おにぎり食堂『そよかぜ』

如月つばさ

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さつま芋の甘露煮・石焼き芋

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 土手沿いにはピンクや白の愛らしいコスモスが咲き乱れ、秋風にゆらゆらと揺れています。

 外を歩いていると、どこからか金木犀の甘い香りが漂い、すっかり秋も深まりました。

 秋と言えば、忘れちゃいけないのがさつま芋。

 今日は朝から甘露煮を作りました。

 お砂糖やみりん、お醤油で甘く煮たさつま芋は、おやつにもなりますね。

 食欲の秋を代表するかのような、蜜の詰まった美味しいさつま芋をご用意して御待ちしております。


「ハルさん、何してるんですか?」

 鍋を見ていてくれた葉子さんが、出来上がった甘露煮を火から下ろして、私のいる食堂のテーブルにやって来ました。

「食堂を秋仕様にしたくて。ほら、これで完成」

 木製のフレームで出来た額に、緋色からオレンジのグラデーションの美しい紅葉と、黄金色のイチョウを入れたものを、葉子さんに見せました。

「先日、山に散歩に行ったときに拾ってきたんですよ。本に挟んで押し花にしていたんです」

「へぇ!綺麗ですねぇ。ハルさん、センス良いなぁ。お店にぴったりです。さ、飾りましょっ」

 葉子さんに急かされ、私は窓際の壁に額を掛けました。

 小さな季節飾りですが、十分秋の雰囲気になったように感じます。

 そう思うのも、窓からそよぐ風にのって金木犀の香りがお店に広がっているからかもしれません。

 午前10時。

 今日はお客様はいらっしゃるでしょうか?

