おにぎり食堂「そよかぜ」~空に贈る手紙~

如月つばさ

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秋晴れの青

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三方を山に囲まれたこの地。

十月のいまは、山の木々も少しずつ緑から黄色へと色付き始める頃。

ここはそんな田舎の、木造の古びた駅舎から村を繋ぐ一本道の途中にある小さな食堂。
 
おにぎり食堂「そよかぜ」と書かれた立て看板は、このお店で働いてくださる松本葉子さんの手作りです。
 
今のデザインは、おにぎりとお味噌汁、そしてお昼寝する看板娘のぽんすけが描かれている可愛らしいもの。
 
その看板の脇では、秋晴れの空の下、いかにも幸せですと言わんばかりの笑顔を浮かべてうたた寝するぽんすけがいます。
 
コンロの上でぐつぐつと音を立てるのは、土鍋のごはん。
 
その隣のお鍋にお味噌を溶き入れると、ふうわりと立ち上る田舎味噌の良い香り。
 
二階の扉が開く音がしましたね。
 
廊下を歩いて――葉子さんが降りていらっしゃいましたよ。

「ハルさん、大丈夫ですか?その……」

「えぇ、心配ないですよ。こればかりは仕方ありませんからね。はい、珈琲。熱いので気を付けてくださいね」
 
ふたつ持ったうちの黒いマグカップを葉子さんの前に置き、私も向かいの椅子に腰を下ろしました。
 
白いマグカップの中で湯気を揺らめかせる珈琲の香りに鼻を近づけて、ひとくち。

「あら、そのカーディガン今年も着てくださってるんですね」

「当然ですよぉ。これはハルさんから頂いたクリスマスプレゼントですもん。しかも手作りですよ。もうどうしようもないくらい大きく裂けでもしない限り着続けますよ」
 
青色のカーディガンに袖を通した腕に視線を巡らせた葉子さんは「まぁ、裂けても捨てないですけどね」と満足気な笑みを浮かべてマグカップに口をつけました。
 
十月に入ってからというもの、昼間は随分と過ごしやすくなりました。
 
いざ寒くなってからでは、ずぼらな私は衣替えに間に合わない!と、今朝早くから葉子さんは衣替えをなさっていたようです。

「昨日、谷本さんの息子さんから頂いた野菜チップスを持って来ましょうか」

「良いですねぇ。私取って来ます。戸棚に仕舞いましたよね」

「ありがとうございます。上から二段目の箱ですよ」

「はーい。あ、これこれ。お皿に移そうか」
 
葉子さんは棚から浅いお皿を取り、そこに野菜チップスを盛り付けて――ひとつつまみ食いしいました。

「ん~、おいし。ここに写真飾ったんですね。良いじゃ無いですか、外も見えるし、ハルさんがお料理する姿も見られて、タツ子さんも嬉しいですよ」
 
キッチンの窓。

私がいつも丸椅子を置いて外を眺めている出窓で、先日亡くなった谷本タツ子さんが、幸せそうな笑みを浮かべています。

ぽりぽりとした歯ごたえと、野菜の甘味が美味しいチップスは、タツ子さんの葬儀後に息子さんから頂いた物。
 
真っ赤に泣き腫らした瞳で、まっすぐに「ありがとうございました」と見つめられ、私も、そして私より先に葉子さんが隣で大泣きしてしまいました。
 
白いお花が供えられた祭壇の上で、目じりに皺をいっぱい刻んで笑うタツ子さんの遺影。
 
お店に来た雑誌のカメラマンの方が撮った物を譲ってもらったと仰っていました。
 
お客さんに料理をお出しする瞬間のその笑顔は本当に幸せそうで、優しさと、タツ子さんの心の温かみが滲む素敵な写真。

「まさかゲンさんが人気の観光情報誌まで手掛けていたなんて。ゲンさんって、凄い人だったんですねぇ。なんだかここに来るときは、ガタイの大きな陽気なおじさんって感じだから、つい忘れちゃう」
 
