4 / 53
写真家のゲンさん
しおりを挟む
6月16日は「嘉祥の日」と言って、和菓子を楽しむ日です。
今日はいつものメニューに加え、手作りの水羊羹を作って御待ちしております。
昨夜降った雨も朝にはすっかり止んでおり、うっすら雨の匂いの残る外の空気を、窓を開けて店に取り込みます。
この村は植物や木々、土が多いですから、雨上がりはそれらの湿った匂いがします。
私はその匂いが大好きなので、好んで胸いっぱいに吸い込んでしまいます。
ふふっ。これは少し変な趣味でしょうか?
だけど、どんな変わった趣味や嗜好の人でも、私は素敵だと思います。
だって他の人が気付けていない素敵な部分を、私は見つけられたのですから。
それだけで、ひとつ人生が楽しくなる要素となるでしょう?
それって、凄いことではないでしょうか。
私は誇れる事だと思いますよ。
「ん?おー!お前可愛いなぁ」
昨夜から用意しておいた寒天とこし餡を使って、水羊羹を作っていた時でした。
店の外から、男性の声がします。
丁度、火から下ろしたトロトロの羊羮の熱を取り終えたので、細長い型に流してから、様子を見に行きました。
入り口は開けていましたが、丁度壁で見えなかった所に、その年配の男性はカメラを構えて、ぽんすけを撮っているところでした。
「あぁ、すみませんね。写真撮って良かったですかね?ってもう、撮っちゃいましたけど」
頬を掻きながら、無邪気な笑顔で男性は言いました。
「大丈夫ですよ。ぽんすけも喜んでいますし」
大人しく座って、尻尾をぱたりぱたりと地面を叩くように振っています。
「おにぎり屋さんって文字を見たら腹へってしまいまして。店、入っていいですか?」
立派な丸いお腹をポンポンと叩いて、そう言いました。
「えぇ、勿論です。どうぞ」
男性を店の中へと案内しました。
「やっぱりおにぎりは梅干しですよ」
そう言って、ゲンさんと名乗るその男性は、豪快におにぎりを二口で食べてしまいました。
お味噌汁も盃のお酒を呑むかの様に、お箸も使わず「あー!旨い!」と飲み干していました。
白菜の漬け物も、ぽいぽいと口に放り込んでは、噛み締めるように食べておられました。
こんな食事風景も良いものです。
旨い旨いと嬉しそうに食べてくれる姿は、お客様から私へのご褒美なのです。
ゲンさんは焼いた鮭が食べたいと仰いました。
良い鮭があったので粗塩を振り、皮もこんがりと焼き付けて塩焼きにしてお出ししました。
綺麗なオレンジ色のふっくらとした身は、焼いている時から良い香りをたたせ、作っている私もお腹が空いてしまいそう。
ゲンさんも大変気に入ってくださり、全てをたいらげた時には「あー!幸せだ。ハルさん、ありがとね」と言ってくださいました。
「ハルさん、私ね写真家なんですよ」
ゲンさんは、自慢の立派なカメラを見せてそう言いました。
「まぁ。プロの方に撮ってもらえるなんて、ぽんすけは幸せね」
ぽんすけは店先から此方にニコニコと笑顔を向けて座っています。
まるで、いつ撮られても良いようにポーズを取っているみたいで、笑ってしまいました。
「ここら辺は蛍は出ないですか?この山の向こうの町は全然おらんのですよ」
「あちらは観光地ですからね。この辺りは、8時前辺りから飛び始めますよ。ゲンジボタルだかヘイケボタルだか、詳しくないのでわかりませんけど」
「ほほぅ。水田が多いからヘイケボタルじゃないかな?来た甲斐がありますよ。旨い飯も食えたし」
ゲンさんは安心した様子です。
人工的にではなく、自然に繁殖している蛍を探して旅しているのだとか。
「私はね、こういう田舎で自然に繁殖している蛍を専門にしてる写真家なんですよ。一生懸命保護して育てた蛍もそりゃあ美しいんですよ。私も感動したもんです。でも仕事となるとそうじゃなくて・・・こだわりなんですね。仲間からも変な奴だと言われます」
町の開発があちこちで進んで、少しでも手の加えた川や水田からは繊細な蛍は居なくなるそうです。
「ここは殆ど昔と変わっていないそうですから、そこの土手をずーっと山の方に歩いていった所は、乱舞しているみたいですよ」
