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7章 いろいろ頑張っています
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結局僕は、午後からの殿下とのお茶会を断ることにした。
少々泣きすぎて顔が腫れたということもあったが、それよりも僕の精神状態が悪かったからだ。
殿下は僕とは違う。主人公と共に光り輝く人間だ。彼と比べて格段に弱い僕。なのにこんな気持ちで会ってしまったら、その眩しさがうらやましくて殿下の前で【つる】を押さえられないだろうと思ったのだ。
そして殿下は僕の【つる】が体の外に飛び出すことを知らない。もちろん絶対に殿下に見られることがあってはならない。殿下に見られることは国王に知られると同意だ。殿下には国王の陰が必ずついているから。知られてしまえば否応なく断罪されるだろう。1000年前の魔王の再来として。
僕の体は、もう明日魔王に変化してもおかしくないくらいの【つる】で覆われている。それでもこうやって自分の意思で動ける限りは、人間として生きていたいんだ。
「ごめんね、仮病なのにこんなお願い聞いてもらって」
「何をおっしゃいますっ。ハル坊ちゃまは毎日がんばっておられますからっ。今日くらいゆっくりしましょうよ」
笑顔のユアが「じゃあいってきまーすっ」と元気よく屋敷を出た。
ユアには殿下にお茶会の中止を伝えに行ってもらったのだ。
その間に僕とカシルはご飯を食べる。ちなみにユアは僕が泣いている間に食べ終わっていた。一人でご飯食べさせてしまってごめん。
お昼はサラダに小さめのグリルチキン、細かく切った野菜のチャウダースープという思っていたより軽めのモノだった。もしかして僕が泣いていたから気を利かせて作ってくれたのかもしれない。
「カシル、教えてほしい。王族のこととか、貴族のこととか、お前の知ってる範囲でいいから」
食事をしながらの話題としては硬い。でも知りたかった。自分が無知のままではどうしようもないから。僕は侯爵家の子とは言え父親と接点はなく貴族の社交場になどもちろん行ったことない。要するにこの国の貴族に関する情報には疎かった。
「承知いたしました。まず、この国は1000年前に建国されたことはご存じですね」
うん、と頷いた。簡単にまとめると、1000年前世界は戦乱のさなかにいた。そこにあらわれたのが女神レジクシレア。争い合う人間を救いこの国を作ったとされる。その時世界で暴れていた魔王も女神の傍にいた聖者に討伐されたという。
そして女神の血縁がこの国の王となり現在に至っている。
「歴史は昔カシルが教えてくれたから知っているよ。でも今の国政の事情とかよく分からない。ジーク殿下の母親であるリズ妃は隣国ナルカレイズの王女だったから、この国の貴族とあまり仲良くないっていうことくらいかな。ジーク殿下の兄殿下二人のことは何も」
正妃のこともゼロエンの知識からだ。しかもゼロエンが始まる殿下16歳の時には、兄殿下は二人ともすでに他界していた。二人の死の詳細は漫画に描かれていない。そして物語当初、ジーク殿下は自分が立太子することに迷いがあった。だが零に会って立太子を決意する。初めは貴族から嫌われていた殿下も、聖者の再来である零を連れて旅をすることで少しずつ王太子として認められていく。その行程もゼロエンの醍醐味だったなと思い出す。
「第三王子ジークフリクト殿下の兄殿下、第一王子のルークフリクト王子殿下の母ロージア妃は、ハルトライア様のご親戚です。ロージア妃はリフシャル侯爵の叔母上でございます。現在38歳のアークフリクト国王陛下にとっては5歳年上の妻となります。第二王子のヨークフリクト王子殿下の母フェルディナ妃は、カルシード公爵夫人のご実家であるイスベラルド侯爵家現当主の妹君です。こちらも国王陛下にとっては4歳年上の妻となります」
手短に兄殿下たちの説明をしてくれたカシルは、いつもと変わらず無駄のなく品ばかりある美しい所作でグリルチキンをきれいに切り分け口に運ぶ。フォークを持つ節ばった手の甲に浮かぶ血管と骨の筋がなんだかセクシーで困る。
そして咀嚼を完全に終えるまでは絶対口を開かない。こんなの基本の基本だからカシルにとっては無意識レベルと思う。耳を澄ましてもカトラリーが皿にカチと当たる音は全く聞こえない。マナーを守る美老年をカッコいいと言わずなんとする。見つめてしまうのはしょうがなかった。
「ということは、ファリア先生のお姉さん、ってこと?」
「母親違いではございますが」
コクンと頷くカシル。斜め横顔もイケメン過ぎる。
鼻筋の向こう側に見えるしわのある張り出した額。その先にある長めの銀の眉毛が光る。その影に入るのは、顔を引き締める黒縁の眼鏡。黒縁に囲まれて普段あまり気付かないけど、レンズに当たるくらい長い銀のまつ毛が色っぽい。その銀に包まれた優しさのにじむ緑。頬骨から少し落ちくぼんだ頬に刻まれたしわもダンディ。
ああ、ここでご飯くずとか頬につけていたら取ってあげられるのに、けどそんなミス絶対しないカシルがやっぱりカッコいい、ジェントルマン過ぎる。
「ハルトライア様、食べられそうであれば、どうかお食事を召し上がってくださいませ。先ほどからあまりフォークが進んでおりません」
心配そうな声で諭された。お前に見とれてただけなのに、ていうか好きと自覚してからカシルの何もかもがイケ過ぎてて困るんだけど。
慌てて肉をむぐとほおばる。「少々大きすぎませんか?」と注意された。
うん、ちょっとのどが苦しい。水を飲んでなんとか肉を流し込んだ。マナーを全く持ち合わせていない自分に恥じてしまう。なので次は丁寧に小さく切って口に運んだ。
もぐもぐしつつ思案する。要するに王家は二大侯爵家から一人ずつ嫁を貰って貴族の均衡を保っていた。そこに水を差すように他国からの輿入れ。しかも第三王子のジーク殿下まで生まれてしまう。きな臭くなるわけだ。
リズ妃の実家である国ナルカレイズは、ここレジクシレアと比べると国土は5分の1くらいの小国だ。しかし上質な宝石を多く産出する国なので各国の王族や貴族から重宝され、裕福な国。軍事力に関してはそこまでの脅威はない。小国が保身のため大国の王族との婚姻によって後ろ盾を得るのは当たり前のことだ。そしてジーク殿下が国王となればナルカレイズはさらなる安寧を勝ち取ることになる。
少々泣きすぎて顔が腫れたということもあったが、それよりも僕の精神状態が悪かったからだ。
殿下は僕とは違う。主人公と共に光り輝く人間だ。彼と比べて格段に弱い僕。なのにこんな気持ちで会ってしまったら、その眩しさがうらやましくて殿下の前で【つる】を押さえられないだろうと思ったのだ。
そして殿下は僕の【つる】が体の外に飛び出すことを知らない。もちろん絶対に殿下に見られることがあってはならない。殿下に見られることは国王に知られると同意だ。殿下には国王の陰が必ずついているから。知られてしまえば否応なく断罪されるだろう。1000年前の魔王の再来として。
僕の体は、もう明日魔王に変化してもおかしくないくらいの【つる】で覆われている。それでもこうやって自分の意思で動ける限りは、人間として生きていたいんだ。
「ごめんね、仮病なのにこんなお願い聞いてもらって」
「何をおっしゃいますっ。ハル坊ちゃまは毎日がんばっておられますからっ。今日くらいゆっくりしましょうよ」
笑顔のユアが「じゃあいってきまーすっ」と元気よく屋敷を出た。
ユアには殿下にお茶会の中止を伝えに行ってもらったのだ。
その間に僕とカシルはご飯を食べる。ちなみにユアは僕が泣いている間に食べ終わっていた。一人でご飯食べさせてしまってごめん。
お昼はサラダに小さめのグリルチキン、細かく切った野菜のチャウダースープという思っていたより軽めのモノだった。もしかして僕が泣いていたから気を利かせて作ってくれたのかもしれない。
「カシル、教えてほしい。王族のこととか、貴族のこととか、お前の知ってる範囲でいいから」
食事をしながらの話題としては硬い。でも知りたかった。自分が無知のままではどうしようもないから。僕は侯爵家の子とは言え父親と接点はなく貴族の社交場になどもちろん行ったことない。要するにこの国の貴族に関する情報には疎かった。
「承知いたしました。まず、この国は1000年前に建国されたことはご存じですね」
うん、と頷いた。簡単にまとめると、1000年前世界は戦乱のさなかにいた。そこにあらわれたのが女神レジクシレア。争い合う人間を救いこの国を作ったとされる。その時世界で暴れていた魔王も女神の傍にいた聖者に討伐されたという。
そして女神の血縁がこの国の王となり現在に至っている。
「歴史は昔カシルが教えてくれたから知っているよ。でも今の国政の事情とかよく分からない。ジーク殿下の母親であるリズ妃は隣国ナルカレイズの王女だったから、この国の貴族とあまり仲良くないっていうことくらいかな。ジーク殿下の兄殿下二人のことは何も」
正妃のこともゼロエンの知識からだ。しかもゼロエンが始まる殿下16歳の時には、兄殿下は二人ともすでに他界していた。二人の死の詳細は漫画に描かれていない。そして物語当初、ジーク殿下は自分が立太子することに迷いがあった。だが零に会って立太子を決意する。初めは貴族から嫌われていた殿下も、聖者の再来である零を連れて旅をすることで少しずつ王太子として認められていく。その行程もゼロエンの醍醐味だったなと思い出す。
「第三王子ジークフリクト殿下の兄殿下、第一王子のルークフリクト王子殿下の母ロージア妃は、ハルトライア様のご親戚です。ロージア妃はリフシャル侯爵の叔母上でございます。現在38歳のアークフリクト国王陛下にとっては5歳年上の妻となります。第二王子のヨークフリクト王子殿下の母フェルディナ妃は、カルシード公爵夫人のご実家であるイスベラルド侯爵家現当主の妹君です。こちらも国王陛下にとっては4歳年上の妻となります」
手短に兄殿下たちの説明をしてくれたカシルは、いつもと変わらず無駄のなく品ばかりある美しい所作でグリルチキンをきれいに切り分け口に運ぶ。フォークを持つ節ばった手の甲に浮かぶ血管と骨の筋がなんだかセクシーで困る。
そして咀嚼を完全に終えるまでは絶対口を開かない。こんなの基本の基本だからカシルにとっては無意識レベルと思う。耳を澄ましてもカトラリーが皿にカチと当たる音は全く聞こえない。マナーを守る美老年をカッコいいと言わずなんとする。見つめてしまうのはしょうがなかった。
「ということは、ファリア先生のお姉さん、ってこと?」
「母親違いではございますが」
コクンと頷くカシル。斜め横顔もイケメン過ぎる。
鼻筋の向こう側に見えるしわのある張り出した額。その先にある長めの銀の眉毛が光る。その影に入るのは、顔を引き締める黒縁の眼鏡。黒縁に囲まれて普段あまり気付かないけど、レンズに当たるくらい長い銀のまつ毛が色っぽい。その銀に包まれた優しさのにじむ緑。頬骨から少し落ちくぼんだ頬に刻まれたしわもダンディ。
ああ、ここでご飯くずとか頬につけていたら取ってあげられるのに、けどそんなミス絶対しないカシルがやっぱりカッコいい、ジェントルマン過ぎる。
「ハルトライア様、食べられそうであれば、どうかお食事を召し上がってくださいませ。先ほどからあまりフォークが進んでおりません」
心配そうな声で諭された。お前に見とれてただけなのに、ていうか好きと自覚してからカシルの何もかもがイケ過ぎてて困るんだけど。
慌てて肉をむぐとほおばる。「少々大きすぎませんか?」と注意された。
うん、ちょっとのどが苦しい。水を飲んでなんとか肉を流し込んだ。マナーを全く持ち合わせていない自分に恥じてしまう。なので次は丁寧に小さく切って口に運んだ。
もぐもぐしつつ思案する。要するに王家は二大侯爵家から一人ずつ嫁を貰って貴族の均衡を保っていた。そこに水を差すように他国からの輿入れ。しかも第三王子のジーク殿下まで生まれてしまう。きな臭くなるわけだ。
リズ妃の実家である国ナルカレイズは、ここレジクシレアと比べると国土は5分の1くらいの小国だ。しかし上質な宝石を多く産出する国なので各国の王族や貴族から重宝され、裕福な国。軍事力に関してはそこまでの脅威はない。小国が保身のため大国の王族との婚姻によって後ろ盾を得るのは当たり前のことだ。そしてジーク殿下が国王となればナルカレイズはさらなる安寧を勝ち取ることになる。
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