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第一章 始まりの館
Chapter109 弟子入り
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みんなが教会に出掛けるのと、宿泊客が旅立つのが同時だった。
今日は元気になったベアトリスも初めて教会に行くのだ。
「気を付けて~!」
アルシャインはみんなに手を振って見送り、やってきた常連のロレッソとエイデンとダンヒルを迎え入れた。
「おはようございます!」
「おはよう!ミソの匂いがするって事は~…」
ロレッソが黒板を見てからカウンター下の小さな黒板を見る。
「お、肉と魚で来たか!んー…じゃあ角ウサギのミソ炒めとツナブリトーとコーヒーをくれ!」とロレッソ。
「俺はカランクスのミソ煮込みとフライドポテトとグリーンティーセット!」とエイデン。
「チャーシューとカランクスのテリヤキとライスコロッケとコーヒーをくれ」とダンヒル。
「はーい!」
アルシャインが元気に答えて料理する。
「昨日そこのスチークスの森、見てきたよ。中が見える場所があって、元気に遊んでるスチークスとユナが居たが…」
そうロレッソが言うと、アルシャインが笑って言う。
「あの子、テイマーとしてもう働いてるんですよ!凄いでしょ!」
「そうか、テイマーか…」
3人は微笑む。
ここの子供達は、自分の子供同然に見守っているので、アルシャインと同じように嬉しいのだ。
ふとダンヒルは階段の踊り場に置いてある揺りかごに気付いて立ち上がる。
「マスター、あの揺りかごを取ってきてもいいかい?」
「え?あ…ええ、どうぞ」
それはリュカシオンが毎晩磨いている揺りかごだ。
ダンヒルは揺りかごを取ってきて外に出て屋根の下に置き、じっくりと眺める。
「ダンヒルさん、カランクスのテリヤキ出来ましたよ!」
中から声を掛けると、ダンヒルは揺りかごを揺らしてため息をつく。
「ダンヒルさん…?」
「ああ、いや…」
ダンヒルは中に入って席に座る。
「あの…駄目なんですか?」
心配してアルシャインが聞くと、ダンヒルは苦笑いをして言う。
「いやいや、いい品だよ。いいんだが…良すぎるんだ」
「…え?」
「孤児院への寄付だと言ったのに、あれじゃ中級レベル向けだ。…いい腕になったな…」
そう言って微笑むダンヒルを見て、アルシャインとフィナアリスはホッとして笑う。
朝の混雑が過ぎようとする頃にみんなが帰ってきて慌てて手伝う。
「今日は混んでるね!」とマリアンナ。
「ミソが評判らしいのよ!匂いがしたって…」とフィナアリス。
「確かに、帰る途中でミソのいい匂いがしたもんな」
ルベルジュノーが笑って言い、会計を手伝う。
「マスター、俺の作った揺りかごが外に出てたけど…」
リュカシオンが言うと、ダンヒルが手招きをする。
「何ですか、親方」
「あれじゃ寄付は出来ねえ」
「えっ?!ど、何処が駄目なんですか?!すぐに作り直しますからーーー」
リュカシオンが慌てて言うと、ダンヒルがリュカシオンの肩をポンと叩く。
「俺が買い取る。そうだな…5百Gだ。俺の弟夫婦に赤ん坊が産まれるんだが…くれてやっていいか?〝弟子が作った物だ〟って言ってな」
そうダンヒルが笑って聞くと、リュカシオンは涙で目を潤ませながらも笑って答える。
「はい!もちろんです!」
「…今日からお前を〝弟子〟にしてやる!昼飯を食ったら行くぞ!」
「はい!」
答えてリュカシオンは慌てて2階に荷物を置きに行って、慌ただしく降りてきて言う。
「マスター!俺やっと弟子になれたよ!」
「ええ、おめでとう!ランチはパスタかピッツァ、どっちにする?」
「ピッツァ!俺手伝うよ!」
「ふふ…じゃあお皿を用意してね。それで、ここから通うの?それとも…」
そう聞くと、リュカシオンはダンヒルを見る。
「…お前はここの戦力だろ?ユナと同じように、午後にくればいいさ。マスター、何時に帰せばいい?」
ダンヒルが聞くと、アルシャインはピッツァを回して言う。
「そうですね~…この辺りは真っ暗になるし…せめて7時くらいかしら…」
「分かった。ランタンは持ち歩けよ。後は…小さいメモ用紙と鉛筆だな。エプロンや道具は用意してやる」
「はい!」
答えてリュカシオンはまた2階に上がる。
「ピッツァ冷めちゃうわよ~?」
「すぐ降りるよ!」
慌てるリュカシオンを見て、ユスヘルディナが笑う。
「分かる~。あたしもドッキドキだったもん!」
そう言ってユスヘルディナはピッツァを食べる。
「行ってきまーす!」
ユスヘルディナが先にスチークスの森に行く。
「行ってらっしゃい!気をつけてね!」
アルシャインは森が見える所まで見送って戻って来る。
すると揺りかごを手にしたダンヒルとカバンを背負ったリュカシオンが道に立っていた。
「じゃあマスター、こいつ借りてくよ」とダンヒル。
「はい、宜しくお願いします、ダンヒルさん。リオン、気を付けてね?ランタンはちゃんと持った?」
「大丈夫。行ってきます」
リュカシオンは笑って手を振り、ダンヒルと共に街に向かった。
そういえば、給金の話が無かったが…弟子として働く場合はどうなのだろうか?
