140 / 153
赤土帯
ストーンショット 4
しおりを挟む一般的にスペルのリキャストタイムというものはレベルで変わらない。
ストーンショットの(SS)場合、術者のレベルが反映するのは石弾の大きさだ。
スキルレベルやスペルレベルで弾速も上がるだろうがメインはサイズだ。
射程も殆ど伸びない。
敵に肉迫された魔導士が放つ『必殺の反撃』 という印象が強い。
石弾を連発して攻勢に出る魔導士など俺は見た事が無い。
ポンポン撃つようなスペルではないのだ。
チャージオプションがあるのだから連射オプションもありそうなものだが、
俺は聞いた事が無い。 ヨッシーからも特に言及はなかった。
( 彼女はただ、『何でも色々試してみるとイイよ!』 とは言っていたけど )
そもそも2秒のインターバルがあるんじゃ連射なんて殆ど意味が無いからな。
都度詠唱で問題無い。
SSより強力な呪文のリキャストタイムはもっと長い。
極大呪文にはリキャストに分単位を要するものもあるし。
・・・まてよ。
『意味が無い』 だと?
意味はあるだろ。
今、俺が唱えて投石用の石弾を造っている "この" 設定の場合は。
重量調整でリキャストタイムがミリ秒レベルに短縮しているこの状況なら。
ヨーコにも同じ規格で石弾を造らせているが、
俺より元の石弾が小さいヨーコですら詠唱がリキャストに追い付いていない。
"連射オプション" は役に立つ筈だ。
必須であるとさえ言える。
「ヨーコ、ちょっと待て」
俺の隣で石弾(というより”鋼球”だな)を作っていたヨーコを止める。
AIの彼女の方が詠唱が精確なのか作成数は少し多い。
「試したいことがある」
石弾を作成している今のスペル設定を "ペレットメーカー" と呼ぶことにしよう。
俺はイメージを固めるとスペルをキャストした。
「連射×10 ペレットメーカー!」
ドドドドドドドドドドッ
一挙に10個の石弾(グラビタイト球)が地に転る。
( ヨシ! )
連射機能はあった。
恐らくリキャストタイムが一定以上短くなると有効になるのだろう。
これがファイナルクエストだ。
常にプレイヤーの先を行く "底無し" とも思える仕込み。
『欲しいものは(探せば)見つかる 』
ウィーザーズ達の抱くその信条は俺にも浸透して来ているのかも知れない。
.
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。
あおいろ
ファンタジー
主人公ーヒルフェは、唯一の家族である祖母を失くした。
彼女の葬式の真っ只中で、蒸発した両親の借金を取り立てに来た男に連れ去られてしまい、齢五歳で奴隷と成り果てる。
それから彼は、十年も劣悪な環境で働かされた。
だが、ある日に突然、そんな地獄から解放され、一度も会った事もなかった祖父のもとに引き取られていく。
その身には、奇妙なスキル【疲れ知らず】を宿して。
辺境の最強魔導師 ~魔術大学を13歳で首席卒業した私が辺境に6年引きこもっていたら最強になってた~
日の丸
ファンタジー
ウィーラ大陸にある大国アクセリア帝国は大陸の約4割の国土を持つ大国である。
アクセリア帝国の帝都アクセリアにある魔術大学セルストーレ・・・・そこは魔術師を目指す誰もが憧れそして目指す大学・・・・その大学に13歳で首席をとるほどの天才がいた。
その天才がセレストーレを卒業する時から物語が始まる。
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
追い出された万能職に新しい人生が始まりました
東堂大稀(旧:To-do)
ファンタジー
「お前、クビな」
その一言で『万能職』の青年ロアは勇者パーティーから追い出された。
『万能職』は冒険者の最底辺職だ。
冒険者ギルドの区分では『万能職』と耳触りのいい呼び方をされているが、めったにそんな呼び方をしてもらえない職業だった。
『雑用係』『運び屋』『なんでも屋』『小間使い』『見習い』。
口汚い者たちなど『寄生虫」と呼んだり、あえて『万能様』と皮肉を効かせて呼んでいた。
要するにパーティーの戦闘以外の仕事をなんでもこなす、雑用専門の最下級職だった。
その底辺職を7年も勤めた彼は、追い出されたことによって新しい人生を始める……。
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
司書ですが、何か?
みつまめ つぼみ
ファンタジー
16歳の小さな司書ヴィルマが、王侯貴族が通う王立魔導学院付属図書館で仲間と一緒に仕事を頑張るお話です。
ほのぼの日常系と思わせつつ、ちょこちょこドラマティックなことも起こります。ロマンスはふんわり。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
【祝・追放100回記念】自分を追放した奴らのスキルを全部使えるようになりました! ~失われたギフト~
高見南純平
ファンタジー
最弱ヒーラーの主人公は、ついに冒険者パーティーを100回も追放されてしまう。しかし、そこで条件を満たしたことによって新スキルが覚醒!そのスキル内容は【今まで追放してきた冒険者のスキルを使えるようになる】というとんでもスキルだった!
主人公は、他人のスキルを組み合わせて超万能最強冒険者へと成り上がっていく!
~失われたギフト~
旅を始めたララクは、国境近くの村でかつての仲間と出会うことに。
そして一緒に合同クエストを行うことになるが、そこで彼らは不測の事態におちいることに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる