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第一章 始まりの館
Chapter80 明日に向けて
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ランチの喧騒が落ち着いたので、明日の為の荷造りをする。
「小麦粉と豆と~…石うすと…お土産も全部飾りたいし、今の内にまとめようかな…」
「アイシャママ~?お土産売れるんだから取らないでねー?」
マリアンナが手動球断器で飴を作りながら言う。
「これ便利よね!すごく丸くてキレイだし!」
隣で木製の手動球断器で団子を作りながらアルベルティーナが笑って言う。
「明日は大活躍しそうだよね!」
そうマリアンナが言うと、ルーベンスが緑マンジュウを作りながら言う。
「良し、この形がいいと思う。…どうかな、アンナ、ティーナ」
そう聞くと2人は笑って頷いた。
大きく丸い手のひらサイズのマンジュウだ。
「これで40Gか…貴族には安くないか?」
カシアンが言うと、アルシャインが見に来る。
「ん~……そっかー、貴族のチャリティーだもんなー…じゃあ50にしとく?これだけ大きなケーキでもその位だし…」
「野菜マンジュウはどうする?」
ルーベンスが聞く。
「…そっちは野菜たっぷりだし…テリーヌみたいな感じだと考えても…やっぱり50かな~…」
アルシャインが悩みながら言うと、小さい黒板を磨いていたルベルジュノーが笑う。
「アイシャは適当だな~」
「あら、ちゃんと考えてるわよー!」
「はいはい。マンジュウは50、と」
明日はバザーで小さい黒板を使うのでそう書いて穀物倉に置いて、ルーベンスが試し蒸しをした緑マンジュウを貰って食べる。
「んー、デカくていいな!」
「ショウユとかもまとめたし、準備は出来たよ!」
クリストフが言い、ノアセルジオと共に穀物倉から出て来て緑マンジュウをつまむ。
みんなで緑マンジュウをおやつに食べて、勉強やレース編みをした。
途中で旅人の宿泊を断ったり、保存食を売ってあげたりしながら、仕込みに入る。
「明日はいよいよバザーだな!」
ディナーに来た野菜農家のキースが言う。
明日の為の野菜を届けてくれたのだ。
「明日は、キャンディの新しい味も出すの!」
今まで試行錯誤していたアルベルティーナが言う。
「へえー、今日は売ってるかい?」
「…どうしよ…」
アルベルティーナはチラッとアルシャインを見る。
するとアルシャインは笑顔で頷いて言う。
「はちみつレモン味とグリーンティー味よ!アルベルティーナが配合を考えたんだから!」
「へー!2つ共欲しいな!」
「…一つずつだけなら…」
そう言い、10個ずつ袋に入れて、料金を貰って渡す。
するとちょうど茶葉を届けに来ていたミルコもグリーンティー飴を買って食べてみる。
「ん!美味いよ!」とキース。
「これはいい!ウチの故郷にある飴と似た味だよ!」
ミルコもそう言って笑ったので、アルベルティーナは嬉しそうにする。
ディナーのお客さんも数人なので、アルシャインはピアノを弾いて言葉遊びをした。
「大地の中からこんにちは~、僕はアリ、君は誰~?」
「スチークス!」とメルヒオール。
「やあスチークスくん、僕のお母さんがニンジンを欲しがってるんだ。誰が売ってるかな~?」
「ウサギ!きっとニンジンいっぱい持ってるよ」とクリストフ。
「アリさんがニンジンを買いに行くと、お友達に会ったよ♪やあ久し振り!」
「久し振り~!」とルベルジュノー。
「君は…えーと…大きくて顔が見れないなー」
「ヤギだよ~」とユスヘルディナ。
「ヤギさんか~!君は何を買いに行くの~?」
「毛糸だよ」とレオリアム。
「毛糸は誰が売ってくれるかな~?」
「多分ミュージかなー?」とティナジゼル。
「じゃあ一緒に買いに行こう♪」
そう歌った所で、お客さんがお土産を買って帰ったので、そこで終わりにしてスチークスの様子を見てから門とドアの鍵を閉めた。
「ねえアイシャママ…あのね、ここ…」
フィナアリスがレース編みを手にアルシャインに近寄る。
「あ…大丈夫よ、こうして…ね!」
少し塊になった所をほぐすと、フィナアリスは笑顔でまたレース編みに励む。
みんな、明日のお土産を頑張って仕上げていた。
「よーし、私も仕上げるぞー!」
そう言いアルシャインもテーブルクロスを取り出して仕上げに入った。
「小麦粉と豆と~…石うすと…お土産も全部飾りたいし、今の内にまとめようかな…」
「アイシャママ~?お土産売れるんだから取らないでねー?」
マリアンナが手動球断器で飴を作りながら言う。
「これ便利よね!すごく丸くてキレイだし!」
隣で木製の手動球断器で団子を作りながらアルベルティーナが笑って言う。
「明日は大活躍しそうだよね!」
そうマリアンナが言うと、ルーベンスが緑マンジュウを作りながら言う。
「良し、この形がいいと思う。…どうかな、アンナ、ティーナ」
そう聞くと2人は笑って頷いた。
大きく丸い手のひらサイズのマンジュウだ。
「これで40Gか…貴族には安くないか?」
カシアンが言うと、アルシャインが見に来る。
「ん~……そっかー、貴族のチャリティーだもんなー…じゃあ50にしとく?これだけ大きなケーキでもその位だし…」
「野菜マンジュウはどうする?」
ルーベンスが聞く。
「…そっちは野菜たっぷりだし…テリーヌみたいな感じだと考えても…やっぱり50かな~…」
アルシャインが悩みながら言うと、小さい黒板を磨いていたルベルジュノーが笑う。
「アイシャは適当だな~」
「あら、ちゃんと考えてるわよー!」
「はいはい。マンジュウは50、と」
明日はバザーで小さい黒板を使うのでそう書いて穀物倉に置いて、ルーベンスが試し蒸しをした緑マンジュウを貰って食べる。
「んー、デカくていいな!」
「ショウユとかもまとめたし、準備は出来たよ!」
クリストフが言い、ノアセルジオと共に穀物倉から出て来て緑マンジュウをつまむ。
みんなで緑マンジュウをおやつに食べて、勉強やレース編みをした。
途中で旅人の宿泊を断ったり、保存食を売ってあげたりしながら、仕込みに入る。
「明日はいよいよバザーだな!」
ディナーに来た野菜農家のキースが言う。
明日の為の野菜を届けてくれたのだ。
「明日は、キャンディの新しい味も出すの!」
今まで試行錯誤していたアルベルティーナが言う。
「へえー、今日は売ってるかい?」
「…どうしよ…」
アルベルティーナはチラッとアルシャインを見る。
するとアルシャインは笑顔で頷いて言う。
「はちみつレモン味とグリーンティー味よ!アルベルティーナが配合を考えたんだから!」
「へー!2つ共欲しいな!」
「…一つずつだけなら…」
そう言い、10個ずつ袋に入れて、料金を貰って渡す。
するとちょうど茶葉を届けに来ていたミルコもグリーンティー飴を買って食べてみる。
「ん!美味いよ!」とキース。
「これはいい!ウチの故郷にある飴と似た味だよ!」
ミルコもそう言って笑ったので、アルベルティーナは嬉しそうにする。
ディナーのお客さんも数人なので、アルシャインはピアノを弾いて言葉遊びをした。
「大地の中からこんにちは~、僕はアリ、君は誰~?」
「スチークス!」とメルヒオール。
「やあスチークスくん、僕のお母さんがニンジンを欲しがってるんだ。誰が売ってるかな~?」
「ウサギ!きっとニンジンいっぱい持ってるよ」とクリストフ。
「アリさんがニンジンを買いに行くと、お友達に会ったよ♪やあ久し振り!」
「久し振り~!」とルベルジュノー。
「君は…えーと…大きくて顔が見れないなー」
「ヤギだよ~」とユスヘルディナ。
「ヤギさんか~!君は何を買いに行くの~?」
「毛糸だよ」とレオリアム。
「毛糸は誰が売ってくれるかな~?」
「多分ミュージかなー?」とティナジゼル。
「じゃあ一緒に買いに行こう♪」
そう歌った所で、お客さんがお土産を買って帰ったので、そこで終わりにしてスチークスの様子を見てから門とドアの鍵を閉めた。
「ねえアイシャママ…あのね、ここ…」
フィナアリスがレース編みを手にアルシャインに近寄る。
「あ…大丈夫よ、こうして…ね!」
少し塊になった所をほぐすと、フィナアリスは笑顔でまたレース編みに励む。
みんな、明日のお土産を頑張って仕上げていた。
「よーし、私も仕上げるぞー!」
そう言いアルシャインもテーブルクロスを取り出して仕上げに入った。
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