〈…もしかして、作った物が売れたら成果報酬として貰うのかしら…?〉
ユスヘルディナはすでにテイマーとして働いているので給金を提案されたが、家具屋は家具が売れてこその仕事だ…。
リュカシオンとて分かっているだろう。
〈頑張れリオン!〉
心で声援を送ってから、アルシャインはアイアンアーチをくぐった。
するとベアトリスが駆けてきて抱き着く。
「アイシャママ!」
「はぁい?あらほっぺに泥が付いてる!」
「草むしりしてたの!」
ティナジゼルも駆けてきて抱き着く。
「まあ、ありがとう。さ、顔を洗いましょうね」
同じく草むしりをしていたクリストフとメルヒオールと共に井戸に行って水を汲む。
ふいに冷たい風が吹く。
もうすぐ10月だ。
「さ、風が出てきたから中に入るわよ~」
アルシャインは手を洗ってから、みんなと共に中に入る。
そして、自分の編み物カゴを手にしてロッキングチェアに座って編み物をする。
カウンター席に座って人形を作っていたマリアンナがアルシャインを見て聞く。
「何を編んでるの?」
「みんなのマフラーよ~。寒さから首と耳を守ってもらうの。コートも欲しいわね…ちょっと街に行きたいけどいいかしら?」
そう聞くと、フィナアリスがアルシャインのカバンを渡してくる。
「はい。マグネットと何かを見てくるんでしょう?」
「ええ…すぐに戻るわ!カシアンは…」
「はいはい…金庫持ってきましたよ」
そう言いカシアンはバックパックをパンパンと叩く。
「じゃあ、行ってくるわね!」
「行ってらっしゃーい!」
アルシャインは手を振って外に出て、荷車を押して門の外に出すとそのまま荷車を押して歩き出した。
すると馬を出したカシアンが慌てて追い掛けてくる。
「一人で押して歩かない!」
「だって早くしないと!」
そう焦るアルシャインの肩を掴んで止めさせると、カシアンは手早く馬を入れて横木を着ける。
「ほら乗って。飛ばすぞ!」
「はーい!」
アルシャインは笑って答えて荷車の中に座った。
今日は元気になったベアトリスも初めて教会に行くのだ。
「気を付けて~!」
アルシャインはみんなに手を振って見送り、やってきた常連のロレッソとエイデンとダンヒルを迎え入れた。
「おはようございます!」
「おはよう!ミソの匂いがするって事は~…」
ロレッソが黒板を見てからカウンター下の小さな黒板を見る。
「お、肉と魚で来たか!んー…じゃあ角ウサギのミソ炒めとツナブリトーとコーヒーをくれ!」とロレッソ。
「俺はカランクスのミソ煮込みとフライドポテトとグリーンティーセット!」とエイデン。
「チャーシューとカランクスのテリヤキとライスコロッケとコーヒーをくれ」とダンヒル。
「はーい!」
アルシャインが元気に答えて料理する。
「昨日そこのスチークスの森、見てきたよ。中が見える場所があって、元気に遊んでるスチークスとユナが居たが…」
そうロレッソが言うと、アルシャインが笑って言う。
「あの子、テイマーとしてもう働いてるんですよ!凄いでしょ!」
「そうか、テイマーか…」
3人は微笑む。
ここの子供達は、自分の子供同然に見守っているので、アルシャインと同じように嬉しいのだ。
ふとダンヒルは階段の踊り場に置いてある揺りかごに気付いて立ち上がる。
「マスター、あの揺りかごを取ってきてもいいかい?」
「え?あ…ええ、どうぞ」
それはリュカシオンが毎晩磨いている揺りかごだ。
ダンヒルは揺りかごを取ってきて外に出て屋根の下に置き、じっくりと眺める。
「ダンヒルさん、カランクスのテリヤキ出来ましたよ!」
中から声を掛けると、ダンヒルは揺りかごを揺らしてため息をつく。
「ダンヒルさん…?」
「ああ、いや…」
ダンヒルは中に入って席に座る。
「あの…駄目なんですか?」
心配してアルシャインが聞くと、ダンヒルは苦笑いをして言う。
「いやいや、いい品だよ。いいんだが…良すぎるんだ」
「…え?」
「孤児院への寄付だと言ったのに、あれじゃ中級レベル向けだ。…いい腕になったな…」
そう言って微笑むダンヒルを見て、アルシャインとフィナアリスはホッとして笑う。
朝の混雑が過ぎようとする頃にみんなが帰ってきて慌てて手伝う。
「今日は混んでるね!」とマリアンナ。
「ミソが評判らしいのよ!匂いがしたって…」とフィナアリス。
「確かに、帰る途中でミソのいい匂いがしたもんな」
ルベルジュノーが笑って言い、会計を手伝う。
「マスター、俺の作った揺りかごが外に出てたけど…」
リュカシオンが言うと、ダンヒルが手招きをする。
「何ですか、親方」
「あれじゃ寄付は出来ねえ」
「えっ?!ど、何処が駄目なんですか?!すぐに作り直しますからーーー」
リュカシオンが慌てて言うと、ダンヒルがリュカシオンの肩をポンと叩く。
「俺が買い取る。そうだな…5百Gだ。俺の弟夫婦に赤ん坊が産まれるんだが…くれてやっていいか?〝弟子が作った物だ〟って言ってな」
そうダンヒルが笑って聞くと、リュカシオンは涙で目を潤ませながらも笑って答える。
「はい!もちろんです!」
「…今日からお前を〝弟子〟にしてやる!昼飯を食ったら行くぞ!」
「はい!」
答えてリュカシオンは慌てて2階に荷物を置きに行って、慌ただしく降りてきて言う。
「マスター!俺やっと弟子になれたよ!」
「ええ、おめでとう!ランチはパスタかピッツァ、どっちにする?」
「ピッツァ!俺手伝うよ!」
「ふふ…じゃあお皿を用意してね。それで、ここから通うの?それとも…」
そう聞くと、リュカシオンはダンヒルを見る。
「…お前はここの戦力だろ?ユナと同じように、午後にくればいいさ。マスター、何時に帰せばいい?」
ダンヒルが聞くと、アルシャインはピッツァを回して言う。
「そうですね~…この辺りは真っ暗になるし…せめて7時くらいかしら…」
「分かった。ランタンは持ち歩けよ。後は…小さいメモ用紙と鉛筆だな。エプロンや道具は用意してやる」
「はい!」
答えてリュカシオンはまた2階に上がる。
「ピッツァ冷めちゃうわよ~?」
「すぐ降りるよ!」
慌てるリュカシオンを見て、ユスヘルディナが笑う。
「分かる~。あたしもドッキドキだったもん!」
そう言ってユスヘルディナはピッツァを食べる。
「行ってきまーす!」
ユスヘルディナが先にスチークスの森に行く。
「行ってらっしゃい!気をつけてね!」
アルシャインは森が見える所まで見送って戻って来る。
すると揺りかごを手にしたダンヒルとカバンを背負ったリュカシオンが道に立っていた。
「じゃあマスター、こいつ借りてくよ」とダンヒル。
「はい、宜しくお願いします、ダンヒルさん。リオン、気を付けてね?ランタンはちゃんと持った?」
「大丈夫。行ってきます」
リュカシオンは笑って手を振り、ダンヒルと共に街に向かった。
そういえば、給金の話が無かったが…弟子として働く場合はどうなのだろうか?
〈…もしかして、作った物が売れたら成果報酬として貰うのかしら…?〉
ユスヘルディナはすでにテイマーとして働いているので給金を提案されたが、家具屋は家具が売れてこその仕事だ…。
リュカシオンとて分かっているだろう。
〈頑張れリオン!〉
心で声援を送ってから、アルシャインはアイアンアーチをくぐった。
するとベアトリスが駆けてきて抱き着く。
「アイシャママ!」
「はぁい?あらほっぺに泥が付いてる!」
「草むしりしてたの!」
ティナジゼルも駆けてきて抱き着く。
「まあ、ありがとう。さ、顔を洗いましょうね」
同じく草むしりをしていたクリストフとメルヒオールと共に井戸に行って水を汲む。
ふいに冷たい風が吹く。
もうすぐ10月だ。
「さ、風が出てきたから中に入るわよ~」
アルシャインは手を洗ってから、みんなと共に中に入る。
そして、自分の編み物カゴを手にしてロッキングチェアに座って編み物をする。
カウンター席に座って人形を作っていたマリアンナがアルシャインを見て聞く。
「何を編んでるの?」
「みんなのマフラーよ~。寒さから首と耳を守ってもらうの。コートも欲しいわね…ちょっと街に行きたいけどいいかしら?」
そう聞くと、フィナアリスがアルシャインのカバンを渡してくる。
「はい。マグネットと何かを見てくるんでしょう?」
「ええ…すぐに戻るわ!カシアンは…」
「はいはい…金庫持ってきましたよ」
そう言いカシアンはバックパックをパンパンと叩く。
「じゃあ、行ってくるわね!」
「行ってらっしゃーい!」
アルシャインは手を振って外に出て、荷車を押して門の外に出すとそのまま荷車を押して歩き出した。
すると馬を出したカシアンが慌てて追い掛けてくる。
「一人で押して歩かない!」
「だって早くしないと!」
そう焦るアルシャインの肩を掴んで止めさせると、カシアンは手早く馬を入れて横木を着ける。
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