 ぽんすけは店先に飾ってある、ゲンさんが撮ってくださった、お座りした得意気な写真を眺めています。


 葉子さんは2階で本を読んでいるようです。

 私はのんびりとキッチンの丸椅子に座って、懐かしいあるものを見ていました。

 時が経つのは早いものです。

 今年だって、あと2ヶ月しかありません。

 静かな店内に、近くの木々がカサカサと風に揺れる音だけが響いています。

 手元の一冊のアルバムを広げ、過去の様々な事を思い出していた、そんな時でした。

「ハールさん!こんにちは」

 やって来たのは、さばの味噌煮をご注文された藍原由梨さんです。

「あら、こんにちは。今日はお休みですか?」

 持っていたアルバムを置き、由梨さんの元へ駆け寄りました。

「あははっ。ちょっと色々状況が変わりまして」

 そんな私達の声に気づいて、葉子さんが2階から降りてきました。

「あらー!お久しぶりです!お茶、お出ししますね」

 葉子さんはパタパタとキッチンに入り、お茶の用意をしてくれています。

「お食事にしますか?」

 私が訊ねると、由梨さんは足元にやって来たぽんすけを撫でながら「はい!おにぎりは梅干しで」と仰られました。

「はい、どうぞ」

 お茶を飲んで待っていた由梨さんの元に、葉子さんがお食事をお出ししました。

「わっ、さつま芋だぁ」

「えぇ、やっぱり秋には外せないなぁと思いまして」

「良いですねぇ。いただきまーす」

 由梨さんはわくわくした様子で、まずおにぎりを召し上がりました。

「これ、ハルさんが漬けたんですよね。美味しいなぁ」

 ニコニコともう一口食べて、お味噌汁を飲みました。

「はぁ、ホッとする。ここまで歩くの、結構距離もあるから、疲れた体に染みますねぇ」

「ふふふっ。由梨さん、まだお若いのに染みますか」

 私が笑うと、由梨さんも「えへへっ」と照れたように笑いました。

「私ね、アメリカに行くんです。仕事も辞めちゃいました」

 突然、由梨さんがそう言いました。

「え!アメリカ!?旅行じゃなくて、住むんですか?」

 葉子さんも流石にビックリしています。

「向こうにお店をやってる知り合いがいて、そこで働かせてもらうんです。いつかは私もお店を持つのが夢なんです」

「まぁ、お店ですか」

 私も驚きましたが、由梨さんはまだお若いですし、新しいことにチャレンジすることは素晴らしい事だと思います。

「此処に来て、私もこんなお店を開きたいなぁって。アメリカの人たちにも、日本のシンプルでぬくもりのあるお料理を広めてみたくて。幸い、英語は得意なので」

 少し自慢気にそう言う由梨さんの目は、キラキラと輝いているように見えました。


 時刻は正午。

 由梨さんの夢溢れる話を聞いているうちに、あっという間に時間も過ぎていました。

 甘露煮も大変好評で、おかわりまでされていました。

「そこの紅葉とイチョウ、凄く綺麗ですねぇ。相変わらずこの辺りは自然でいっぱいだなぁ。それに何だか良い匂いもする」

 由梨さんは食事を終え、床にお腹を見せて転がるぽんすけを撫でて言いました。

「金木犀ですよ。ちなみに店の前の通りよりも、そこの土手を上がった所の方が沢山コスモスも咲いていますよ」

「そうなんですか!此処にくる途中もコスモスが道沿いに咲いてて、綺麗だなぁって見てたんですよ。見てこようかなぁ」

 由梨さんは「ぽんすけも連れていって良いですか?」と仰ったので、散歩をお願いしてしまいました。

 ぽんすけもすっかりなついており、嬉しそうに由梨さんにくっついて行きました。

 そうして再び店内は静かになりました。

 葉子さんとふたり、キッチンに座ってコーヒーを飲んでいたとき、白井さんがやって来ました。

「こんにちは。ご飯を食べに来たんだが、何かあるかな?おにぎりは昆布が良いんだが」

「いらっしゃいませ。すぐご用意しますね。お席にどうぞ」

 私は駆け寄り、椅子をずらして「こちらへ」と促すと、白井さんはそこへ腰かけました。

 そこへ葉子さんが、温かいお茶をお出しします。

「おや、ぽんすけは居ないのか?」

「今、お客様が散歩に連れていって下さってるんですよ。暫くしたら戻りますよ」

 私は、おにぎりに昆布を入れながらそう言いました。

「どうぞ」

 葉子さんが、甘露煮を乗せたおにぎり定食をテーブルにお出ししました。

「たまには他人が作ったご飯が食べたくてね。ここの料理は、死んだばあさんが作ったご飯を思い出すから恋しくなるんだよ」

 そう言って、お味噌汁をゴクリと飲みます。

「ぬくもりが似てるのかもしれないね。ばあさんも優しかったから」

 おにぎりを一口食べ、窓の外を眺めながら言います。

「そう言っていただけるなんて、本当に嬉しいです。いつでも来てくださいね。御待ちしていますから」

 私がそう言うと、「ありがとう」と目元をしわくちゃにして微笑みました。

「ハルさんには子供はいるのかね?」

 白井さんは、かぶの酢漬けをパリパリと食べます。

「ええ。いましたよ 」

 キッチンの丸椅子に腰掛けながらそう答えると、白井さんは少し黙ってから「・・・そうか」と言いました。

「すまんね、余計なことを聞いてしまったかもしれないね」

 申し訳なさそうに言う白井さんに私は慌てて「そんなことないですよ」と頭を横に振ります。

 葉子さんは反応に困っているのか、黙々と食器を拭いて片付けていました。

「もう過ぎたことですから。過去に囚われていてはいけないとわかっていても、難しいことです。だからこそ、私はここで人との出逢いを楽しみたくて、食堂をしているんですよ。云わば、現実逃避みたいなものです」

 私が笑うと、白井さんはお味噌汁の最後の一口を飲んで、私の方をじっと見ていました。

「そうか。ハルさんは立派だ。閉じ籠っていた私を助けてくれたんだから。本当にありがとう」

「いいえ。そうしたのは天国から会いに来てくれたお孫さんですよ」

 白井さんは再び窓の外に広がる、秋空を見上げて「そうだったな」と、懐かしむように優しい目をして静かに仰いました。

「ただいまです!いやぁ、ぽんすけ凄く元気ですねっ」

 賑やかに、由梨さんとぽんすけが帰ってきました。

「おかえりなさい。お散歩ありがとうございました。コスモスも見られましたか?」

「はい、すーっごく綺麗でした!ぽんすけもはしゃいで、私の持ったリードのことを忘れてるのか、走り回っちゃって。私も一緒に走ってきました」

 あははと笑う由梨さんの額には汗が滲んでいました。

「こんにちは」

 白井さんが由梨さんにそう言いました。

「あ、こんにちは!初めまして、藍原由梨です。って言っても、もうアメリカに行っちゃうんですけど」

 苦笑いをする由梨さんに「はぁ、アメリカへ行くのかい」と、白井さんは目を丸くして仰いました。

「もう25歳ですから、やりたいことやっときたくて。婚約破棄してなきゃ出来なかった事ですしね」

「ほぅ。そうかそうか。やりたいことを出来る環境があるなら、やっておくのが後悔ないわなぁ。わしにはアメリカは行ったことなくて、とんと検討もつかんが」

「ふふふっ。私もですよ。でも夢があるのは素晴らしいですからね」

 私の隣で、葉子さんもウンウンと頷いていました。


「そしたら私は、山の手入れでもしてくるかな」

 白井さんは「よいしょっ」と言う掛け声と共に立ち上がりました。

「そうだ、白井さん、藍原さん。おやつに焼き芋をしようと思うのですが良かったらご一緒しませんか?」

「食べたいです!それまでここで待たせてもらいます」

 由梨さんがそう言うと、白井さんも「じゃあ3時には戻ってこようか」と言って、店から出ていかれました。

 それからは、由梨さんと葉子さんと一緒に楽しくお喋りをして過ごしていました。

 ぽんすけは疲れはてたようで、ぽかぽかのお日様が当たる場所を陣取って、気持ち良さそうにスヤスヤとお昼寝しています。

 3時前に店の裏で準備開始です。

 由梨さんたちと、太さのバラバラの枝や落ち葉を集めて、焚き火を作りました。

 私は店に戻り、湿らせた新聞紙でさつま芋を包み、更にアルミホイルで包んでいきます。

 そうしているうちに、村の方から白井さんが歩いてくる姿が見えました。

 よく見ると、栗原さんご夫婦、橘さんご夫婦も一緒です。

「こんにちは。急にごめんなさいね。私たちも交ぜてくださる?」

 栗原さんの奥様が申し訳なさそうに仰いました。

「勿論ですよ。さぁ、裏で葉子さん達もお待ちです。行きましょうか」

 そう言って私は、準備の整ったさつま芋を籠に入れて、皆さんと一緒に裏に行きました。

 秋になり、少しずつ陽が落ちるのも早くなります。

 私達は焚き火を囲み、ホクホクに焼けた、濃いオレンジ色の甘い焼き芋を食べました。

 ワイワイお喋りをして、沢山笑いました。

 そうして、だんだんと空が夕焼けに染まる間も、私はいつまでも皆さんと一緒に居たいと心から思いました。

 生きている限り、永遠と言うものはありません。

 いつか必ず別れや終わりが来ます。

 由梨さんが、近々アメリカに旅立つように。


 私は6年前に亡くした、愛する主人と娘を想い出し、夕焼け雲を見上げました。

 いつか来るその時、幸せだったと思えるように。

 ここで沢山の想い出を作りたい。

 人生は長いようですが、過ぎてみれば本当にあっという間です。

「ハルさん、私、ここに来られて本当に良かったです!」

 皆さんと談笑していた由梨さんがそう言いました。

 パチパチと燃えて、その煙を空高く飛ばす焚き火の周りで、私達は陽が落ちるまでお喋りしました。

 いつもは静かなこの場所。

 今日は虫の声を掻き消すほどの賑やかな時間が過ぎていました。
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