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第一章 始まりの館
Chapter121 花ガニ
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花ガニを一匹茹でている間に、トーマスはカウンターでグリーンティーのセットを頼んで待っていた。
そこに野菜農家のキースがやってきて、今度はルベルジュノーとレオリアムとアルベルティーナとアルシャインが出迎えて、庭の中にみんなで荷車を押した。
「わあピーナッツだ!ピーナッツバター作るね!!」
大量の落花生を見て喜んだアルベルティーナがカゴを抱えて中に走っていった。
「色んなキノコだ!…香りが違うね」
レオリアムが匂いをかいで聞くと、アルシャインが笑って言う。
「味も違うから楽しいのよ!シメジは何にでも合うし、マイタケは香りも味もいいから、天ぷらにいいかも!あ、かつおぶしっていうの聞かないと…」
アルシャインはコーヒー豆のカゴを抱えて中に入る。
「トーマスさん、かつおぶしってありますか?」
「かつおぶし…?さあ……魚なのかい?」
「ええ、ボニートをすごく乾燥させてカチカチにした物らしいんです」
「そんなの聞いた事も見た事もないな…」
「…ですよね~……」
そこにキースも入ってきてカウンターに座る。
「俺にもグリーンティーセットを貰えるかい?」
「はーい!」
リナメイシーが答えてグリーンティーを淹れる。
そこに山農家のゴードンがカゴを2つ持って入ってくる。
「キースの紹介で来たんだが…ってキース!居たのか!」
「おお、やっと来たのかゴードン。アイシャマスター!こいつがキノコの仕入れ先のゴードンだよ」
そう紹介されて、ゴードンは帽子を取ってお辞儀をする。
「ウチの山ではキノコが毎年採れるから…あとこれ、コケモモとクルミを収穫したから、売り込みに来たんだが…」
「クルミとコケモモ!パウンドケーキにいいわ!」
アルシャインがパンと手を叩いてゴードンに駆け寄り、握手をする。
「よろしくお願いします、ゴードンさん!まずは座って下さい!」
「ああ…じゃあ、朝飯でも頼もうかな…って凄い量のメニューだ……どれがいいか分からないな…」
ゴードンがカウンターに座って迷っていると、穀物倉からルベルジュノーがやってくる。
「旦那はパンとパスタ、どっちが好み?」
「そうだな…パンがいいな…」
「じゃあ肉と魚は?」
「…肉かな」
「今日は鹿肉とカンムリ鷹があるよ!」とリュカシオン。
「いいね、カンムリ鷹が欲しいな」
「じゃあブリトーがオススメだよ!」
ルベルジュノーがそう言って伝票を書く。
「ついでにスープは?」
「ああ、頼むよ。それと、噂のまんじゅうってやつは…」
「グリーンティーのセットと栗まんじゅう追加だね!」
ポンポンと言われてゴードンはただ頷いた。
その時、カニが茹で上がってみんなが試食をする。
「美味い!」とリュカシオン。
「これいい!」とカシアン。
「おいし…ムリ…ナージィもっと食べたい…」とティナジゼル。
「これなら…今日入った黒エビと虹色貝で豪華にピッツァはどうかな?チーズたっぷりで」
ルーベンスが言うと、マリアンナが笑って頷く。
「それならホワイトソースよね!」
それを聞いて、トーマスとキースが手を挙げた。
「それいいな!もう頼めるかい?!」とトーマス。
マリアンナには決定権が無いのでアルシャインを見ると、アルシャインは笑って頷いてキッチンに入る。
「はーい、じゃあ花ガニと黒エビと虹色貝のピッツァね!これは幾ら?」
用意をしながら聞くと、ノアセルジオが材料を見て計算する。
「4等分で30Gかな」
「丸ごとくれ!」とキース。
「オレもな」とトーマス。
「はーい!」
アルシャインは笑って答えてマリアンナと共に用意をした。
「そうだ、クルミとコケモモは幾らですか?」
アルシャインが聞くと、サラダブリトーを食べているゴードンが答える。