するとゲンさんは目を輝かせて「そうですか!いやぁ、良かった!」と言い、その姿はまるで子供のようでした。
それから暫くして、ゲンさんは「6時頃、夕飯に立ち寄らせてもらいます」と言って店を後にしました。
ゲンさんは甘いものも好きだと仰ったので、その時に手作りの水羊羹をデザートにご用意致しますと伝えると、嬉しそうに「お願いします」と頭を下げました。
その日の夕方からは雨が降ってきました。
近くの木々がザッと音を立てるほどの風まで出てきています。
「どうも」
窓を閉めていると、ゲンさんが店にやって来ました。
「雨、降ってきてしまいましたね」
「いやぁ、梅雨ですからな。仕方無いですよ。それが自然を相手にするって事です」
ゲンさんは、ハハハっと明るく笑っています。
流石にこの天気では、蛍たちは身を守る為に、葉っぱの裏にしがみついて、姿を見せてはくれないでしょう。
「おにぎり定食いただけますか?おかずはある物で大丈夫ですよ」
私はキッチンに立ち、食事の用意を始めました。
先日、栗原さんに頂いたカボチャや紫蘇、しし唐辛子を天ぷらにし、うちの畑で採れた人参や玉ねぎでかき揚げを作ります。
カラカラと軽やかな油の音が店内に響き、
「おお!天ぷらですか!良いねぇ」
と、目を細めていました。
相変わらず豪快に、そして大きな口で美味しそうに食べておられました。
食後には、冷たい水羊羹をお出ししました。
「嘉祥の日に食べる和菓子は、厄除けと招福の意味があるようですよ」
「ほほう!そりゃ得な日に来ましたな」
「本当は16種類も食べるみたいですけどね。そんなに食べたら、胃がおかしくなりそうです」
そう言うと、ゲンさんは大きな声で「はっはっは!違いない!」と笑っています。
そんなゲンさんの向かいに座り、ちゃっかり私もご一緒して頂いてしまいました。
さっぱりとしたあんこの甘さが、舌に広がります。
雨で少し冷えてきたので、温かいお茶と一緒にいただくと、もう幸せの一言につきます。
「蛍、明日は見れますかねぇ」
ゲンさんが、お茶を啜りながら静かに言いました。
「遠くからいらしたんですか?」
「ええ。明日がラストチャンスです。明後日の朝には帰らんとなんで」
雨はまだザーッと降っているようです。
「周りからは、もっと金になる事やれよとか、そんなこだわり持ち続けてるからって色々言われるんですけどね。撮った写真の蛍なんてどれも変わらないよ、とも言われますが。それでも苦労して撮った写真は、本を通してでも、見た人にそれなりに感動を与えられる物だと信じてまして」
ゲンさんは真剣な目で、雨が叩きつける窓をじっと見つめています。
「頑固なので変わり者だと言われますが、それも楽しいし生き甲斐でもあるんですよ」
そう言って笑っておられました。
言われてみれば、私も変わり者だと思います。
いつお客様が来るかもわからないこの地で、1人と1匹でお店をやっているのですから。
それ以外にも、自分でも変だなぁと思う趣味や好みがあります。
だけど、それで私が幸せを感じているのだから、人様がどんな趣味を持っていても、笑ったりはしたくないと思っています。
翌日、ゲンさんは無事に蛍の写真が撮れたようで、『いやぁ、あれだけ沢山の蛍は久々に見ました!凄かったです!ハルさんの水羊羹が福を呼びましたな!』と、大喜びで帰っていかれました。
後日、送ってくださった封筒には、見事に乱舞する蛍の写真が入っておりました。
あ。あと、ぽんすけの得意気なお座りの写真も同封されていましたよ。
ぽんすけのモデルデビューの写真。
どこに飾ろうかしら?
今日はいつものメニューに加え、手作りの水羊羹を作って御待ちしております。
昨夜降った雨も朝にはすっかり止んでおり、うっすら雨の匂いの残る外の空気を、窓を開けて店に取り込みます。
この村は植物や木々、土が多いですから、雨上がりはそれらの湿った匂いがします。
私はその匂いが大好きなので、好んで胸いっぱいに吸い込んでしまいます。
ふふっ。これは少し変な趣味でしょうか?
だけど、どんな変わった趣味や嗜好の人でも、私は素敵だと思います。
だって他の人が気付けていない素敵な部分を、私は見つけられたのですから。
それだけで、ひとつ人生が楽しくなる要素となるでしょう?
それって、凄いことではないでしょうか。
私は誇れる事だと思いますよ。
「ん?おー!お前可愛いなぁ」
昨夜から用意しておいた寒天とこし餡を使って、水羊羹を作っていた時でした。
店の外から、男性の声がします。
丁度、火から下ろしたトロトロの羊羮の熱を取り終えたので、細長い型に流してから、様子を見に行きました。
入り口は開けていましたが、丁度壁で見えなかった所に、その年配の男性はカメラを構えて、ぽんすけを撮っているところでした。
「あぁ、すみませんね。写真撮って良かったですかね?ってもう、撮っちゃいましたけど」
頬を掻きながら、無邪気な笑顔で男性は言いました。
「大丈夫ですよ。ぽんすけも喜んでいますし」
大人しく座って、尻尾をぱたりぱたりと地面を叩くように振っています。
「おにぎり屋さんって文字を見たら腹へってしまいまして。店、入っていいですか?」
立派な丸いお腹をポンポンと叩いて、そう言いました。
「えぇ、勿論です。どうぞ」
男性を店の中へと案内しました。
「やっぱりおにぎりは梅干しですよ」
そう言って、ゲンさんと名乗るその男性は、豪快におにぎりを二口で食べてしまいました。
お味噌汁も盃のお酒を呑むかの様に、お箸も使わず「あー!旨い!」と飲み干していました。
白菜の漬け物も、ぽいぽいと口に放り込んでは、噛み締めるように食べておられました。
こんな食事風景も良いものです。
旨い旨いと嬉しそうに食べてくれる姿は、お客様から私へのご褒美なのです。
ゲンさんは焼いた鮭が食べたいと仰いました。
良い鮭があったので粗塩を振り、皮もこんがりと焼き付けて塩焼きにしてお出ししました。
綺麗なオレンジ色のふっくらとした身は、焼いている時から良い香りをたたせ、作っている私もお腹が空いてしまいそう。
ゲンさんも大変気に入ってくださり、全てをたいらげた時には「あー!幸せだ。ハルさん、ありがとね」と言ってくださいました。
「ハルさん、私ね写真家なんですよ」
ゲンさんは、自慢の立派なカメラを見せてそう言いました。
「まぁ。プロの方に撮ってもらえるなんて、ぽんすけは幸せね」
ぽんすけは店先から此方にニコニコと笑顔を向けて座っています。
まるで、いつ撮られても良いようにポーズを取っているみたいで、笑ってしまいました。
「ここら辺は蛍は出ないですか?この山の向こうの町は全然おらんのですよ」
「あちらは観光地ですからね。この辺りは、8時前辺りから飛び始めますよ。ゲンジボタルだかヘイケボタルだか、詳しくないのでわかりませんけど」
「ほほぅ。水田が多いからヘイケボタルじゃないかな?来た甲斐がありますよ。旨い飯も食えたし」
ゲンさんは安心した様子です。
人工的にではなく、自然に繁殖している蛍を探して旅しているのだとか。
「私はね、こういう田舎で自然に繁殖している蛍を専門にしてる写真家なんですよ。一生懸命保護して育てた蛍もそりゃあ美しいんですよ。私も感動したもんです。でも仕事となるとそうじゃなくて・・・こだわりなんですね。仲間からも変な奴だと言われます」
町の開発があちこちで進んで、少しでも手の加えた川や水田からは繊細な蛍は居なくなるそうです。
「ここは殆ど昔と変わっていないそうですから、そこの土手をずーっと山の方に歩いていった所は、乱舞しているみたいですよ」
するとゲンさんは目を輝かせて「そうですか!いやぁ、良かった!」と言い、その姿はまるで子供のようでした。
それから暫くして、ゲンさんは「6時頃、夕飯に立ち寄らせてもらいます」と言って店を後にしました。
ゲンさんは甘いものも好きだと仰ったので、その時に手作りの水羊羹をデザートにご用意致しますと伝えると、嬉しそうに「お願いします」と頭を下げました。
その日の夕方からは雨が降ってきました。
近くの木々がザッと音を立てるほどの風まで出てきています。
「どうも」
窓を閉めていると、ゲンさんが店にやって来ました。
「雨、降ってきてしまいましたね」
「いやぁ、梅雨ですからな。仕方無いですよ。それが自然を相手にするって事です」
ゲンさんは、ハハハっと明るく笑っています。
流石にこの天気では、蛍たちは身を守る為に、葉っぱの裏にしがみついて、姿を見せてはくれないでしょう。
「おにぎり定食いただけますか?おかずはある物で大丈夫ですよ」
私はキッチンに立ち、食事の用意を始めました。
先日、栗原さんに頂いたカボチャや紫蘇、しし唐辛子を天ぷらにし、うちの畑で採れた人参や玉ねぎでかき揚げを作ります。
カラカラと軽やかな油の音が店内に響き、
「おお!天ぷらですか!良いねぇ」
と、目を細めていました。
相変わらず豪快に、そして大きな口で美味しそうに食べておられました。
食後には、冷たい水羊羹をお出ししました。
「嘉祥の日に食べる和菓子は、厄除けと招福の意味があるようですよ」
「ほほう!そりゃ得な日に来ましたな」
「本当は16種類も食べるみたいですけどね。そんなに食べたら、胃がおかしくなりそうです」
そう言うと、ゲンさんは大きな声で「はっはっは!違いない!」と笑っています。
そんなゲンさんの向かいに座り、ちゃっかり私もご一緒して頂いてしまいました。
さっぱりとしたあんこの甘さが、舌に広がります。
雨で少し冷えてきたので、温かいお茶と一緒にいただくと、もう幸せの一言につきます。
「蛍、明日は見れますかねぇ」
ゲンさんが、お茶を啜りながら静かに言いました。
「遠くからいらしたんですか?」
「ええ。明日がラストチャンスです。明後日の朝には帰らんとなんで」
雨はまだザーッと降っているようです。
「周りからは、もっと金になる事やれよとか、そんなこだわり持ち続けてるからって色々言われるんですけどね。撮った写真の蛍なんてどれも変わらないよ、とも言われますが。それでも苦労して撮った写真は、本を通してでも、見た人にそれなりに感動を与えられる物だと信じてまして」
ゲンさんは真剣な目で、雨が叩きつける窓をじっと見つめています。
「頑固なので変わり者だと言われますが、それも楽しいし生き甲斐でもあるんですよ」
そう言って笑っておられました。
言われてみれば、私も変わり者だと思います。
いつお客様が来るかもわからないこの地で、1人と1匹でお店をやっているのですから。
それ以外にも、自分でも変だなぁと思う趣味や好みがあります。
だけど、それで私が幸せを感じているのだから、人様がどんな趣味を持っていても、笑ったりはしたくないと思っています。
翌日、ゲンさんは無事に蛍の写真が撮れたようで、『いやぁ、あれだけ沢山の蛍は久々に見ました!凄かったです!ハルさんの水羊羹が福を呼びましたな!』と、大喜びで帰っていかれました。
後日、送ってくださった封筒には、見事に乱舞する蛍の写真が入っておりました。
あ。あと、ぽんすけの得意気なお座りの写真も同封されていましたよ。
ぽんすけのモデルデビューの写真。
どこに飾ろうかしら?
1
お気に入りに追加
206
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
今世はメシウマ召喚獣
片里 狛
BL
オーバーワークが原因でうっかり命を落としたはずの最上春伊25歳。召喚獣として呼び出された世界で、娼館の料理人として働くことになって!?的なBL小説です。
最終的に溺愛系娼館主人様×全般的にふつーの日本人青年。
※女の子もゴリゴリ出てきます。
※設定ふんわりとしか考えてないので穴があってもスルーしてください。お約束等には疎いので優しい気持ちで読んでくださると幸い。
※誤字脱字の報告は不要です。いつか直したい。
※なるべくさくさく更新したい。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる