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ゲルブ平原
アイテム回収
しおりを挟む聖堂から先程の死闘の場に戻ると二匹の狼が倒れていた。
一匹の額には殴った石が刺さっている。 ちょっとシュールな光景だ。
( この石はとっておくか )
狼の額から石を引き抜いて 『 収納 』ポケット にしまった。
…これは使えるからな。
( で、アイツは何処だ? )
俺の喉笛を噛み千切ってくれた三匹目の狼。 彼奴にオトシマエを付けないと。
二匹の死体が残ってる(タイムアウトしてない)んだからまだこの辺りにいる筈だ。
周囲を注意深く見回すと南の草原の方向80m程の処に倒れているのを見付けた。
( 逃がさん! )
全力で走った。 ゴブリンダッシュだw
"レールガン"で撃っても良かったが(射程内だし ) 直接殴りたかった。
意外と速い。 5秒程で着いた。
すぐ傍まで寄っても狼は動かない。
事切れていた。
抉られた右目から流れ出した脳漿が地面に拡がっている。
ゴブリンの指は長いから脳まで破壊されたんだろう。
( こういうのもとにかく無駄にリアルなんだよな )
楽な最期では無かったろう。
リベンジ心満々で張り切っていたけれど、なんだか少し哀れにも感じて来た。
・・・ああ もうあまり時間に余裕がない。 早く『報酬指定』しないと。
「毛皮(ゲギャ)」
対象を指定すると狼の死体は綺麗に処理された毛皮に変わった。
FQでは(FQでも)獣やモンスターを倒せば報酬アイテムをゲットできる。
報酬が要る場合は討伐対象毎に設定されたアイテムを選択肢から指定すれば躯がアイテムに変換されるのだ。(指定しなければ一定時間経過後に躯は消失する)
狼の『討伐報酬変換』は 牙・爪・肉・肝・毛皮 から選択できる。
…選択の口上はゴブリン語でもOKなようだった w
『狼の毛皮』 をポケットに収納した。
コモンアイテムは一種類当たり999個まで所有(収納)可能だ。
元の場所に戻り、最初の二匹も毛皮に変換して収納する。
"狼の毛皮"は3つになった。
ポケット収納が寂しい。 もっと稼がないと。
"投石"スキルを上げるという課題もあったけど "対獣格闘"を優先しよう。
何といってもアイテムが入手できるからな。 ( 他にも試したい事があるし )
…ああ、投石で狼を仕留めてもいいのか。
索敵・討伐・回収 を効率よく回さなければならない。
ビギナーの頃は狼なんか積極的に探したことなど無かった。(只管ウザかった)
都市の近郊にはもっとイージーに討伐できるモンスターが沢山いたからな。
狼はどっちかと言えば僻地に多い印象だった。 ( 田舎の村の討伐依頼とか )
向こうから群れで襲って来るから こっちから探さなくてもイイかもだけど、
不意打ちを食らってドーム行き、てのはできれば,いや絶対に避けたい。
( 窓とかもないし、なんかあのドームは雰囲気が暗いんだよな )
先に発見して主導権を握り、余裕をもって討伐したい。
その為にはやはり"見つからない事"が重要だろう。 身を低く保たないとな。
よ~し、 いってみよう !
いつでも石が拾えるエリアを出ないようにコース取りをして岩地を西に向かう。
まず最初に全周を注意深く索敵。 発見できなければ500m程移動する。
これを繰り返す、というやり方でいいかな。
FQでは 『さっきはいなかったのに振り向いたら敵がいた』 て事は普通ない。
『前ばかり見ていたらいつの間にか後ろに忍び寄っていた』 て感じになる。
獣やモンスターはそれが不自然でないようなタイミングで湧いて来るのだ。
( だからグルグル回っていれば視界内にモンスターは湧かない )
一番簡単なのは一定時間目を瞑る、という方法だが、
(経験上)これだと 再出現(リポップ) まで3分程掛かってしまう。
フィールドを移動した方が圧倒的にエンカウント率は高いのだ。
前者の方法では不意を打たれる危険性も高い。(てか殆どそうなる)
また、ドームで判った 『未踏破領域にはワープできない』 件に関して
可及的に踏破済みエリアを拡げておきたい、 ということもある。
・・・ゲルブ平原を西まで渡り切れば デリドール(帝都) があるしな!
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