「これすごく美味いよ!」
「ありがとうございます!…それで」
「あれは、試しに持ってきたやつだからいいんだ。クルミとコケモモは何になるんだい?」
「パウンドケーキにしようかと!…ドライフルーツにするから…後はジャムと…」
アルシャインが悩んでいると、横からフィナアリスが言う。
「アイシャママ、季節のフルーツタルトにしてみましょうよ!」
「そうね!そうしましょう!」
笑って答えて、フィナアリスが用意をした。
ピッツァは、みんなの試食の分を先に焼いて渡していく。
「んま!これ…すごいよ!」とルベルジュノー。
「美味しすぎる~!」とメルヒオール。
「もっと食べたくなる~っ!くー……ディナー、これ頼むよ!先に払うから!」とリュカシオン。
「あ、ずるい!あたしも!」とユスヘルディナ。
「あたしも!」とマリアンナ。
リュカシオンとユスヘルディナとマリアンナはすぐに2階に自分のお金を取りに行った。
するとレオリアムとノアセルジオまで2階に行く。
「あらあら…じゃあ夜はピッツァね。トーマスさん、花ガニはこれからも捕れますか?」
アルシャインが聞くと、トーマスは頷く。
「秋と冬が旬だから捕れるさ。俺が捕れなくても買ってきてやるよ。1日どの位必要か書いといてくれ」
「はい!」
アルシャインは答えて焼き窯の中のピッツァを回転させた。
その3人が帰っていつものレンガ職人のロレッソと鍛冶屋のエイデンと家具屋のダンヒルが顔を出す。
「おはよう!」
とロレッソが挨拶するので、みんなで
「おはようございます!」と返した。
アルシャインは黒板に
花ガニとエビと虹色貝のピッツァ 30G
と書いてからショルダーバッグを手にする。
「じゃあ郵便局に行ってくるから……誰か一緒に行く?」
「ん~…大丈夫!」とマリアンナ。
みんなを見ても、注文と掃除と人形作りをしていて忙しそうだ。
「俺が行くよ」
そう言ってカシアンが穀物倉から出てきて、掛けておいた上着を着る。
「じゃあお願いね。すぐに戻ってくるから!」
「はーい!」
みんなの返事に微笑んでアルシャインはカシアンと共に街に出た。
そこに野菜農家のキースがやってきて、今度はルベルジュノーとレオリアムとアルベルティーナとアルシャインが出迎えて、庭の中にみんなで荷車を押した。
「わあピーナッツだ!ピーナッツバター作るね!!」
大量の落花生を見て喜んだアルベルティーナがカゴを抱えて中に走っていった。
「色んなキノコだ!…香りが違うね」
レオリアムが匂いをかいで聞くと、アルシャインが笑って言う。
「味も違うから楽しいのよ!シメジは何にでも合うし、マイタケは香りも味もいいから、天ぷらにいいかも!あ、かつおぶしっていうの聞かないと…」
アルシャインはコーヒー豆のカゴを抱えて中に入る。
「トーマスさん、かつおぶしってありますか?」
「かつおぶし…?さあ……魚なのかい?」
「ええ、ボニートをすごく乾燥させてカチカチにした物らしいんです」
「そんなの聞いた事も見た事もないな…」
「…ですよね~……」
そこにキースも入ってきてカウンターに座る。
「俺にもグリーンティーセットを貰えるかい?」
「はーい!」
リナメイシーが答えてグリーンティーを淹れる。
そこに山農家のゴードンがカゴを2つ持って入ってくる。
「キースの紹介で来たんだが…ってキース!居たのか!」
「おお、やっと来たのかゴードン。アイシャマスター!こいつがキノコの仕入れ先のゴードンだよ」
そう紹介されて、ゴードンは帽子を取ってお辞儀をする。
「ウチの山ではキノコが毎年採れるから…あとこれ、コケモモとクルミを収穫したから、売り込みに来たんだが…」
「クルミとコケモモ!パウンドケーキにいいわ!」
アルシャインがパンと手を叩いてゴードンに駆け寄り、握手をする。
「よろしくお願いします、ゴードンさん!まずは座って下さい!」
「ああ…じゃあ、朝飯でも頼もうかな…って凄い量のメニューだ……どれがいいか分からないな…」
ゴードンがカウンターに座って迷っていると、穀物倉からルベルジュノーがやってくる。
「旦那はパンとパスタ、どっちが好み?」
「そうだな…パンがいいな…」
「じゃあ肉と魚は?」
「…肉かな」
「今日は鹿肉とカンムリ鷹があるよ!」とリュカシオン。
「いいね、カンムリ鷹が欲しいな」
「じゃあブリトーがオススメだよ!」
ルベルジュノーがそう言って伝票を書く。
「ついでにスープは?」
「ああ、頼むよ。それと、噂のまんじゅうってやつは…」
「グリーンティーのセットと栗まんじゅう追加だね!」
ポンポンと言われてゴードンはただ頷いた。
その時、カニが茹で上がってみんなが試食をする。
「美味い!」とリュカシオン。
「これいい!」とカシアン。
「おいし…ムリ…ナージィもっと食べたい…」とティナジゼル。
「これなら…今日入った黒エビと虹色貝で豪華にピッツァはどうかな?チーズたっぷりで」
ルーベンスが言うと、マリアンナが笑って頷く。
「それならホワイトソースよね!」
それを聞いて、トーマスとキースが手を挙げた。
「それいいな!もう頼めるかい?!」とトーマス。
マリアンナには決定権が無いのでアルシャインを見ると、アルシャインは笑って頷いてキッチンに入る。
「はーい、じゃあ花ガニと黒エビと虹色貝のピッツァね!これは幾ら?」
用意をしながら聞くと、ノアセルジオが材料を見て計算する。
「4等分で30Gかな」
「丸ごとくれ!」とキース。
「オレもな」とトーマス。
「はーい!」
アルシャインは笑って答えてマリアンナと共に用意をした。
「そうだ、クルミとコケモモは幾らですか?」
アルシャインが聞くと、サラダブリトーを食べているゴードンが答える。
「これすごく美味いよ!」
「ありがとうございます!…それで」
「あれは、試しに持ってきたやつだからいいんだ。クルミとコケモモは何になるんだい?」
「パウンドケーキにしようかと!…ドライフルーツにするから…後はジャムと…」
アルシャインが悩んでいると、横からフィナアリスが言う。
「アイシャママ、季節のフルーツタルトにしてみましょうよ!」
「そうね!そうしましょう!」
笑って答えて、フィナアリスが用意をした。
ピッツァは、みんなの試食の分を先に焼いて渡していく。
「んま!これ…すごいよ!」とルベルジュノー。
「美味しすぎる~!」とメルヒオール。
「もっと食べたくなる~っ!くー……ディナー、これ頼むよ!先に払うから!」とリュカシオン。
「あ、ずるい!あたしも!」とユスヘルディナ。
「あたしも!」とマリアンナ。
リュカシオンとユスヘルディナとマリアンナはすぐに2階に自分のお金を取りに行った。
するとレオリアムとノアセルジオまで2階に行く。
「あらあら…じゃあ夜はピッツァね。トーマスさん、花ガニはこれからも捕れますか?」
アルシャインが聞くと、トーマスは頷く。
「秋と冬が旬だから捕れるさ。俺が捕れなくても買ってきてやるよ。1日どの位必要か書いといてくれ」
「はい!」
アルシャインは答えて焼き窯の中のピッツァを回転させた。
その3人が帰っていつものレンガ職人のロレッソと鍛冶屋のエイデンと家具屋のダンヒルが顔を出す。
「おはよう!」
とロレッソが挨拶するので、みんなで
「おはようございます!」と返した。
アルシャインは黒板に
花ガニとエビと虹色貝のピッツァ 30G
と書いてからショルダーバッグを手にする。
「じゃあ郵便局に行ってくるから……誰か一緒に行く?」
「ん~…大丈夫!」とマリアンナ。
みんなを見ても、注文と掃除と人形作りをしていて忙しそうだ。
「俺が行くよ」
そう言ってカシアンが穀物倉から出てきて、掛けておいた上着を着る。
「じゃあお願いね。すぐに戻ってくるから!」
「はーい!」
みんなの返事に微笑んでアルシャインはカシアンと共に街に出た。
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