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第一章 始まりの館
Chapter37 盗人
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仕込みはもうやったのでアルシャインは宿泊部屋の飾り付けに回った。
ウィステリアも角キツネの敷物を椅子に掛けて、壁掛けランプの彫刻はフクロウにした。
ウィステリアの鉢植えには紫と白のパンジー。
布団は混合で、壁には紫っぽいリースを2つ飾り、スワッグも飾って完成した。
その次のアイスグリーンの部屋には同じように壁にスワッグとリースを飾り、窓にドリームキャッチャーを付けた。
布団は綿で柔らかく。
アイスグリーンの植木鉢にシダ植物を植えて、アイスグリーンの燭台を置く。
壁掛けランプの彫刻はキツネ。
テーブルの上の飾りに、見付けてきたチェス盤とポーンのコマの置物を置いて完成だ。
次の薄い赤紫色の部屋の布団は混合にした。
角ウサギの皮の敷物を敷いて、リラ色の植木鉢にカンパニュラを植えて、リラ色の燭台も置く。
フラミンゴの羽を壁に飾り、スワッグとリースも飾る。
テーブルの上にはチェスのコマのルークを置いた。
壁掛けランプの彫刻はオウムにした。
「これで東側は完成ね!」
アルシャインが戻って来るとちょうどお客さんが入って来たので料理をする。
「アイシャママ、部屋は番号を付けたらどうかしら?」
リナメイシーが言うと、アルシャインは目を見張って驚いてから笑って言う。
「それはいいわね!白から1号室でいいかしら?」
「水色が2号室だね」とルベルジュノー。
「クリームが3号室!」とメルヒオール。
アルシャインは鍵の木札にそう書いていく。
「そうだわ…エイデンさん!焼きごてを頼めないかしら?」
「もしかしてあの、何か分からない看板を変えるのかい?」
「あれはベッドと文字よ!金の羊亭って書いて、ベッドを…」
言い掛けるとエイデンが言う。
「それなら羊がいる方が分かりやすいだろう!」
「…そう?」
アルシャインが聞くと、フィナアリスとアルベルティーナとマリアンナが頷いた。
「羊と文字か…打ってみよう。看板と焼きごてな、良し!」
言いながらエイデンは立ち上がって早速仕事をしに行った。
「え、値段聞いてないのに…!」
「だからボランティアだろ。マスターいい加減慣れろよ」
ロレッソが言う。
午後には行商人の一団が泊まりに来た。
続いて旅人も入り部屋は満室となる。
行商人は珍しい物を売っていたので、色々と買ってしまった。
可愛い小物入れや色とりどりの毛布を数枚、可愛いケープや長靴、ワラの長靴…。
毛布は自分達用に部屋に一枚買った。
小物入れも一部屋に一つしか無かった。
「…可愛いから一人一つ欲しいわよね…」
「いいよアイシャママ、気持ちだけで」
そうマリアンナが言い、アルベルティーナなどが頷く。
「この長靴の作り方が知りたいな」
そうフィナアリスが言い、行商人に聞きに行くと、〝ワラで作れる物〟という本を勧められたので自分のお金で買って読んだ。
「みんなも読んでね!」
そう言い本棚に置いておく。
するとディナーの時に本棚の本を持ち帰ろうとした客を常連さんが捕まえてくれた。
「こんなトコに置いてるのが悪いだろう?!」
「誰も盗んでいいとは言っていないだろうが!」
「何だよもう!」
その客は逆ギレしながら帰っていった。
「…やっぱり置いておくのは危険ね」
アルシャインが言い、本をカウンターに置く。
誰もが常連さんのようにボランティアをしてくれたりする訳では無い。
たまに小物なども盗まれるので、みんなで見ていたのだが…。
カシアンとアルシャインが本を持って2階に行く。
ミシン部屋の隣りを書斎にした。
「前のテーブルと椅子をとりあえず置けばいいわよね」
「ああ、持ってくるよ」
そう言いカシアンがテーブルと椅子を置いて置く。
夜は盗人が多く出るので飾りもしまっておいた。
「ギルドに行って孤児院の申請をしないと駄目だよ」
リサイクル屋のハンクが言う。
「申請すると何かあるの?」
アルシャインが聞くと、ハンクが笑う。
「毎月支援金もあるし、そこの物を盗む事は恥になるんだ。今みたいな盗人が居なくなるって事だよ」
「それなら行ってみるわ!ありがとうハンクさん!」
アルシャインは笑って答えた。
その後、お客さんも帰ったのでアルシャインはピアノを弾いて言葉遊びをする。
「カニさん2人が遊んでいたら、カモメが3人飛んできた♪一緒に遊ぼう!さあ何人?」
「5人!」とクリストフ。
「そこにカメさん6人来たら何人だ?」
「11人!」とティナジゼル。
足し算の問題だ。
「楽しく輪になって踊っていたら、猫さん7人やってきた♪さあ何人?」
「18人」とルベルジュノー。
「犬さん6人、ミュージが7人やってきた♪さあ何人?」
「え…と…」
みんなが考えている。
レオリアムがテーブルに指で書いてから答える。
「31…?」
「当たり!さあ行くよ~…ミュージが5人帰ったら、何人だ?」
今度は引き算だ。
「えー、足そうよ~」とメルヒオール。
「26」とアルベルティーナ。
「はい、羊が8人遊びに来たら何人だ?」
「34!」とティナジゼル。
「カラスがカーカー13人もやってきた、はい何人?」
「45!」とメルヒオール。
「違うよ~頑張って~♪」
「あれ?47?」とリナメイシー。
「正解♪さあ遊びましょう♪」
そこで終わりにして、みんなで掃除をした。
ウィステリアも角キツネの敷物を椅子に掛けて、壁掛けランプの彫刻はフクロウにした。
ウィステリアの鉢植えには紫と白のパンジー。
布団は混合で、壁には紫っぽいリースを2つ飾り、スワッグも飾って完成した。
その次のアイスグリーンの部屋には同じように壁にスワッグとリースを飾り、窓にドリームキャッチャーを付けた。
布団は綿で柔らかく。
アイスグリーンの植木鉢にシダ植物を植えて、アイスグリーンの燭台を置く。
壁掛けランプの彫刻はキツネ。
テーブルの上の飾りに、見付けてきたチェス盤とポーンのコマの置物を置いて完成だ。
次の薄い赤紫色の部屋の布団は混合にした。
角ウサギの皮の敷物を敷いて、リラ色の植木鉢にカンパニュラを植えて、リラ色の燭台も置く。
フラミンゴの羽を壁に飾り、スワッグとリースも飾る。
テーブルの上にはチェスのコマのルークを置いた。
壁掛けランプの彫刻はオウムにした。
「これで東側は完成ね!」
アルシャインが戻って来るとちょうどお客さんが入って来たので料理をする。
「アイシャママ、部屋は番号を付けたらどうかしら?」
リナメイシーが言うと、アルシャインは目を見張って驚いてから笑って言う。
「それはいいわね!白から1号室でいいかしら?」
「水色が2号室だね」とルベルジュノー。
「クリームが3号室!」とメルヒオール。
アルシャインは鍵の木札にそう書いていく。
「そうだわ…エイデンさん!焼きごてを頼めないかしら?」
「もしかしてあの、何か分からない看板を変えるのかい?」
「あれはベッドと文字よ!金の羊亭って書いて、ベッドを…」
言い掛けるとエイデンが言う。
「それなら羊がいる方が分かりやすいだろう!」
「…そう?」
アルシャインが聞くと、フィナアリスとアルベルティーナとマリアンナが頷いた。
「羊と文字か…打ってみよう。看板と焼きごてな、良し!」
言いながらエイデンは立ち上がって早速仕事をしに行った。
「え、値段聞いてないのに…!」
「だからボランティアだろ。マスターいい加減慣れろよ」
ロレッソが言う。
午後には行商人の一団が泊まりに来た。
続いて旅人も入り部屋は満室となる。
行商人は珍しい物を売っていたので、色々と買ってしまった。
可愛い小物入れや色とりどりの毛布を数枚、可愛いケープや長靴、ワラの長靴…。
毛布は自分達用に部屋に一枚買った。
小物入れも一部屋に一つしか無かった。
「…可愛いから一人一つ欲しいわよね…」
「いいよアイシャママ、気持ちだけで」
そうマリアンナが言い、アルベルティーナなどが頷く。
「この長靴の作り方が知りたいな」
そうフィナアリスが言い、行商人に聞きに行くと、〝ワラで作れる物〟という本を勧められたので自分のお金で買って読んだ。
「みんなも読んでね!」
そう言い本棚に置いておく。
するとディナーの時に本棚の本を持ち帰ろうとした客を常連さんが捕まえてくれた。
「こんなトコに置いてるのが悪いだろう?!」
「誰も盗んでいいとは言っていないだろうが!」
「何だよもう!」
その客は逆ギレしながら帰っていった。
「…やっぱり置いておくのは危険ね」
アルシャインが言い、本をカウンターに置く。
誰もが常連さんのようにボランティアをしてくれたりする訳では無い。
たまに小物なども盗まれるので、みんなで見ていたのだが…。
カシアンとアルシャインが本を持って2階に行く。
ミシン部屋の隣りを書斎にした。
「前のテーブルと椅子をとりあえず置けばいいわよね」
「ああ、持ってくるよ」
そう言いカシアンがテーブルと椅子を置いて置く。
夜は盗人が多く出るので飾りもしまっておいた。
「ギルドに行って孤児院の申請をしないと駄目だよ」
リサイクル屋のハンクが言う。
「申請すると何かあるの?」
アルシャインが聞くと、ハンクが笑う。
「毎月支援金もあるし、そこの物を盗む事は恥になるんだ。今みたいな盗人が居なくなるって事だよ」
「それなら行ってみるわ!ありがとうハンクさん!」
アルシャインは笑って答えた。
その後、お客さんも帰ったのでアルシャインはピアノを弾いて言葉遊びをする。
「カニさん2人が遊んでいたら、カモメが3人飛んできた♪一緒に遊ぼう!さあ何人?」
「5人!」とクリストフ。
「そこにカメさん6人来たら何人だ?」
「11人!」とティナジゼル。
足し算の問題だ。
「楽しく輪になって踊っていたら、猫さん7人やってきた♪さあ何人?」
「18人」とルベルジュノー。
「犬さん6人、ミュージが7人やってきた♪さあ何人?」
「え…と…」
みんなが考えている。
レオリアムがテーブルに指で書いてから答える。
「31…?」
「当たり!さあ行くよ~…ミュージが5人帰ったら、何人だ?」
今度は引き算だ。
「えー、足そうよ~」とメルヒオール。
「26」とアルベルティーナ。
「はい、羊が8人遊びに来たら何人だ?」
「34!」とティナジゼル。
「カラスがカーカー13人もやってきた、はい何人?」
「45!」とメルヒオール。
「違うよ~頑張って~♪」
「あれ?47?」とリナメイシー。
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