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カメを拾った(1)
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『琵琶湖』
約440万年前、現在の三重県辺りにできた沼から始まる。
43万年ほど前には現在の琵琶湖の位置へ。
その後東へ多少広がり現在に至る。
湖の最深部は104メートル。
貯水量は275億トン。
カメを拾った(1)
目が覚めた瞬間、梅松虎斑は自分の状況が理解できなかった。
動けない、足が地についていない。
何かに巻き付かれている。
「ひっつ!!」
怖い、怖い、怖いっ!
一瞬でパニック状態になった虎斑の口は開きっぱなしだった。そこは上下に震えてカチカチと忙しなく不穏な音をたてている。
虎斑の体には黒く長い何かが巻き付いている。ぬるりと光るそれは直径が50センチはありそうだ。魚のひれが見える、つまりこれは生き物だ。虎斑に巻き付いている尻尾から先は水面下に沈んでいる。
そうして少し離れたところからこの黒くヌメったものの顔が水面から出ていた。
ぬらぬらとヌメった顔と離れた小さな目、横に大きく開いた口に長いヒゲ、サイズも異常。
どう考えてもナマズの化け物だ。
っ怖いっ だれか助けて!
怖いっ!
疑問と恐怖ばかりで埋まる思考に虎斑の体は震えて止まらない。
怖い!
逃げたい!
でも逃げられないっ!
自分を捕らえているのは全長10メートルを超える黒いナマズ。
これはいわゆる妖怪海坊主なのか。その正体がナマズとは知らなかった。ここは海でなく淡水の湖だから、水坊主というべきか。
このまま琵琶湖の水中に引き込まれでもしたら、確実に水死。たとえ顔が水面に出ていたとしても12月の水温は外気と同じと仮定して10度前後。低体温症による意識不明まで1時間かからないだろう。
なによりヌメっとしたナマズの感触がものすごく気持ち悪い。さらにナマズについた琵琶湖の水を吸っているのか服もぐっしょりと濡れてしまっている。それだけでもう死にそうに寒い。恐怖でがちがちと震えていたはずの唇は、その理由を寒さからに変更しかかっている気がする。
これまでの人生、6歳の時に海外で身代金目的に誘拐されたことはあったが、こんな怪異に巻き込まれたことはなかった。
笑顔で近寄る人間がこの世で一番怖いと知ったあの身代金事件からは、肝試しもお化け屋敷も怖いなんて感じたことはなかったのに、今この瞬間、虎斑は死の恐怖を心から感じていた。
「虎斑を離せ」
誰かの声が下の方から聞こえて顔を向けた。
だがそこには誰もいない。砂利や石の多い岸があるだけ。
でも確かに誰かが自分の名を呼んだ。
「なんや、仲良しやなぁ。ワシの方が長い付き合いやのに」
「付き合いの長さなど関係ない」
やはり誰かいる。声の方をキョロキョロ見ていると、自分のすぐ足元にいたのは石に混じってわからないくらいの黒いカメ。
「早く虎斑を解放しろ」
直径20センチも満たない黒い小さなカメがナマズに諭すように言う。
カメが人語を喋ることにさらに恐怖が増した。
化け物が、もう一匹っ!
しかも自分の名前を知ってる!?
「ええやんか、久々に会ったんやし、あんさんの連れもワシん家に来てもらお思てなぁ。楽しいでぇ」
ナマズの聞きなれない関西弁。耳障りでどこか呑気なソレがより恐怖を煽る。
こんなの可怪しい
化け物の化かしあいだ
なんで自分が巻き込まれてるんだ
「お前の家は遠すぎる。虎斑が死ぬ」
カメの返しに震えながらも無意識にうなづいた。
ナマズの家とかマジ楽しくない。竜宮城に連れていくのはカメと相場が決まっている。しかしこの小さいカメには乗ることもできない。
それにあれはウミガメのはずだ。ここにいるのは明らかに淡水のカメである。
て言うかまず息が続かない、人間は肺呼吸なのだ。
「死にゃせん死にゃせん。そんなときのカメさんやん」
「我を暖房代わりにするでない」
カメは爬虫類で変温動物だ、湯たんぽになるわけない。
そう思ったとき水分に体温を奪われた体が遂に耐え兼ねた。
「ふっはっくしっ、ふっくしゅっ」
全身の震えだけでなく、くしゃみも止まらなくなってしまう。
凍えて死ぬのも絞め殺されて死ぬのも、どっちも絶対お断りだ。
「なんやねん、人間はほんま、軟弱な体してんなぁ」
顔だけ水面から出したデカいナマズが吐き捨てる。すると黒いカメが
「だから言ったのだ、虎斑にお前が琵琶湖を案内するのは無理だ。せめて春まで待て」
とナマズから虎斑に視線を移した。
顔の割に大きな黒い丸い瞳と視線が合う。
はっきり言ってかわいい。
虎斑は自分に害をなさない小さな生き物は大好きだった。
ハムスターや金魚、そしてカブトムシ。過去にそれらの小動物たちを飼っていたことだってある。母のいない寂しさも小さな生き物たちといれば紛れたのだ。ただ黙っているだけの存在であっても。
そうしてこの小さなカメもその範疇にあったはずだ。
しかし今は、怖くてしょうがない。
カメがナマズがしゃべっている。
そういえば、このカメ、少し前に見たカメだ。
人生で初めて見たカメに興奮してつい話しかけてしまったさっきの自分を嗤ってやりたい。
カメと会ったことを思い出して、恐怖でまともに働かなかった虎斑の頭がようやく動き出す。
そしてこうなった原因を必死で思い出そうとした。
なんで俺はナマズに捕まってるんだ?
確か自分はただ、琵琶湖に散歩に来ただけだった。
ここは日本一大きな湖、琵琶湖の西にある町堅田。
大津市の北部、田舎の湖岸だ。
事の始まりは、朝一にかかってきた電話だった。
その電話のおかげで虎斑の機嫌は最悪だった。理由は今日到着予定の愛車のバイクHo〇daのグロムが配送業者の不手際で2週間も到着が延期されたからだ。
昨日東京から母方の祖父の住む滋賀県大津市へ身一つでやってきた虎斑は17歳高2年生。母は10歳の時鬼籍に入り、都会のマンションで父親と二人住んでいた。だが次の新年から父が海外赴任になり、虎斑はついて行くのを固辞して日本にひとり残った。幼少期に住んでいた海外にはいい思い出がなく、もう絶対行きたくないと父に抗ったのだ。
そうして結果、3学期から滋賀県の某私立高校に編入予定である。
「あーあ、バイク乗りたかったなぁ。せっかくいい天気でバイク日和なのに」
築70年を超えた古い日本家屋特有の縁側に腰を下ろしていた虎斑はごろりと板の間に寝そべって冬の青空を見上げ独りごちた。余計悲しくなった。
高1からこっそり始めた配達のバイトで免許資金とバイク資金を貯め、高2の春にやっと手に入れた、排気量125CCの原付二種と呼ばれる一般道しか走れない小さな中古バイク。でも大切な愛車だ。なぜここに無いのか。
外気に冷やされた縁側に頬を擦り付けて嘆く。
「クソっ、滋賀と佐賀を間違うなんて小学生かよ」
遠く九州の佐賀県にある愛車に思いをはせる。冷たい床でなく、バイクで冬風を切って凍えるほうが断然楽しいのに。
暇すぎると虎斑は床からぐるりと視線をあたりに巡らせた。
祖父藤宮羊治が一人で住むこの家は二階建てで外壁を焼杉で覆われている。虎斑のいる縁側は家の南、小さな池がある和風庭園に面している。池には金魚が5.6匹泳いでいて水草についている藻をついばんでいる。目を東に滑らせれば縁側の終わりにノブが今どき握って回すタイプの扉。その扉を開ければ玄関だ。玄関も古めかしく土間があり、愛車のバイクをそこに置いてもいいと祖父から許可をもらっていた。
そんな祖父は朝から地域の仲間と愛車のハンターカブ(50CCバイク)で最寄のJR 堅田駅から一駅向こうにある雄琴温泉駅の足湯に仲間と出かけている。帰ってくるのは夕方らしい。12月半ばになって寒くなったとはいえ、昨今の暖冬でまだまだバイクも楽しめる。しかも今日は快晴。最高のツーリング日和だ。祖父が羨ましくて虎斑は盛大にため息をついた。
「はあああぁぁぁぁぁ。ほんとやることねぇ」
約440万年前、現在の三重県辺りにできた沼から始まる。
43万年ほど前には現在の琵琶湖の位置へ。
その後東へ多少広がり現在に至る。
湖の最深部は104メートル。
貯水量は275億トン。
カメを拾った(1)
目が覚めた瞬間、梅松虎斑は自分の状況が理解できなかった。
動けない、足が地についていない。
何かに巻き付かれている。
「ひっつ!!」
怖い、怖い、怖いっ!
一瞬でパニック状態になった虎斑の口は開きっぱなしだった。そこは上下に震えてカチカチと忙しなく不穏な音をたてている。
虎斑の体には黒く長い何かが巻き付いている。ぬるりと光るそれは直径が50センチはありそうだ。魚のひれが見える、つまりこれは生き物だ。虎斑に巻き付いている尻尾から先は水面下に沈んでいる。
そうして少し離れたところからこの黒くヌメったものの顔が水面から出ていた。
ぬらぬらとヌメった顔と離れた小さな目、横に大きく開いた口に長いヒゲ、サイズも異常。
どう考えてもナマズの化け物だ。
っ怖いっ だれか助けて!
怖いっ!
疑問と恐怖ばかりで埋まる思考に虎斑の体は震えて止まらない。
怖い!
逃げたい!
でも逃げられないっ!
自分を捕らえているのは全長10メートルを超える黒いナマズ。
これはいわゆる妖怪海坊主なのか。その正体がナマズとは知らなかった。ここは海でなく淡水の湖だから、水坊主というべきか。
このまま琵琶湖の水中に引き込まれでもしたら、確実に水死。たとえ顔が水面に出ていたとしても12月の水温は外気と同じと仮定して10度前後。低体温症による意識不明まで1時間かからないだろう。
なによりヌメっとしたナマズの感触がものすごく気持ち悪い。さらにナマズについた琵琶湖の水を吸っているのか服もぐっしょりと濡れてしまっている。それだけでもう死にそうに寒い。恐怖でがちがちと震えていたはずの唇は、その理由を寒さからに変更しかかっている気がする。
これまでの人生、6歳の時に海外で身代金目的に誘拐されたことはあったが、こんな怪異に巻き込まれたことはなかった。
笑顔で近寄る人間がこの世で一番怖いと知ったあの身代金事件からは、肝試しもお化け屋敷も怖いなんて感じたことはなかったのに、今この瞬間、虎斑は死の恐怖を心から感じていた。
「虎斑を離せ」
誰かの声が下の方から聞こえて顔を向けた。
だがそこには誰もいない。砂利や石の多い岸があるだけ。
でも確かに誰かが自分の名を呼んだ。
「なんや、仲良しやなぁ。ワシの方が長い付き合いやのに」
「付き合いの長さなど関係ない」
やはり誰かいる。声の方をキョロキョロ見ていると、自分のすぐ足元にいたのは石に混じってわからないくらいの黒いカメ。
「早く虎斑を解放しろ」
直径20センチも満たない黒い小さなカメがナマズに諭すように言う。
カメが人語を喋ることにさらに恐怖が増した。
化け物が、もう一匹っ!
しかも自分の名前を知ってる!?
「ええやんか、久々に会ったんやし、あんさんの連れもワシん家に来てもらお思てなぁ。楽しいでぇ」
ナマズの聞きなれない関西弁。耳障りでどこか呑気なソレがより恐怖を煽る。
こんなの可怪しい
化け物の化かしあいだ
なんで自分が巻き込まれてるんだ
「お前の家は遠すぎる。虎斑が死ぬ」
カメの返しに震えながらも無意識にうなづいた。
ナマズの家とかマジ楽しくない。竜宮城に連れていくのはカメと相場が決まっている。しかしこの小さいカメには乗ることもできない。
それにあれはウミガメのはずだ。ここにいるのは明らかに淡水のカメである。
て言うかまず息が続かない、人間は肺呼吸なのだ。
「死にゃせん死にゃせん。そんなときのカメさんやん」
「我を暖房代わりにするでない」
カメは爬虫類で変温動物だ、湯たんぽになるわけない。
そう思ったとき水分に体温を奪われた体が遂に耐え兼ねた。
「ふっはっくしっ、ふっくしゅっ」
全身の震えだけでなく、くしゃみも止まらなくなってしまう。
凍えて死ぬのも絞め殺されて死ぬのも、どっちも絶対お断りだ。
「なんやねん、人間はほんま、軟弱な体してんなぁ」
顔だけ水面から出したデカいナマズが吐き捨てる。すると黒いカメが
「だから言ったのだ、虎斑にお前が琵琶湖を案内するのは無理だ。せめて春まで待て」
とナマズから虎斑に視線を移した。
顔の割に大きな黒い丸い瞳と視線が合う。
はっきり言ってかわいい。
虎斑は自分に害をなさない小さな生き物は大好きだった。
ハムスターや金魚、そしてカブトムシ。過去にそれらの小動物たちを飼っていたことだってある。母のいない寂しさも小さな生き物たちといれば紛れたのだ。ただ黙っているだけの存在であっても。
そうしてこの小さなカメもその範疇にあったはずだ。
しかし今は、怖くてしょうがない。
カメがナマズがしゃべっている。
そういえば、このカメ、少し前に見たカメだ。
人生で初めて見たカメに興奮してつい話しかけてしまったさっきの自分を嗤ってやりたい。
カメと会ったことを思い出して、恐怖でまともに働かなかった虎斑の頭がようやく動き出す。
そしてこうなった原因を必死で思い出そうとした。
なんで俺はナマズに捕まってるんだ?
確か自分はただ、琵琶湖に散歩に来ただけだった。
ここは日本一大きな湖、琵琶湖の西にある町堅田。
大津市の北部、田舎の湖岸だ。
事の始まりは、朝一にかかってきた電話だった。
その電話のおかげで虎斑の機嫌は最悪だった。理由は今日到着予定の愛車のバイクHo〇daのグロムが配送業者の不手際で2週間も到着が延期されたからだ。
昨日東京から母方の祖父の住む滋賀県大津市へ身一つでやってきた虎斑は17歳高2年生。母は10歳の時鬼籍に入り、都会のマンションで父親と二人住んでいた。だが次の新年から父が海外赴任になり、虎斑はついて行くのを固辞して日本にひとり残った。幼少期に住んでいた海外にはいい思い出がなく、もう絶対行きたくないと父に抗ったのだ。
そうして結果、3学期から滋賀県の某私立高校に編入予定である。
「あーあ、バイク乗りたかったなぁ。せっかくいい天気でバイク日和なのに」
築70年を超えた古い日本家屋特有の縁側に腰を下ろしていた虎斑はごろりと板の間に寝そべって冬の青空を見上げ独りごちた。余計悲しくなった。
高1からこっそり始めた配達のバイトで免許資金とバイク資金を貯め、高2の春にやっと手に入れた、排気量125CCの原付二種と呼ばれる一般道しか走れない小さな中古バイク。でも大切な愛車だ。なぜここに無いのか。
外気に冷やされた縁側に頬を擦り付けて嘆く。
「クソっ、滋賀と佐賀を間違うなんて小学生かよ」
遠く九州の佐賀県にある愛車に思いをはせる。冷たい床でなく、バイクで冬風を切って凍えるほうが断然楽しいのに。
暇すぎると虎斑は床からぐるりと視線をあたりに巡らせた。
祖父藤宮羊治が一人で住むこの家は二階建てで外壁を焼杉で覆われている。虎斑のいる縁側は家の南、小さな池がある和風庭園に面している。池には金魚が5.6匹泳いでいて水草についている藻をついばんでいる。目を東に滑らせれば縁側の終わりにノブが今どき握って回すタイプの扉。その扉を開ければ玄関だ。玄関も古めかしく土間があり、愛車のバイクをそこに置いてもいいと祖父から許可をもらっていた。
そんな祖父は朝から地域の仲間と愛車のハンターカブ(50CCバイク)で最寄のJR 堅田駅から一駅向こうにある雄琴温泉駅の足湯に仲間と出かけている。帰ってくるのは夕方らしい。12月半ばになって寒くなったとはいえ、昨今の暖冬でまだまだバイクも楽しめる。しかも今日は快晴。最高のツーリング日和だ。祖父が羨ましくて虎斑は盛大にため息をついた。
「はあああぁぁぁぁぁ。ほんとやることねぇ」
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