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かぼちゃの煮物
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ここ暫く雨が続いておりましたが、今日は素晴らしい秋日和です。
こんな日は、のんびりぽんすけと一緒に、日向ぼっこしたくなります。
本日は、ずっしりとした肉厚なかぼちゃを使って、昔なつかしの煮物を作っております。
私の作るかぼちゃの煮物は、甘辛く、少し角が取れて煮崩れています。
これは敢えて、そういう風にしているのです。
甘辛い汁にトロトロに溶けた、ほくほくのかぼちゃの煮物。
私が子供の頃の懐かしの味を、是非あなたにも召し上がって頂きたいと思っています。
美味しい新米のおにぎりと、優しい甘さのお味噌汁。
素朴で贅沢なお料理をご用意して、お待ちしております。
「いやー、今日は洗濯日和ですねぇ」
午前11時。
葉子さんがパタパタと階段を掛け降りながら、嬉しそうに言いました。
「えぇ、本当に。葉子さん、お洗濯ありがとうございます。さて、北原さん。お料理が出来ましたよ」
北原美香さん。
ここ最近、週末になるとよく足を運んでくださるようになりました。
「はい、お待たせしました」
濃いオレンジ色のかぼちゃの煮物をおかずとした、おにぎり定食を北原さんのテーブルに置きます。
「かぼちゃだ。美味しそう」
丁寧に「いただきます」と手を合わせ、最初におにぎりを。次にお味噌汁を一口飲んで、かぼちゃを召し上がられました。
「しっかり味がついてる。おいしい。お母さんの煮物みたいです」
「ふふっ。それはね、私が子供の頃にお世話になっていた近所のおばあちゃんの煮物の味なんですよ。わざと角は取らずに煮崩れさせて、汁に溶かすの。汁がトロトロになるのが、私は大好きだったんです」
北原さんは「へぇ、おばあちゃんの・・・。素敵ですね」と、にっこりと笑顔を見せてくださいました。
そうして、北原さんが静かにお食事を召し上がる間、葉子さんは「買い出し行ってきますねっ」と、元気よく店を出ていかれました。
「葉子さん、いつも元気ですね」
北原さんは、葉子さんが出ていった玄関の方を見て、クスッと笑いました。
「えぇ。色々大変だったみたいですが、今は楽しそうで私も嬉しいです」
そんな事を言いながら、北原さんと静かな時間を過ごしていた時でした。
「ハルさん、こんにちはー!」
白い軽トラで店の前にやって来たのは、佐野雅紀さんです。
「あら、佐野さん!こんにちは」
私は足早に佐野さんに駆け寄りました。
「今日は何の日でしょう!」
「まぁ。どうしました、突然」
佐野さんは嬉しそうにニコニコと、私にクイズを出してきました。
「えーっと・・・」
何の日でしょう?
私には検討がつきませんでした。
「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺。正岡子規でしょ」
食堂の中から、静かに北原さんの声が聞こえてきました。
「あら、北原さん、ご存知なんですか?」
私が驚いて振り向くと北原さんは、お味噌汁の最後の一口を飲み干してからこちらを見ました。
「柿の日じゃないですか?」
「あ、あぁ!はい。そう!そうなんですっ!ご存知でしたかぁ!あはははっ」
何故か少しあたふたした様子で、佐野さんは笑っていました。
「そ、それでですね!ハルさん、柿!持ってきたんですよっ」
慌ててトラックの荷台に駆け寄り、ゴソゴソと大きなカゴを取り出してきました。
「まぁっ。立派な柿ですねぇ 」
カゴの中には、綺麗な艶のあるオレンジ色の柿が沢山入っていました。
「おいくらですか?是非、頂きたいです」
私が訊ねると、佐野さんは
「いやいや、これは差し上げますよ!その為に持ってきたんですから。うちの柿の木になったやつを持ってきただけなんで、売り物ではないですし!」
佐野さんは「重いので、僕が運びますっ」と、カゴをひょいと担ぎ上げて、キッチンの方へと運んでくださいました。
「本当にありがとうございます。とても嬉しいです。良かったら、お食事召し上がってください。その間に冷やしておくので、デザートに柿も食べましょう。ね、北原さん」
北原さんは「はい」と頷き、佐野さんも「あ、ありがとうございます!」と勢いよく頭を下げられました。
「はい、お待たせしました」
佐野さんのテーブルに、昆布を具にしたおにぎり定食を置きます。
「かぼちゃの煮物ですか!久し振りだなぁ。いただきます!」
佐野さんもきちんと手を合わせてから、おにぎりを召し上がられました。
「北原さん、熱いので気を付けてくださいね」
北原さんには温かいお茶をお出ししました。
私はキッチンの丸椅子に戻って、店内を眺めていました。
美味しそうに食べてくださる佐野さん。
湯気のたつお茶に、ふーっと息を吹き掛けてから飲む北原さん。
お店の前から、こちらにお座りをして私やお客様を嬉しそうに見ているぽんすけ。
窓からは、淡い青色の秋の空と、ゆったりと漂う白い雲。
差し込む陽射しが、キラキラと木の床を照らしています。
柔らかい風が吹き抜けるこの時間。
何て、幸せで贅沢な時間でしょうか。
思わずウトウトとしてしまいたくなる、静かな店内を満喫していました。
「美味しそうに食べますね」
「うぐっ」
「まぁ!佐野さん、大丈夫ですか?!」
突然の北原さんの言葉に、佐野さんがご飯を喉に詰まらせました。
私が慌てて立ち上がると、佐野さんはこちらに手を出して「大丈夫です」と言うかのようにしてみせ、お茶を流し込みました。
「ごめんなさい」
北原さんも流石に驚いた様子で、申し訳なさそうに謝っていました。
「い、いや!僕が勝手に詰まらせただけですから!すみませんっ」
佐野さんは、あははっと苦笑いをしています。
「佐野さんって言うの?何歳ですか?」
「ぼっ僕ですか!えっと、22歳です!」
「へぇ。私の1つ上なんですね」
北原さんは慌てふためく佐野さんとは対照的に、落ち着いた様子でお茶を飲んでおられます。
「あ、ああ!何か子供っぽいですかね!恥ずかしいなぁ、あはははっ」
笑うだけで精一杯なのか、チラチラと私の方を見ているような気がします。
・・・私はどうしたらよいのでしょうか。
とりあえず、若いふたりの様子をここから楽しませて頂くことにしましょう。
「よく此処に来てるんですか?」
佐野さんは必死に冷静さを取り戻そうとしています。
「週末に。ここの料理は何だかほっとするし美味しいし。それにお店の雰囲気もハルさんも好きなの。ぽんすけもね」
北原さんは、ぽんすけを見て微笑みました。
ぽんすけは嬉しそうに、おすわりのまま尻尾を振り振りしています。
「そうなんですか!じ、実は僕も週末に来ようと思ってまして!奇遇だなぁあ!」
今初めて聞きましたが、本当でしょうか?
私は思わず笑ってしまいそうになるのを、必死で堪えていました。
佐野さんは、かぼちゃをパクパクと勢いよく食べながら「いやぁ!ハルさんは料理の天才ですねぇ」と、何かをを誤魔化すかのように大きな声で仰られています。
「嘘。私、今日はたまたまなの。本当は水曜日だけ来てるんです」
「えっ!」
「・・・あははっ。やっぱり嘘ついてたんだ」
北原さんは、驚く佐野さんを見て笑いだしました。
「い、いやーあはは!いやぁ・・・あはは・・・」
佐野さんが、こちらを見て困った表情で笑っています。
「嘘ですよ。本当に週末に来てるんです。佐野さんも来るならまた会えますね」
「そ、そうですね!そうです!会えますねぇ、楽しくなるなあっ」
「お友だちになれますか?」
北原さんは、突然まじめな表情で佐野さんに訊ねました。
「へ?あぁ、もちろんです!友達!良いですね、友達です!タメ口で良いですよっ」
ニカッと嬉しそうに満面の笑みで答えました。
「そっか・・・嬉しいです。ありがとう。今まで友達出来なかったから。此処に来てから友達が増えて、本当に嬉しい」
北原さんも本当に嬉しそうに私の方を見て、笑顔になっていました。
「あ、そうだ!佐野さんもそろそろお食事が終わりそうですし、柿剥いておきますね 」
私は冷やしている柿を取り出しました。
氷水に浸しておいた柿は、程よくひんやりしています。
包丁で丁寧に柿を剥き始めたときでした。
「ただいまですー!ハルさん、ティッシュ買ってきましたよー!」
葉子さんが、頼んでいたボックスティッシュを片手に帰ってきました。
「おおお!?お客様が増えてる!佐野さん、お久しぶりですっ」
「こんにちは!柿、良かったら葉子さんも食べてくださいね」
佐野さんは私の手元の柿を指差して言います。
「柿ですか!私はいつもタイミングが良いですねぇ」
そう言って、鼻唄混じりで2階に荷物を置きに駆けていきました。
これから時々、食堂に来てくださるらしいお二人。
この『そよかぜ』で繋がる縁や、出会いに何だかわくわくしてきます。
女心と秋の空とも言いますが、これからここで始まるかもしれない何かに、甘酸っぱい過去が甦るような感覚を覚えます。
空高くから響く飛行機の音と、道筋を示す飛行機雲。
何も起こらないおにぎり食堂。
だけどこうして小さな幸せが起こる食堂も、また素敵です。
青春の遠い記憶に思いを馳せて。
今日も『そよかぜ』には、ゆったりと時間が流れています。
こんな日は、のんびりぽんすけと一緒に、日向ぼっこしたくなります。
本日は、ずっしりとした肉厚なかぼちゃを使って、昔なつかしの煮物を作っております。
私の作るかぼちゃの煮物は、甘辛く、少し角が取れて煮崩れています。
これは敢えて、そういう風にしているのです。
甘辛い汁にトロトロに溶けた、ほくほくのかぼちゃの煮物。
私が子供の頃の懐かしの味を、是非あなたにも召し上がって頂きたいと思っています。
美味しい新米のおにぎりと、優しい甘さのお味噌汁。
素朴で贅沢なお料理をご用意して、お待ちしております。
「いやー、今日は洗濯日和ですねぇ」
午前11時。
葉子さんがパタパタと階段を掛け降りながら、嬉しそうに言いました。
「えぇ、本当に。葉子さん、お洗濯ありがとうございます。さて、北原さん。お料理が出来ましたよ」
北原美香さん。
ここ最近、週末になるとよく足を運んでくださるようになりました。
「はい、お待たせしました」
濃いオレンジ色のかぼちゃの煮物をおかずとした、おにぎり定食を北原さんのテーブルに置きます。
「かぼちゃだ。美味しそう」
丁寧に「いただきます」と手を合わせ、最初におにぎりを。次にお味噌汁を一口飲んで、かぼちゃを召し上がられました。
「しっかり味がついてる。おいしい。お母さんの煮物みたいです」
「ふふっ。それはね、私が子供の頃にお世話になっていた近所のおばあちゃんの煮物の味なんですよ。わざと角は取らずに煮崩れさせて、汁に溶かすの。汁がトロトロになるのが、私は大好きだったんです」
北原さんは「へぇ、おばあちゃんの・・・。素敵ですね」と、にっこりと笑顔を見せてくださいました。
そうして、北原さんが静かにお食事を召し上がる間、葉子さんは「買い出し行ってきますねっ」と、元気よく店を出ていかれました。
「葉子さん、いつも元気ですね」
北原さんは、葉子さんが出ていった玄関の方を見て、クスッと笑いました。
「えぇ。色々大変だったみたいですが、今は楽しそうで私も嬉しいです」
そんな事を言いながら、北原さんと静かな時間を過ごしていた時でした。
「ハルさん、こんにちはー!」
白い軽トラで店の前にやって来たのは、佐野雅紀さんです。
「あら、佐野さん!こんにちは」
私は足早に佐野さんに駆け寄りました。
「今日は何の日でしょう!」
「まぁ。どうしました、突然」
佐野さんは嬉しそうにニコニコと、私にクイズを出してきました。
「えーっと・・・」
何の日でしょう?
私には検討がつきませんでした。
「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺。正岡子規でしょ」
食堂の中から、静かに北原さんの声が聞こえてきました。
「あら、北原さん、ご存知なんですか?」
私が驚いて振り向くと北原さんは、お味噌汁の最後の一口を飲み干してからこちらを見ました。
「柿の日じゃないですか?」
「あ、あぁ!はい。そう!そうなんですっ!ご存知でしたかぁ!あはははっ」
何故か少しあたふたした様子で、佐野さんは笑っていました。
「そ、それでですね!ハルさん、柿!持ってきたんですよっ」
慌ててトラックの荷台に駆け寄り、ゴソゴソと大きなカゴを取り出してきました。
「まぁっ。立派な柿ですねぇ 」
カゴの中には、綺麗な艶のあるオレンジ色の柿が沢山入っていました。
「おいくらですか?是非、頂きたいです」
私が訊ねると、佐野さんは
「いやいや、これは差し上げますよ!その為に持ってきたんですから。うちの柿の木になったやつを持ってきただけなんで、売り物ではないですし!」
佐野さんは「重いので、僕が運びますっ」と、カゴをひょいと担ぎ上げて、キッチンの方へと運んでくださいました。
「本当にありがとうございます。とても嬉しいです。良かったら、お食事召し上がってください。その間に冷やしておくので、デザートに柿も食べましょう。ね、北原さん」
北原さんは「はい」と頷き、佐野さんも「あ、ありがとうございます!」と勢いよく頭を下げられました。
「はい、お待たせしました」
佐野さんのテーブルに、昆布を具にしたおにぎり定食を置きます。
「かぼちゃの煮物ですか!久し振りだなぁ。いただきます!」
佐野さんもきちんと手を合わせてから、おにぎりを召し上がられました。
「北原さん、熱いので気を付けてくださいね」
北原さんには温かいお茶をお出ししました。
私はキッチンの丸椅子に戻って、店内を眺めていました。
美味しそうに食べてくださる佐野さん。
湯気のたつお茶に、ふーっと息を吹き掛けてから飲む北原さん。
お店の前から、こちらにお座りをして私やお客様を嬉しそうに見ているぽんすけ。
窓からは、淡い青色の秋の空と、ゆったりと漂う白い雲。
差し込む陽射しが、キラキラと木の床を照らしています。
柔らかい風が吹き抜けるこの時間。
何て、幸せで贅沢な時間でしょうか。
思わずウトウトとしてしまいたくなる、静かな店内を満喫していました。
「美味しそうに食べますね」
「うぐっ」
「まぁ!佐野さん、大丈夫ですか?!」
突然の北原さんの言葉に、佐野さんがご飯を喉に詰まらせました。
私が慌てて立ち上がると、佐野さんはこちらに手を出して「大丈夫です」と言うかのようにしてみせ、お茶を流し込みました。
「ごめんなさい」
北原さんも流石に驚いた様子で、申し訳なさそうに謝っていました。
「い、いや!僕が勝手に詰まらせただけですから!すみませんっ」
佐野さんは、あははっと苦笑いをしています。
「佐野さんって言うの?何歳ですか?」
「ぼっ僕ですか!えっと、22歳です!」
「へぇ。私の1つ上なんですね」
北原さんは慌てふためく佐野さんとは対照的に、落ち着いた様子でお茶を飲んでおられます。
「あ、ああ!何か子供っぽいですかね!恥ずかしいなぁ、あはははっ」
笑うだけで精一杯なのか、チラチラと私の方を見ているような気がします。
・・・私はどうしたらよいのでしょうか。
とりあえず、若いふたりの様子をここから楽しませて頂くことにしましょう。
「よく此処に来てるんですか?」
佐野さんは必死に冷静さを取り戻そうとしています。
「週末に。ここの料理は何だかほっとするし美味しいし。それにお店の雰囲気もハルさんも好きなの。ぽんすけもね」
北原さんは、ぽんすけを見て微笑みました。
ぽんすけは嬉しそうに、おすわりのまま尻尾を振り振りしています。
「そうなんですか!じ、実は僕も週末に来ようと思ってまして!奇遇だなぁあ!」
今初めて聞きましたが、本当でしょうか?
私は思わず笑ってしまいそうになるのを、必死で堪えていました。
佐野さんは、かぼちゃをパクパクと勢いよく食べながら「いやぁ!ハルさんは料理の天才ですねぇ」と、何かをを誤魔化すかのように大きな声で仰られています。
「嘘。私、今日はたまたまなの。本当は水曜日だけ来てるんです」
「えっ!」
「・・・あははっ。やっぱり嘘ついてたんだ」
北原さんは、驚く佐野さんを見て笑いだしました。
「い、いやーあはは!いやぁ・・・あはは・・・」
佐野さんが、こちらを見て困った表情で笑っています。
「嘘ですよ。本当に週末に来てるんです。佐野さんも来るならまた会えますね」
「そ、そうですね!そうです!会えますねぇ、楽しくなるなあっ」
「お友だちになれますか?」
北原さんは、突然まじめな表情で佐野さんに訊ねました。
「へ?あぁ、もちろんです!友達!良いですね、友達です!タメ口で良いですよっ」
ニカッと嬉しそうに満面の笑みで答えました。
「そっか・・・嬉しいです。ありがとう。今まで友達出来なかったから。此処に来てから友達が増えて、本当に嬉しい」
北原さんも本当に嬉しそうに私の方を見て、笑顔になっていました。
「あ、そうだ!佐野さんもそろそろお食事が終わりそうですし、柿剥いておきますね 」
私は冷やしている柿を取り出しました。
氷水に浸しておいた柿は、程よくひんやりしています。
包丁で丁寧に柿を剥き始めたときでした。
「ただいまですー!ハルさん、ティッシュ買ってきましたよー!」
葉子さんが、頼んでいたボックスティッシュを片手に帰ってきました。
「おおお!?お客様が増えてる!佐野さん、お久しぶりですっ」
「こんにちは!柿、良かったら葉子さんも食べてくださいね」
佐野さんは私の手元の柿を指差して言います。
「柿ですか!私はいつもタイミングが良いですねぇ」
そう言って、鼻唄混じりで2階に荷物を置きに駆けていきました。
これから時々、食堂に来てくださるらしいお二人。
この『そよかぜ』で繋がる縁や、出会いに何だかわくわくしてきます。
女心と秋の空とも言いますが、これからここで始まるかもしれない何かに、甘酸っぱい過去が甦るような感覚を覚えます。
空高くから響く飛行機の音と、道筋を示す飛行機雲。
何も起こらないおにぎり食堂。
だけどこうして小さな幸せが起こる食堂も、また素敵です。
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