80 / 123
第一章 始まりの館
Chapter78 黒アナグマ
しおりを挟む
ちょっと涼しくなった大地の日。
アルシャインは朝早くに手紙に封蝋印を押してから、花の手入れをする。
するとマリアンナとリナメイシーとユスヘルディナがスチークスのお散歩をさせていた。
ノアセルジオとリュカシオンとカシアンは狩りに行き、ルーベンスとクリストフが近くの川に網漁を試しに行った。
ルベルジュノーととアルベルティーナがミュージの世話、レオリアムとメルヒオールとティナジゼルがニワトリ小屋へ。
フィナアリスは早くに仕込みをしていた。
アルシャインが見守っていると、ユスヘルディナがガゼボの外で黄色い魔石を割る。
「パフィーラ!ってアレ使いたい!」
ユスヘルディナが言い、リナメイシーとマリアンナが頷く。
「分かる~!魔法使いたいよね!」とリナメイシー。
「…「絶対防壁なら、シスターも習う魔法じゃないかしら?寺院なんかには大切な品物を保存するから」
「ホント?!アイシャママは?」
「私はね~…確か習ったと思うんだけど、神聖力って魔力と同じなのよね~…」
つまり使えないという事だ。
「…お医者さんに行けば治る?」
心配してマリアンナが聞く。
「ん~…分かんない。でも大丈夫よ。バザーの日に時間があったらシスターに聞いてみましょう」
そう笑って言い、3人と共に中に入る。
すると狩りからカシアンとノアセルジオとリュカシオンが帰ってきた。
荷車には角キツネよりも良質な肉の巨大な黒アナグマが乗っていた。
「え…モンスターなのよね?」
アルシャインが聞くと、カシアンが言う。
「そこの森の外れに居たんだよ。あっちの山にしかいない筈なのに、何かあったのかもな。…こいつは雑食で何でも食うからスチークスも危ないだろ?」
「ええ…角キツネは?」
「今日は3匹。角ウサギは一匹、裏に持ってったよ」とリュカシオン。
「捌くのに手間が掛かるから、畑の側でやってくる」
そう言ってカシアンとノアセルジオが向かいの畑の方に捌きに行った。
「そういえば、いつも食べてるのって、モンスターのお肉なのよね」
フィナアリスが気付いたように言う。
「この辺りは角キツネやアカシカや角ウサギが大量に発生するからね~…逆に飼育されてる牛や羊は高いから食べないのよね…」
「牛って幾らだろう…」
ルーベンスが呟く。
脂も乗ってて美味しいと噂だ。
「幾らかしら…バザーの時にマスターグレアムに聞きましょうね」
そう言ってアルシャインは仕込みを始める。
みんなも仕込みをする。
そこにルーベンスとクリストフがバケツ一杯に10センチ程の小魚を持って帰ってきた。
「あら、いっぱい捕れたのね!」
「こんなのも取れたよ!」
そう言ってルーベンスが20センチ程の立派なニジマスを見せた。
「わあ大きいわね!ムニエルにしましょうか!」
「3匹居たよ、みんなで分けよう」
そう言ってルーベンスは魚を洗いに行く。
洗った魚は早速調理した。
今日の朝食は黒アナグマのコトレットサンドイッチだ。
どんな味が確かめるのに揚げるのがいいかと思ってそうしてみた。
スープは豆と小魚と黒アナグマの余った肉や硬いスジや脚の肉を使った。
そして3匹のニジマスのムニエルを切り分けた。
「魚って美味いんだな」とカシアン。
「もっと臭いかと思ったけど美味しいよ!」とメルヒオール。
「明日はあの川で釣りしようっと」とルベルジュノー。
「いいね、大きな魚が居そうだし」とレオリアム。
「黒アナグマって美味しい~!」
みんなが言う。
「この肉はステーキとコトレットで、早い者勝ちだろうな~…中々獲れないものね~」
そうアルシャインが言う。
「…これはプラス50…いや!80Gで行こう!その価値はある!」
真面目にカシアンが言い、ノアセルジオも頷いた。
「とても獰猛だったから狩るのに苦労したし、捌くのも苦労したから、妥当な値段だと思うよ」
「…売れるかしら?」
アルシャインが心配そうに言うと、リナメイシーが笑って言う。
「売れなかったらあたし達のランチとディナーになって嬉しいわ!」
「そう?ならいいわ。この後、街に出るから…誰か来る?」
「あたし行きたいな、街の露店に飴屋さんがあるから見てみたい」
アルベルティーナが言うと、マリアンナも頷く。
「なんかすごく伸ばして作ってたの見た事あるの!あれ出来ないかな…」
「じゃあティーナとアンヌね。明日の材料も確認してから出るから…ナリス、任せられるかしら?」
「ええ、大丈夫!」
フィナアリスが笑って答える。
「護衛はカシアンね。何か買うだろうから」
「分かった」
カシアンがスープを飲みながら答えた。
アルシャインは朝早くに手紙に封蝋印を押してから、花の手入れをする。
するとマリアンナとリナメイシーとユスヘルディナがスチークスのお散歩をさせていた。
ノアセルジオとリュカシオンとカシアンは狩りに行き、ルーベンスとクリストフが近くの川に網漁を試しに行った。
ルベルジュノーととアルベルティーナがミュージの世話、レオリアムとメルヒオールとティナジゼルがニワトリ小屋へ。
フィナアリスは早くに仕込みをしていた。
アルシャインが見守っていると、ユスヘルディナがガゼボの外で黄色い魔石を割る。
「パフィーラ!ってアレ使いたい!」
ユスヘルディナが言い、リナメイシーとマリアンナが頷く。
「分かる~!魔法使いたいよね!」とリナメイシー。
「…「絶対防壁なら、シスターも習う魔法じゃないかしら?寺院なんかには大切な品物を保存するから」
「ホント?!アイシャママは?」
「私はね~…確か習ったと思うんだけど、神聖力って魔力と同じなのよね~…」
つまり使えないという事だ。
「…お医者さんに行けば治る?」
心配してマリアンナが聞く。
「ん~…分かんない。でも大丈夫よ。バザーの日に時間があったらシスターに聞いてみましょう」
そう笑って言い、3人と共に中に入る。
すると狩りからカシアンとノアセルジオとリュカシオンが帰ってきた。
荷車には角キツネよりも良質な肉の巨大な黒アナグマが乗っていた。
「え…モンスターなのよね?」
アルシャインが聞くと、カシアンが言う。
「そこの森の外れに居たんだよ。あっちの山にしかいない筈なのに、何かあったのかもな。…こいつは雑食で何でも食うからスチークスも危ないだろ?」
「ええ…角キツネは?」
「今日は3匹。角ウサギは一匹、裏に持ってったよ」とリュカシオン。
「捌くのに手間が掛かるから、畑の側でやってくる」
そう言ってカシアンとノアセルジオが向かいの畑の方に捌きに行った。
「そういえば、いつも食べてるのって、モンスターのお肉なのよね」
フィナアリスが気付いたように言う。
「この辺りは角キツネやアカシカや角ウサギが大量に発生するからね~…逆に飼育されてる牛や羊は高いから食べないのよね…」
「牛って幾らだろう…」
ルーベンスが呟く。
脂も乗ってて美味しいと噂だ。
「幾らかしら…バザーの時にマスターグレアムに聞きましょうね」
そう言ってアルシャインは仕込みを始める。
みんなも仕込みをする。
そこにルーベンスとクリストフがバケツ一杯に10センチ程の小魚を持って帰ってきた。
「あら、いっぱい捕れたのね!」
「こんなのも取れたよ!」
そう言ってルーベンスが20センチ程の立派なニジマスを見せた。
「わあ大きいわね!ムニエルにしましょうか!」
「3匹居たよ、みんなで分けよう」
そう言ってルーベンスは魚を洗いに行く。
洗った魚は早速調理した。
今日の朝食は黒アナグマのコトレットサンドイッチだ。
どんな味が確かめるのに揚げるのがいいかと思ってそうしてみた。
スープは豆と小魚と黒アナグマの余った肉や硬いスジや脚の肉を使った。
そして3匹のニジマスのムニエルを切り分けた。
「魚って美味いんだな」とカシアン。
「もっと臭いかと思ったけど美味しいよ!」とメルヒオール。
「明日はあの川で釣りしようっと」とルベルジュノー。
「いいね、大きな魚が居そうだし」とレオリアム。
「黒アナグマって美味しい~!」
みんなが言う。
「この肉はステーキとコトレットで、早い者勝ちだろうな~…中々獲れないものね~」
そうアルシャインが言う。
「…これはプラス50…いや!80Gで行こう!その価値はある!」
真面目にカシアンが言い、ノアセルジオも頷いた。
「とても獰猛だったから狩るのに苦労したし、捌くのも苦労したから、妥当な値段だと思うよ」
「…売れるかしら?」
アルシャインが心配そうに言うと、リナメイシーが笑って言う。
「売れなかったらあたし達のランチとディナーになって嬉しいわ!」
「そう?ならいいわ。この後、街に出るから…誰か来る?」
「あたし行きたいな、街の露店に飴屋さんがあるから見てみたい」
アルベルティーナが言うと、マリアンナも頷く。
「なんかすごく伸ばして作ってたの見た事あるの!あれ出来ないかな…」
「じゃあティーナとアンヌね。明日の材料も確認してから出るから…ナリス、任せられるかしら?」
「ええ、大丈夫!」
フィナアリスが笑って答える。
「護衛はカシアンね。何か買うだろうから」
「分かった」
カシアンがスープを飲みながら答えた。
32
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。



我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★

だってお義姉様が
砂月ちゃん
恋愛
『だってお義姉様が…… 』『いつもお屋敷でお義姉様にいじめられているの!』と言って、高位貴族令息達に助けを求めて来た可憐な伯爵令嬢。
ところが正義感あふれる彼らが、その意地悪な義姉に会いに行ってみると……
他サイトでも掲載中。



ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる