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私の手は、悪魔の手だった。
だけどその手は、今こうして幸せに満ちた手になることができた。
新しい命の温もりを胸に抱き、私は過去の私に心で語り掛ける。
あなたの子は、世界で一番幸せな子になったのよ。
遠い昔に感じた小さなもみじの手のひらが、いま、私の指を握ってくれる。
「お母さん、泣きすぎでしょ」
娘に笑われて、それでも私は泣きながら、人生で一番の幸せな笑顔を浮かべた。
「優しいお祖母ちゃんで幸せだよなぁ」
その言葉に私は心の底から言った。
「娘と一緒になってくれてありがとう」
そう言うと彼は少し照れくさそうに笑うのだ。
ことりは僕にとって幸せの青い鳥だと。
そのお母さんには、感謝してもしきれないのだと。
あの店の看板は、本当にぴったりだと思う。
【ことりの台所】
そこは二人が営む、幸せの笑顔溢れるみんなの居場所だ。
だけどその手は、今こうして幸せに満ちた手になることができた。
新しい命の温もりを胸に抱き、私は過去の私に心で語り掛ける。
あなたの子は、世界で一番幸せな子になったのよ。
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「お母さん、泣きすぎでしょ」
娘に笑われて、それでも私は泣きながら、人生で一番の幸せな笑顔を浮かべた。
「優しいお祖母ちゃんで幸せだよなぁ」
その言葉に私は心の底から言った。
「娘と一緒になってくれてありがとう」
そう言うと彼は少し照れくさそうに笑うのだ。
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