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第一章 始まりの館
Chapter60 お花の回復
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昼前にアルシャインは目を覚ました。
「ん…」
起きると目の前の噴水にみんながいた。
「みんな…」
起き上がろうとすると、貧血を起こして突っ伏した。
するとみんなが駆け寄ってくる。
「アイシャママ!」
「アイシャ!」
「大丈夫よ~…ちょっとお腹が減ってるだけだから…」
そう言って起き上がり、馬車から降りる。
すると、マスターグレアムがいた。
「あ……」
アルシャインはチラリとみんなを見る。
みんなは笑って頷いた。
「もう嫌がらせは解決したと聞きました。…あなたは強い人ですね」
グレアムが苦笑して言う。
「ライバル店と仲良くするって話したの」とフィナアリス。
「そう…ええ、そうよ。そうだ、お昼は何処かで食べる?」
そう聞くと、みんなが屋台を指差した。
「あそこに何軒か屋台があるんだ!」とメルヒオール。
「あの串焼き食べてみたい!」とクリストフ。
「あっちにサンドイッチがあるの!」とユスヘルディナ。
「色々あるのね、行きましょう!お腹ペコペコだわ~」
アルシャインはメルヒオールとティナジゼルと手を繋いで走った。
串焼きやサンドイッチやグループを買って食べてから、金の羊亭に帰る。
馬車の中、みんなで歌を歌った。
「オウリア~、オウリア~、白き花~、みどりの泉~♪オウリア~、オウリア~、蒼い空と~碧の海よ~♪」
金の羊亭に戻ってすぐに、アルシャインはジョウロに聖水を入れて花壇に水をやる。
「これお願いね」
そう言ってフィナアリスに渡しておいて、もう一つのジョウロにも聖水を入れて、リュカシオンに渡した。
水やりが終わってから、アルシャインは胸の前で手を組んで唱える。
「回復!」
すると花壇がポウッと光り、見る間に花が治った。
「すごーい!」とみんな。
「ふふ…さ、お手入れしてあげよ♪」
アルシャインは嬉しそうに花の手入れをする。
それをティナジゼルとユスヘルディナが手伝った。
他のみんなが家の中に入る。
と、リナメイシーが折れたハーブに手をかざして言う。
「回復!」
すると、手からポウッと光が出てハーブが治った。
「やった出来たよアイシャママ!」
リナメイシーが喜んで言うと、アルシャインは驚く。
「すごいじゃないリーナ!」
「教会でシスターに習って練習してたの!どのくらい出来たらシスターになれるかな?!」
「そうね~…聖水無しで回復が出来て…傷も治せたら、かな?」
「頑張る!」
リナメイシーは笑って言った。
午後はみんなでピアノを弾いた。
「そうそう、こうして~」
アルシャインが教えて、みんなが交代で弾いてみる。
その間にレオリアムとルベルジュノーが一階の掃除をして、リュカシオンが2階の廊下などを掃除する。
そしてカシアンがトイレ掃除をした。
どうやら嫌な噂は消えたらしく、何人かの人が中に入りたそうにしている。
「アイシャママ…ディナーだけでもやらない?」
フィナアリスが外を見て言う。
「ん~…でも材料を用意して無いのよね~!」
言いながらアルシャインは冷蔵庫の中を見る。
「そうね~…トマトパスタとボロネーゼと…フォカッチャとスープくらいしか無いわ~!お肉は燻製器の中とミンチにしちゃってるわ~」
そう言うと、ルベルジュノーが小さな黒板に〝スープとパンとパスタで20Gで良ければ開店〟と書いてアルシャインに見せた。
ルベルジュノーが外に見せに行くと、続々と人が入ってくる。
「良かったー、今日は駄目かと思ってたんだ!」
「ラッキーだな!水を頼むよ」
そう言い座るお客さん達に、ティナジゼルとクリストフとメルヒオールが水を出した。
「今から作るから時間が掛かるわよ~?」
アルシャインが聞くと、お客さんは読書をしたりお土産を見たりする。
「大丈夫さ、美味いディナーの為なら待てるよ!」
一人が言い、数人が頷いた。
スープに肉を入れて温め、フォカッチャを焼いてボロネーゼパスタを作る。
出来た順にお客さんに出した。
「コロコロドーナツも焼けたよー!」
焼けたコロコロドーナツをカゴに入れて周ると、みんなが買ってくれた。
「あの噂、街の宿屋が流してたらしいけど、すぐに良い噂を流してたよ。変な連中だね!」
常連のコルマンが言う。
「そうなのー、ふふふ」
アルシャインは笑って料理を作った。
これで、向こうのレストランや宿屋も繁盛すれば、街に活気が生まれる。
その方が双方にとって、いい事が起こるだろう。
そう思いながら、アルシャインはミートパイも作って出していた。
「ん…」
起きると目の前の噴水にみんながいた。
「みんな…」
起き上がろうとすると、貧血を起こして突っ伏した。
するとみんなが駆け寄ってくる。
「アイシャママ!」
「アイシャ!」
「大丈夫よ~…ちょっとお腹が減ってるだけだから…」
そう言って起き上がり、馬車から降りる。
すると、マスターグレアムがいた。
「あ……」
アルシャインはチラリとみんなを見る。
みんなは笑って頷いた。
「もう嫌がらせは解決したと聞きました。…あなたは強い人ですね」
グレアムが苦笑して言う。
「ライバル店と仲良くするって話したの」とフィナアリス。
「そう…ええ、そうよ。そうだ、お昼は何処かで食べる?」
そう聞くと、みんなが屋台を指差した。
「あそこに何軒か屋台があるんだ!」とメルヒオール。
「あの串焼き食べてみたい!」とクリストフ。
「あっちにサンドイッチがあるの!」とユスヘルディナ。
「色々あるのね、行きましょう!お腹ペコペコだわ~」
アルシャインはメルヒオールとティナジゼルと手を繋いで走った。
串焼きやサンドイッチやグループを買って食べてから、金の羊亭に帰る。
馬車の中、みんなで歌を歌った。
「オウリア~、オウリア~、白き花~、みどりの泉~♪オウリア~、オウリア~、蒼い空と~碧の海よ~♪」
金の羊亭に戻ってすぐに、アルシャインはジョウロに聖水を入れて花壇に水をやる。
「これお願いね」
そう言ってフィナアリスに渡しておいて、もう一つのジョウロにも聖水を入れて、リュカシオンに渡した。
水やりが終わってから、アルシャインは胸の前で手を組んで唱える。
「回復!」
すると花壇がポウッと光り、見る間に花が治った。
「すごーい!」とみんな。
「ふふ…さ、お手入れしてあげよ♪」
アルシャインは嬉しそうに花の手入れをする。
それをティナジゼルとユスヘルディナが手伝った。
他のみんなが家の中に入る。
と、リナメイシーが折れたハーブに手をかざして言う。
「回復!」
すると、手からポウッと光が出てハーブが治った。
「やった出来たよアイシャママ!」
リナメイシーが喜んで言うと、アルシャインは驚く。
「すごいじゃないリーナ!」
「教会でシスターに習って練習してたの!どのくらい出来たらシスターになれるかな?!」
「そうね~…聖水無しで回復が出来て…傷も治せたら、かな?」
「頑張る!」
リナメイシーは笑って言った。
午後はみんなでピアノを弾いた。
「そうそう、こうして~」
アルシャインが教えて、みんなが交代で弾いてみる。
その間にレオリアムとルベルジュノーが一階の掃除をして、リュカシオンが2階の廊下などを掃除する。
そしてカシアンがトイレ掃除をした。
どうやら嫌な噂は消えたらしく、何人かの人が中に入りたそうにしている。
「アイシャママ…ディナーだけでもやらない?」
フィナアリスが外を見て言う。
「ん~…でも材料を用意して無いのよね~!」
言いながらアルシャインは冷蔵庫の中を見る。
「そうね~…トマトパスタとボロネーゼと…フォカッチャとスープくらいしか無いわ~!お肉は燻製器の中とミンチにしちゃってるわ~」
そう言うと、ルベルジュノーが小さな黒板に〝スープとパンとパスタで20Gで良ければ開店〟と書いてアルシャインに見せた。
ルベルジュノーが外に見せに行くと、続々と人が入ってくる。
「良かったー、今日は駄目かと思ってたんだ!」
「ラッキーだな!水を頼むよ」
そう言い座るお客さん達に、ティナジゼルとクリストフとメルヒオールが水を出した。
「今から作るから時間が掛かるわよ~?」
アルシャインが聞くと、お客さんは読書をしたりお土産を見たりする。
「大丈夫さ、美味いディナーの為なら待てるよ!」
一人が言い、数人が頷いた。
スープに肉を入れて温め、フォカッチャを焼いてボロネーゼパスタを作る。
出来た順にお客さんに出した。
「コロコロドーナツも焼けたよー!」
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「あの噂、街の宿屋が流してたらしいけど、すぐに良い噂を流してたよ。変な連中だね!」
常連のコルマンが言う。
「そうなのー、ふふふ」
アルシャインは笑って料理を作った。
これで、向こうのレストランや宿屋も繁盛すれば、街に活気が生まれる。
その方が双方にとって、いい事が起こるだろう。
そう思いながら、アルシャインはミートパイも作って出していた。
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