葉子さんが、レンコンに手を伸ばした時です。

「陽気なおじさんが来ましたよ!はっはっは、こりゃどうも昨日ぶりで――って、おいこら、お前は相変らずだなぁ」

「まぁ、ゲンさん。おはようございます」

「ぽんすけ、こっちにおいで。ほら、あっちで遊ぼう。ぽんすけの好きなヒヨ君だよぉ」
 
ヒヨ君と呼ばれた、ボールのようにまん丸のヒヨコを模したぬいぐるみ。ぽんすけのお気に入りです。
 
葉子さんがぽんすけの鼻先にヒヨ君を見せ「ほーれ」と店の前の通りに放り投げると、茶色い弾丸と化したぽんすけが玄関から飛び出していきました。

「ついでに散歩もしてきますねぇ」
 
玄関脇に掛けていた薄手の上着を羽織り、棚の上に置いてあったお散歩バッグとリードを手に、ゲンさんに一礼しました。

「おにぎり定食。具材は梅干しね」
 
椅子に深く腰掛け「あー、久しぶりだなぁ」と、筋肉質な腕を組みながら店内を見回し、感慨深いようなため息を吐きました。
 
肉厚の椎茸を焼くと、芳ばしい香りがたちまち鼻孔をくすぐります。

そこに醤油を垂らし、ジュッと焼き付いたら椎茸と絡めて。
 
朝からじっくり煮込んだ大根とイカの煮物は、味が染みこんでいて良い出来具合。

茶色い食べ物というのは、どうしてこんなにも見た目だけでお腹の虫を暴れさせてしまえるのでしょう。

お箸を入れれば、ほっくりと大根が崩れて、鰹ベースのお出汁が口の中に染み渡ります。
 
土鍋の蓋を開けてもわりと立ち上る湯気と甘い匂い。これは私の密かな楽しみです。
 
艶のあるふっくらとしたご飯は、なんと新米。
 
自家製の梅干しをご飯で優しく包むようにして握り、軽く炙った海苔を当てましょう。
 
食堂名物、田舎味噌のお味噌汁の今日の具材は、豆腐と長ネギ。
 
先日、常連でもある佐野雅紀さんが持って来てくださったものです。
 
さて、美味しいおにぎり定食の完成。
 
ちょうど、秋の穏やかな風が窓のカーテンをそよと揺らしていますよ。

ゲンさんが美味い美味いと食べてくださっている間、私は丸椅子に腰かけ、出窓に肘を付いて外を眺めていました。
 
そっと目を瞑ると、鼻や耳の間隔が研ぎ澄まされるような気がします。
 
瞼の裏に感じる麗らかな陽光と、太陽と、少し乾いた土の匂い。
 
風が草木を揺らす音と鳥たちの囀りが耳に心地よくて、つい時間を忘れてぼうっとしてしまうのです。
 
それでも、昨夜の事が胸の奥深くから湧き上がって来て、静かに目を開けてしまいました。

視界の端に映る、生き生きとしたタツ子さんの笑顔。
 
目の前の平穏で、変わらない世界から、またひとり大切な人がいなくなってしまいました。
 
鼻の奥がツンと痛み、その痛みを噛みしめつつ目頭を押さえる。
 
胸にこみ上げた想いをゆっくりと吐き出し、また澄み渡った青を見上げました。
 
いつものように迎えた一日の終わり。

食堂の後片付けをしていた時に一本の電話が鳴りました。
 
息子さんから伝えられたタツ子さんの訃報はあまりに突然で、受話器を持つ手が震えて、最低限の返事しか出来ませんでした。

タツ子さんは私がこの食堂を始める前から、とてもお世話になっている方。

あの出来事から十一年目になります。
 
突如訪れた愛する夫と娘との死別。

それは私を死の淵にまで追いやってしまう絶望でした。

娘の遺体を目にした時、もう世界の全ての音、自分自身の指先までの感覚、何もかもが止まってしまったような。

ほんの半日前までは、いつもの日常だったのです。

「いってきます」と赤いランドセルを背負って、靴を履く娘の後ろ姿。

「いってらっしゃい。気を付けてね」と、いつものように送り出し、「今日帰ったら一緒にクッキー作ろうね」と垂れ目を線にして笑みを浮かべていました。
 
何もかもいつも通り。

明日も、明後日も、同じ日が続くと思っていた私の人生。
 
そんな日常があの日、何もかも壊れてしまった。

恐怖、不安、悲しみ、絶望。全ての負の感情に身体ごと飲み込まれてしまうあの感覚は、今でも忘れられません。
 
あの日、絶望と悲しみに暮れていたのは私だけではありませんでした。

大きな災害に見舞われた町の多くの人が大切な人を亡くしたのです。

テレビで大きく報道された町の様子は、残された人たちの心を何度もかき乱し、私も同じく、何度も、何度も、心のなかであの日を繰り返していました。
 
娘に会いたい。

遺体すら見つからなかった夫に会いたい。

巡る季節の風景を、あなた達の隣で見ていたかった。
 
まるで穏やかに凪いだ海のように、おおらかで、優しかった大切な人。その人との、大切な娘。
 
空を見るたび。海を見るたび。何度、私もこの世を去ろうと思ったか。

「ごちそうさまでした。いやあ、美味かった。今年の梅もいい塩梅ですなあ。味噌もハルさん仕込みで贅沢贅沢」
 
食事を終えたゲンさんが「くはあ」と湯呑のお茶を飲み干し、服の上からもわかる大きく膨らんだお腹をぽんっと軽快に叩いてみせました。

「この、えーっと何と言うんですかな。これは」

「ランチョンマットですか?」

「そうそう。この、らんちょんまっとの柄もハルさんが付けたんでしょう。器用で何でも出来て羨ましい限りだ」
 
ゲンさんはランチョンマットの右下にある紅葉の刺繍を、太い人差し指で指しながら感嘆しました。

「でも歳を追うごとに目も悪くなる一方で。ひとつ刺繍するだけで随分と時間が掛かるんですよ。ゲンさんが観光情報誌の写真まで撮るようになっていたなんて、タツ子さんのお葬式まで知らなかったので驚きました」

