37 / 123
第一章 始まりの館
Chapter35 世話好きのボランティア
しおりを挟む
ランチには常連のレンガ職人のロレッソと鍛冶屋のエイデンと家具屋のダンヒルが来た。
ステーキやチャーシューやラザニアが出た。
食べ終わるとダンヒルは家具作りの様子を見に行くので、コーヒーを持っていった。
「そうそう、いい調子だ。飲み込みが早いな!」
笑ってダンヒルが言っている。
続いてリサイクル屋のハンクとペンキ屋のダグラムがやってきて食事をする。
ステーキとスープとパスタを平らげて、ダグラムはペンキ塗りの状況を見に行く。
クリストフがコーヒーを持っていった。
「この色ならこうだろう」
そう言いダグラムがペンキを塗っていく。
「世話焼きばっかりだな!」
ロレッソが言い、みんなで笑う。
このメンバーは大抵何時間もここに居る。
まったりとリラックスしたり、家具作りやペンキ塗りの手伝いをしたり。
外にもガゼボのように屋根付きで窯を作ってもらったのに、雨で使う機会が無いのだ。
「そういや、塀のアイアンフェンスとレンガが壊れかけてたな。修理するか?」
ロレッソが言う。
「幾らくらい掛かりますか?」
アルシャインが聞くと、ロレッソが眉をしかめて言う。
「金なんか取らねぇから毎日美味いモン出してくれ!」
「は、はい…でも…」
「マスター…俺達も子供達に何かしてやりたいんだよ。これもボランティアだ、いいな?」
エイデンが言いロレッソが頷く。
「はい…ありがとうございます」
アルシャインは苦笑して言った。
雨は小雨になっていて、続々とお客さんが来たので忙しいままディナーへと突入した。
キャンディもコロコロドーナツもクッキーも無くなり、みんなで忙しく作る。
すると小さな冒険者2人が出てくる。
「あ!席が…」
アルシャインが気付いて寄っていく。
「ここ、いいぜ」
お客さん2人が立ち上がって出たので、ティナジゼルとメルヒオールが片付けた。
「どうぞ」
メルヒオールが小さな冒険者を案内する。
「何にしますか?」
「…スープと…パンケーキのレタスとチーズとクリームと玉子のやつを」と女の子。
「煮込みハンバーグのミートソースと、パン一つ!」と男の子。
それを書いてメルヒオールがカウンターに持っていく。
「ちっこいお客だな、何歳だい?」
お客さんが聞くと、男の子が答える。
「8歳だよ」
「あたしは9歳よ、戦士なの」
女の子が答えると周りが笑う。
「可愛い戦士だな」
「怪我しないようにな、お嬢ちゃん」
ちょっと悪そうな青年達が言う。
2人はただ頷いて受け流していた。
〈大人ね~…カッコいいわ〉
アルシャインは微笑んでパンケーキと煮込みハンバーグを置く。
「はいどうぞ。…そっちの方は食べ終えたのね、さあお代を置いて立ってちょうだい!待ってるお客さんが見てるわよ!」
そう言ってアルシャインがそこのお皿を片付けていく。
そして冒険者達にウインクしてキッチンに行った。
「…あのお姉さん、かっこいいね」
男の子が言うと、女の子が微笑んで頷く。
「アイツらがからかったから、さり気なく庇ってくれたのね。それにこれ美味しい!最高だわ…」
その会話を聞いてティナジゼルとクリストフが嬉しそうにしていた。
女の子はクッキーとホットミルクを、男の子はコロコロドーナツ3つとホットミルクを注文した。
「アイシャママ、ホットミルクって幾ら?」
「1Gでいいんじゃ…」
言い掛けるとアルベルティーナが言う。
「2Gよ!アイシャママに聞いちゃ駄目!なんでも1Gなんだから!」
「なんでもは…」
アルシャインが反論しようとするが、ティナジゼルはもう行ってしまい、アルベルティーナもお守り匂い袋の販売に向かう。
「コレ持ってると軽いすり傷とかが治るんだよな」
そう言って男性が家族5人分を買っていった。
それを見て、小さな冒険者達も一つずつ買う。
「これ治癒魔法が掛けてある…」
男の子が言うと、みんながお守り匂い袋を買っていった。
「きっと作った後にみんなでお祈りするからね」
そうアルシャインが言う。
そんな祈りなどで治癒魔法が込められるものでは無いのだが…。
冒険者達も部屋に行き、ディナーも落ち着いたので、アルシャインはピアノを弾いて言葉遊びをする。
「大地の中から芽が生えた~ニョキニョキ伸びて何になる~?」
「オークの木!」とメルヒオール。
「オークの木には実がなるよ~なんの実だ?」
「ラズベリー!」とマリアンナ。
「ラズベリーは美味しいね♪みんなが食べに集まった!誰が来た?」
「ゾウさん!」とアルベルティーナ。
「他にもいるよ?」
「ローズパイロット」とクリストフ。
「オナガザル!」とルベルジュノー。
「角ウサギ」とレオリアム。
「たくさん来たね、みんなで食べようモグモグモグ♪お腹いっぱい食べられた♪」
お客さんはそれを聞いてから立ち上がる。
「また来るよ」
「ごちそーさん」
「ありがとうございましたー!」
みんなで掃除になったので、言葉遊びはそこで終わりとなった。
ルベルジュノーが黒板に〝ホットミルク2G〟と書き加えた。
ステーキやチャーシューやラザニアが出た。
食べ終わるとダンヒルは家具作りの様子を見に行くので、コーヒーを持っていった。
「そうそう、いい調子だ。飲み込みが早いな!」
笑ってダンヒルが言っている。
続いてリサイクル屋のハンクとペンキ屋のダグラムがやってきて食事をする。
ステーキとスープとパスタを平らげて、ダグラムはペンキ塗りの状況を見に行く。
クリストフがコーヒーを持っていった。
「この色ならこうだろう」
そう言いダグラムがペンキを塗っていく。
「世話焼きばっかりだな!」
ロレッソが言い、みんなで笑う。
このメンバーは大抵何時間もここに居る。
まったりとリラックスしたり、家具作りやペンキ塗りの手伝いをしたり。
外にもガゼボのように屋根付きで窯を作ってもらったのに、雨で使う機会が無いのだ。
「そういや、塀のアイアンフェンスとレンガが壊れかけてたな。修理するか?」
ロレッソが言う。
「幾らくらい掛かりますか?」
アルシャインが聞くと、ロレッソが眉をしかめて言う。
「金なんか取らねぇから毎日美味いモン出してくれ!」
「は、はい…でも…」
「マスター…俺達も子供達に何かしてやりたいんだよ。これもボランティアだ、いいな?」
エイデンが言いロレッソが頷く。
「はい…ありがとうございます」
アルシャインは苦笑して言った。
雨は小雨になっていて、続々とお客さんが来たので忙しいままディナーへと突入した。
キャンディもコロコロドーナツもクッキーも無くなり、みんなで忙しく作る。
すると小さな冒険者2人が出てくる。
「あ!席が…」
アルシャインが気付いて寄っていく。
「ここ、いいぜ」
お客さん2人が立ち上がって出たので、ティナジゼルとメルヒオールが片付けた。
「どうぞ」
メルヒオールが小さな冒険者を案内する。
「何にしますか?」
「…スープと…パンケーキのレタスとチーズとクリームと玉子のやつを」と女の子。
「煮込みハンバーグのミートソースと、パン一つ!」と男の子。
それを書いてメルヒオールがカウンターに持っていく。
「ちっこいお客だな、何歳だい?」
お客さんが聞くと、男の子が答える。
「8歳だよ」
「あたしは9歳よ、戦士なの」
女の子が答えると周りが笑う。
「可愛い戦士だな」
「怪我しないようにな、お嬢ちゃん」
ちょっと悪そうな青年達が言う。
2人はただ頷いて受け流していた。
〈大人ね~…カッコいいわ〉
アルシャインは微笑んでパンケーキと煮込みハンバーグを置く。
「はいどうぞ。…そっちの方は食べ終えたのね、さあお代を置いて立ってちょうだい!待ってるお客さんが見てるわよ!」
そう言ってアルシャインがそこのお皿を片付けていく。
そして冒険者達にウインクしてキッチンに行った。
「…あのお姉さん、かっこいいね」
男の子が言うと、女の子が微笑んで頷く。
「アイツらがからかったから、さり気なく庇ってくれたのね。それにこれ美味しい!最高だわ…」
その会話を聞いてティナジゼルとクリストフが嬉しそうにしていた。
女の子はクッキーとホットミルクを、男の子はコロコロドーナツ3つとホットミルクを注文した。
「アイシャママ、ホットミルクって幾ら?」
「1Gでいいんじゃ…」
言い掛けるとアルベルティーナが言う。
「2Gよ!アイシャママに聞いちゃ駄目!なんでも1Gなんだから!」
「なんでもは…」
アルシャインが反論しようとするが、ティナジゼルはもう行ってしまい、アルベルティーナもお守り匂い袋の販売に向かう。
「コレ持ってると軽いすり傷とかが治るんだよな」
そう言って男性が家族5人分を買っていった。
それを見て、小さな冒険者達も一つずつ買う。
「これ治癒魔法が掛けてある…」
男の子が言うと、みんながお守り匂い袋を買っていった。
「きっと作った後にみんなでお祈りするからね」
そうアルシャインが言う。
そんな祈りなどで治癒魔法が込められるものでは無いのだが…。
冒険者達も部屋に行き、ディナーも落ち着いたので、アルシャインはピアノを弾いて言葉遊びをする。
「大地の中から芽が生えた~ニョキニョキ伸びて何になる~?」
「オークの木!」とメルヒオール。
「オークの木には実がなるよ~なんの実だ?」
「ラズベリー!」とマリアンナ。
「ラズベリーは美味しいね♪みんなが食べに集まった!誰が来た?」
「ゾウさん!」とアルベルティーナ。
「他にもいるよ?」
「ローズパイロット」とクリストフ。
「オナガザル!」とルベルジュノー。
「角ウサギ」とレオリアム。
「たくさん来たね、みんなで食べようモグモグモグ♪お腹いっぱい食べられた♪」
お客さんはそれを聞いてから立ち上がる。
「また来るよ」
「ごちそーさん」
「ありがとうございましたー!」
みんなで掃除になったので、言葉遊びはそこで終わりとなった。
ルベルジュノーが黒板に〝ホットミルク2G〟と書き加えた。
35
お気に入りに追加
44
あなたにおすすめの小説

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。

勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる! ×ランクだと思ってたギフトは、オレだけ使える無敵の能力でした
赤白玉ゆずる
ファンタジー
【コミックス第1巻発売です!】
早ければ、電子書籍版は2/18から販売開始、紙書籍は2/19に店頭に並ぶことと思います。
皆様どうぞよろしくお願いいたします。
【10/23コミカライズ開始!】
『勘当貴族なオレのクズギフトが強すぎる!』のコミカライズが連載開始されました!
颯希先生が描いてくださるリュークやアニスたちが本当に素敵なので、是非ご覧になってくださいませ。
【第2巻が発売されました!】
今回も改稿や修正を頑張りましたので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。
イラストは蓮禾先生が担当してくださいました。サクヤとポンタ超可愛いですよ。ゾンダールもシブカッコイイです!
素晴らしいイラストの数々が載っておりますので、是非見ていただけたら嬉しいです。
【ストーリー紹介】
幼い頃、孤児院から引き取られた主人公リュークは、養父となった侯爵から酷い扱いを受けていた。
そんなある日、リュークは『スマホ』という史上初の『Xランク』スキルを授かる。
養父は『Xランク』をただの『バツランク』だと馬鹿にし、リュークをきつくぶん殴ったうえ、親子の縁を切って家から追い出す。
だが本当は『Extraランク』という意味で、超絶ぶっちぎりの能力を持っていた。
『スマホ』の能力――それは鑑定、検索、マップ機能、動物の言葉が翻訳ができるほか、他人やモンスターの持つスキル・魔法などをコピーして取得が可能なうえ、写真に撮ったものを現物として出せたり、合成することで強力な魔導装備すら製作できる最凶のものだった。
貴族家から放り出されたリュークは、朱鷺色の髪をした天才美少女剣士アニスと出会う。
『剣姫』の二つ名を持つアニスは雲の上の存在だったが、『スマホ』の力でリュークは成り上がり、徐々にその関係は接近していく。
『スマホ』はリュークの成長とともにさらに進化し、最弱の男はいつしか世界最強の存在へ……。
どん底だった主人公が一発逆転する物語です。
※別小説『ぶっ壊れ錬金術師(チート・アルケミスト)はいつか本気を出してみたい 魔導と科学を極めたら異世界最強になったので、自由気ままに生きていきます』も書いてますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。

我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★


【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない
堀 和三盆
恋愛
一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。
信じられなかった。
母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。
そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。
日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる