伯がギギギギ! と力強く弓を引いた。
「私だってっ! 約束したから!」
シュン! と放たれた矢がすぐさまキイン! と音と立て緑の障壁で打ち取られる。
それが幾度か繰り返されているうちに、陛下や重鎮たちの退去も終了し、もう残っているのはジーク殿下と辺境伯と先生だけ。金づちのおじさんは意識を失った女性二人を抱えて逃げていった。
ぬった、ぬったと【僕】は蠢いて辺境伯に近づいていく。【僕】が通った階段はドゴ! バギィ! と轟音をたて崩れていった。
辺境伯に【僕】の先っぽがもうすぐ届く。
あなたを捕まえて、もっと近くに来てもらえれば
―シネルヨネ?―
「くっ、ファリア先生っ、あれは、本当にハルトライアなのかっ」
矢を何度も落とすことを繰り返しているファリア先生に、殿下が必死に話しかける。
「っそうだよ殿下。どうするつもり?」
「私は、……っ」
そこは殿下。つまらないで。
―コロシテヨ。殿下―
「トラ君を殺すっていうなら私が全力で阻止するよ」
「私はっ、っハルトライアを救いたいんだ!!」
殿下、こんな時も全方位にお優しい。
やはりあなたはこの国の光。
どうかそのまま、まっすぐに成長してください。
そうして零を愛して幸せになってください。
死んでいく僕のことなんて、どうだっていいから。
僕はもう完全に魔王になってしまったから、あなたは安心してコロしたらいいんですよ。
「にげろ!!」
「殺される!」
恐怖にあおられた人々がパニックに陥っていく。
腰を抜かし這いずるように逃げていく人。
階段を転げ落ちていく人。
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犯人をにらみつけたら剣を持ち立っていたのは、僕に拘束具をつけたあの神官だった。
もうすでに灰色の瞳が紫に変色している。
「ぐううううう、あああああうう」
獣のように禍々しい声を上げるおじさん神官。
あなた、僕の仲間になっちゃったの?
まあ昨夜あれだけ瘴気まとってたからね。こうなるのも時間の問題だったよね。でも、今じゃなくていいのに。めんどくさい。
―コロシテホシイノニー
おじさん神官に切られて噴き出していた瘴気が紫の砂粒になって地に落ちていく。
まったく。めんどくさいんだよ。おじさん神官もそんなにたくさん瘴気まとってないでさ。
さっさと正気に戻って去ってよね。
―アナタハ、ボクヲ、コロセナイダロー
おじさん神官の紫の瞳を戻そうとしたとき、
「がァ! ぐあァァ……ァ、ァ」
口から血を噴き出して仰向けにバタンと倒れた。
おじさん神官の胸、矢が刺さってる。
辺境伯? 彼に意識を向けると確かに観客席の上から弓を引いた姿があった。ここから5、60メートルはある。
周りは人間だらけなのに、確実に打ち抜けるとわかっていて矢を放ったんだ。
すごい。やはり零に負けてない。ねえ、なら辺境伯。
―ボクヲ、コロセル?―
にや、と僕は笑った。
そしておじさん神官に意識を戻すと、もう彼が息をしていないのが分かった。心臓を矢で一突きされたから仕方ない。
でもこのままだと魔石になっちゃう。仕方ないから僕はこの人を元に戻す。おじさん神官の傍にゴロンと野球ボールサイズの紫玉が転がった。
その間にも【僕】はぬろんぬろんとあちらこちららに動いて進んでいく。ビキ、バギィと都度都度に石のタイルが割れていった。
辺境伯、せっかくだからもっと近くに来てよ。
僕の心臓も一突きにしてよ。
ほら、あそこで石に埋まって動いてないから。
ー簡単ニ、コロセルヨネ?ー
止まって周りに退避を訴えていた殿下がコンラートに叫んだ。
「コンラート! お前も逃げろ! 逃げながら瘴気を浄化しろ!!」
「ひ、っ、いっ、っ」
「コンラート! お前は第3騎士団長の息子だろ! しっかりしろ!」
「う、、っ」
なんとか立ち上がり、よたよたと動き始めた。
「陛下もっ! 退避お願いいたします!」
殿下の声が一層大きくなった。辺境伯のいる階段の中腹を見て叫んでいる。