「いやいや、あの仕事は今はもうやっとらんのですよ。人手が足りなくなって急遽請け負っただけでして。今はまた、あちこちの風景写真を撮り歩いてます。もちろん、ホタルがメインなんですけどね。どうせなら、今日も一枚ぽんすけの写真を撮ってやろうと思って――」
 
一体どのくらいの距離を走って来たのか。

「待ってー、ちょっと私の年齢考えてー」という悲痛な叫びが聞こえて来たと思ったら、盛大な「はあはあ」をしながら、瞳にキラキラとした光を蓄えたぽんすけが満面の笑みで駆けこんできました。

「おっ、帰って来たかー。どうだ、楽しかったか、ほれほれ。おー、まだ体力余ってんのかお前」
 
弾み過ぎたゴムボールのように、ふがふが言いながらゲンさんの周りを飛び跳ね、転げまわり、腕や足に纏わりつくぽんすけ。

この三年の間に、ぽんすけの体力は衰えるどころか限界を知らないかのように上昇する一方です。

「よっしゃ、お前いま良い顔してるから写真撮ろう。ほら、葉子さん一緒にその看板の前に並んで」
 
葉子さんは前髪を手櫛で抑え「顔の皺、しっかり光で飛ばしてくださいよぉ」と笑いながらぽんすけと一緒にお店の立て看板の前にしゃがみます。

「大丈夫、葉子さんはそのままでも素敵な笑顔だから。それに笑い皺は幸せの証だ。ハルさん、何やってんですか。ぽんすけを真ん中にして並んで」

「まぁ、私も良いんですか」
 
少し離れたところで笑っていた私が、慌てて腰に当てたエプロンを外そうと後ろに手を回すと、ゲンさんは「いいのいいの」と分厚い大きな手のひらを翳して制しました。

「そのままで。いつものハルさんで良いんですよ。写真てのはね、めかしこんだのも良いけど、中にはこうやって自然な日常を写真に残しておくってのも大事なんですよ。後で見返すとね、そういう写真は本当に掛け替えのないもんになってるんです」

 土手を背にしてしゃがんだゲンさんが「はい、いきますよー」とカメラを顔の前に構えて合図をします。

私と葉子さんの間でおすわりしているぽんすけに身体を寄せて、口角を上げて――と思ったら、ひらりと一羽の蝶がぽんすけの鼻先にやって来て、シャッター音と同時にぽんすけが蝶に気を取られ、興奮気味に後ろ足で立ち上がってしまいました。

思わず笑ってしまった私と、「あぁ、駄目だって」と驚いた葉子さん。

「はっはっは、良い写真になりましたよ」
 
葉子さんは撮り直してもらえるよう頼んでいましたが、カメラの画面を確認するゲンさんは「現像まで楽しみにしといてください」と満足気に帰って行きました。


「ハルさん」

「あら、白井さん。こんにちは、お散歩ですか」
 
そろそろ日が沈む頃。

散ってきた木の葉を掃除していると、村に住む八五歳の白井さんが杖を片手にやってきました。

「ほら。これを持って来たんだよ」
 
差し出された白いビニール袋には、銀杏や栗が沢山。

白井さんはご自身の山にある山菜やキノコ、この季節には栗などをこうして時々分けてくださるのです。

「ひとりじゃ食べきれんからね。ちょうど栗原さん達にもお裾分けしてきたところなんだ」
 
白井さんは顔の前に手を挙げて「じゃあね」と人の良さそうな笑顔で会釈すると、今歩いてきた方向に身体を返しました。

「良かったらお夕飯食べていきませんか?頂いたもので何かお作りしますし」

「あぁ、いやでも……ハルさん所のお店はそろそろ店仕舞いの時間だろう」

「普段はお昼間の方がお客様がいらっしゃると言うだけで、夜に来ていただいても大歓迎なんですよ?一応、七時までは営業時間にしていますから」
 
時刻はまだ五時三十分。

十月も終わりの空は、藍色の空に朱いイワシ雲が扇状に広がり、乾いた生ぬるい風が、土手の斜面を鮮やかに染めるコスモスを揺らします。

陰影を浮かび上がらせながら、暮れゆく夕陽を浴びるコスモスの群れは、しっとりと優しい風景に溶け込んでいました。

「うわあ、たまんないですねぇ。混ぜるの私がやって良いですか?」
 
土鍋には、黄金色にほっくりと炊き上がった栗ご飯。

葉子さんがしゃもじを手にご飯をそっと返してたちまち昇る甘い湯気。

蒸し器では、ぷっくりとした銀杏を添えた茶碗蒸しが出来上がっています。

「悪いねぇ、これじゃ仕事増やしたようなもんだよ」
 
テーブル席で待つ白井さんの元に、茶碗蒸しと栗ご飯、お豆腐とネギのお味噌汁を運び、私と葉子さんの分も同じテーブルに並べました。

「こーんな美味しそうな栗や銀杏を前にしたら、今すぐ食べずにはいられませんよぉ」
 
そそくさとエプロンを外した葉子さんは、我先にと手を合わせて「ねぇ」と隣に座った私に視線を送ります。

「えぇ。それに私たちも丁度お腹が空いていましたし。こうして賑やかに食べる食事も楽しいですから」
 
私も両手を合わせ、白井さんと目を合わせました。

細く、皺の深い、青い血管が浮き出た手を胸の前で合わせた白井さんは「あぁ……うん」と目の前の食事に視線を落として目を細めて。

「誰もいない家でひとりで食べるより、誰かの笑顔を見ながら食べる方がずっと美味しいからね」
 
そう顔を上げると、三人視線を合わせ――玄関横にあるクッションにお尻を落ち着けてこちらを見ていたぽんすけにも目配せをして。

「いただきます」
 
すっかり陽の落ちた夕闇の広がる窓の向こうから、ひとひらの柔らかな風が食卓を撫でるように駆け抜けます。

 リン

冬以外は吊るしている窓辺の南部鉄の風鈴が音を奏でました。


葉子さんが部屋の扉を閉める音が聞こえてきました。

一階の食堂からは「ぶしゅん」とぽんすけのくしゃみがひとつ。
 
静謐な秋の夜。

僅かに開けた窓の向こうには、いつもより大きく、うさぎがお餅を突いている満月が昇っています。
 
テーブルのスタンドライトの下で読んでいた本をそっと閉じ、マグカップにふぅ、と息を吹きかけてほうじ茶をひと口。

芳ばしい香りが、口から鼻へと抜けていき、私の心からもすぅっと力が抜けていくよう。
 
耳を澄ませば聞こえてくる秋虫の声と、葉擦れの音。澄んだ夜風の匂い。

少しひんやりした空気が肌に触れて。

夜空にタツ子さんの笑顔を思い浮かべては、やっぱりまだ鼻の奥がツンとしてしまい、ゆっくりと深呼吸。

「ハルちゃん。休み休み一緒に行こう。時々振り返るのも良いのよ。振り返って、泣いて。何にも悪い事じゃない。振り返っても、一歩進んでも、必ず夜が来て朝が来る。心に感じた事や、毎日見た事、ぜーんぶ抱えて、最後にみやげ話にあっちに持って行けばいいのよ。死んじまった人たちが見られなかったもの、感じられなかったもの、ハルちゃんが一杯抱えて話してあげるの。私もね、ひとりで逝っちまったあの子がびっくりするような余生を全うやろうと思ってるの」

そう言ってタツ子さんは、長男さんの助けもあって「おばあの野菜カフェ」を開いたのです。

亡くなった次男さんへのみやげ話にするんだと仰っていた、あの頃の笑顔。

きっと心に付いた傷なんて癒えているわけはないけれど、それでも周りの人達、お客様の中での笑顔は本物だったと思います。

ここで食堂をする私がそうなのですから。

またひとつ吹いた風に身体が震えて、窓を閉めました。

遮光性の無い、白いカーテン越しに映る月明り。

「あの日から十一年。十年までも、今思えばあっという間。だけど、ここから十年ももっとあっという間なのかもしれないわね」
 
部屋のドア沿いの壁で大きく両手を広げた、江戸紫に大小華やかな花が散りばめられた振袖が、月明りにぼうっと浮かび上がります。
 
十一年目にして、ようやく触れることが出来た過去。

それなのに、どうしてでしょう。

叶わなかった未来にまた胸に僅かな痛みを覚えてしまう。

布団に仰向けになった私は、天井の木目に「おやすみなさい」と呟きました。

 チリリッ、チリリッ
 
秋の虫の合唱。

一般的にはそう言われる風情あるこんな声ひとつも、私にはどこか悲しく、寂し気で。
 
冷たく、無慈悲に流れてしまう時間の波に、ゆっくりたゆたい、飲まれるように。

眠りに落ちていきました。

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