ことりの台所
※第7回ライト文芸大賞・奨励賞
オフィスビル街に佇む昔ながらの弁当屋に勤める森野ことりは、母の住む津久茂島に引っ越すことになる。
そして、ある出来事から古民家を改修し、店を始めるのだが――。
店の名は「ことりの台所」
目印は、大きなケヤキの木と、青い鳥が羽ばたく看板。
悩みや様々な思いを抱きながらも、ことりはこの島でやっていけるのだろうか。
※実在の島をモデルにしたフィクションです。
人物・建物・名称・詳細等は事実と異なります
オフィスビル街に佇む昔ながらの弁当屋に勤める森野ことりは、母の住む津久茂島に引っ越すことになる。
そして、ある出来事から古民家を改修し、店を始めるのだが――。
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全体として自分の居場所を見つける話であり、人同士の関係性の再生を描いた物語であったと思います。
一つ一つの描写が細やかで、一つ一つのエピソードを定型化せずに色々な人、考え、背景があることをしっかり書かれているのが印象的でした。
特に父親との決着をあえてグレーゾーンにしつつ、関係する人々それぞれの中において取り戻せないものがあり、それにいかに落としどころをつけるか、もしくはつけられないけれどもいかに進んでゆくかを丁寧に書かれていたのが、物語全体を通した、厳しさと静謐さを内包したやさしさという読書感を生み出していたように思います。
後半一つ一つのエピソードがややSS化してエピソード間の紐帯が緩んでいる感はありましたが、統一された読書感で読ませていただけたのが心地よかったです。
読ませていただきまして、ありがとうございました。
翠山都さん
とても丁寧な感想、ありがとうございます✨
父親との展開は読む側からするとどうなのだろう、と悩んだ部分でもありました。
綺麗に解決してハッピーエンドと持っていくかも考えましたが、でも現実はそう上手くいかないことが多いんじゃないか。
自分が同じような事に悩んでいるとしたら、綺麗に事が進む物語を見て、果たして「良かった」と思えるだろうかと。
思うように行かない、解決しないまま終わってしまう。それでも進んでいくしか無い。
そんな現実のほうが多くて、それでも前に進む姿にこそ感じるものもあるんじゃないかと思い、この展開となりました。
主人公たちが自分の居場所を見つけ、読者さんにとっても居場所となる作品にしたいと執筆をしてきました。
温かいお言葉の数々に、とても感動し、励みになりました。
本当にありがとうございました🍀
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