そこには鎧を着た兵士に囲まれて、陛下をはじめ宰相、そして我が父もふくめて10名ほどの高位貴族が座していた。カルシード公爵もいる。若い人は第一王子殿下と第二王子殿下かも。ああ、あのバーコード神官まで。やっぱりあの人高位神官なんだ。
さすが陛下たち。なかなか見やすい良い席で観覧していたようだ。
「陛下! あちらへ! みなさまも!」
「うわあああ!」
「やれ! やっつけろ!」
辺境伯のいる逆、右側の階段下から叫び声が上がり【僕】が切られた。ていうか、さっきからあちこちで【僕】は切られている。
そのたびにシュウシュウ噴き出す瘴気。仕方ないからサクッと紫の砂粒に変えているけれど、僕以外にも陛下の近くでは浄化している人がいるみたいだ。
兵士の中に浄化魔法が使える人や神官も数名いるのだろう。風だったり土だったりいろいろな魔法と一緒に浄化の光が広がっている。
【僕】の傷口から噴き出して漂う瘴気がそれに触れるとちょっとだけ消えていった。
そうして陛下を囲む兵士たちが同時に一段ずつ階段を降りて彼らを誘導していく。
そんな中、逃げ惑う人々の声にバーコード神官と父の声が混じった。
「魔物化のワナなど要りませんでしたなぁ。魔王の方がよっぽど恐ろしい」
「魔王とはかくも禍々しいものか、くくくっ、我が子よ早く殺せ、思うままに殺ってしまえ」
あのフォレストベアの罠を作ったの、バーコード神官なんだ。
この人土属性だから深い穴も掘れるし簡単だったろうなぁ。
浄化祭の演出に魔物を用意したいと思ったのかな?
でも、確かに僕の方が適任だよね、だって本物だもんね。
でも父様、間違っていますよ。
僕は、殺したいんじゃないの。
―ボクハ、コロサレタイノー
そのとき、シュン! と鋭い風切り音がした。
あれは矢が空間を切り裂く音。
見れば僕に向かって飛んできてた。
ああ、辺境伯だ。ようやく、僕の願いが叶う。
嬉しくて【僕】がドオオンン!と波打った。バギバキと石のタイルを割り砂埃を舞い上げる。
「うわわああああああ!」
悲鳴が上がった。
【僕】がちょっと動いただけなのにみんな敏感だね。
―待ッテタヨー
でも辺境伯の放った矢は僕に届く前にキィン!!と甲高い音をたてて緑の障壁に当たり、地に落ちた。
せっかく死ねると思ったのに。
「やめろ! ドレ君!」
叫んだのはファリア先生だった。緑の障壁は彼女のか。
てか先生、ガロディア辺境伯の名前がアンドレアスだからドレ君だなんて、僕をトラ君とあだ名付けたのと同じだ。あんな強面をかわいい愛称で呼べるなんてさすがだね。
「やめるわけにゃ、いかねぇなぁ。約束があんだよ」
また辺境伯がギギギギ! と力強く弓を引いた。
「私だってっ! 約束したから!」
シュン! と放たれた矢がすぐさまキイン! と音と立て緑の障壁で打ち取られる。
それが幾度か繰り返されているうちに、陛下や重鎮たちの退去も終了し、もう残っているのはジーク殿下と辺境伯と先生だけ。金づちのおじさんは意識を失った女性二人を抱えて逃げていった。
ぬった、ぬったと【僕】は蠢いて辺境伯に近づいていく。【僕】が通った階段はドゴ! バギィ! と轟音をたて崩れていった。
辺境伯に【僕】の先っぽがもうすぐ届く。
あなたを捕まえて、もっと近くに来てもらえれば
―シネルヨネ?―
「くっ、ファリア先生っ、あれは、本当にハルトライアなのかっ」
矢を何度も落とすことを繰り返しているファリア先生に、殿下が必死に話しかける。
「っそうだよ殿下。どうするつもり?」
「私は、……っ」
そこは殿下。つまらないで。
―コロシテヨ。殿下―
「トラ君を殺すっていうなら私が全力で阻止するよ」
「私はっ、っハルトライアを救いたいんだ!!」
殿下、こんな時も全方位にお優しい。
やはりあなたはこの国の光。
どうかそのまま、まっすぐに成長してください。
そうして零を愛して幸せになってください。
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