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第一章 始まりの館
Chapter26 レオリアムの夢
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帰って早速、玄関のドアの交換をすると、みんなが拍手をした。
「すごくキレイ!」とティナジゼル。
「ベルが付いてる!」とクリストフ。
「焦げ茶の木なんてシャレてるな!」とルベルジュノー。
「小鳥が彫ってある…鹿も!」とアルベルティーナ。
みんなでドアを見ている間にカシアンが小物や棚を運び込む。
「この棚はどこに?」
「あ、それは私の部屋に運んで。薬棚にするの」
そうアルシャインが答える。
「薬棚?」とレオリアム。
「ええ、みんなが怪我や病気になった時に対応出来るように、色んな物を揃えるのよ」
「それ、覚えたい」
レオリアムが真剣に言う。
「薬に興味があるの?」
「出来れば、医者になりたいんだ」
レオリアムは真面目に言う。
どうやら本気らしい。
アルシャインは頷いて言う。
「夜に医学書を貸してあげるわ…私の知る知識も教える。貴方なら、きっといいお医者さんになれるわレアム」
そう言ってアルシャインはレオリアムを抱き締めた。
するとマリアンナが言う。
「あたしも知りたい!看護師さんになるの!」
「本当?」
アルシャインが笑いながら聞くと、マリアンナはちょっとモジモジして言う。
「だって、レアムがお医者さんになったら、看護師が必要でしょ?」
〈…アンヌはもしかしてレアムが好きなのかしら?〉
そう思いながらもアルシャインは頷いた。
「分かったわ、知りたい人に教えるから安心して。さあ、ディナーの支度をしなくっちゃ!」
そう言ってアルシャインはエプロンを付けてキッチンに向かった。
その日の夜は、薬草にちなんだ言葉遊びをする。
「カモミールはお風呂に入れてポッカポカ~、風邪を引いたら飲むんだよ!咳止めにはオオバコ・ヨモギ・ハハコグサ!」
そう言ってどんな花かを辞典で見る。
「眠気覚ましはミントがいいよ!体も冷えてスッキリだ!止血と鎮痛オトギリソウ!使い方は気を付けて!」
「何の歌だよ」
カシアンが笑う。
「作った歌よ!シャクヤクも鎮痛、腹痛、けいれんに効くよ!」
アルシャインが言いながらページをめくる。
「さあ、ここからはお薬の知識よ」
そう言って、鎮痛剤、腹痛、腰痛などの薬から見せていく。
中には余り効かないおまじない的な薬もあった。
薬を作る道具もある。
聖女時代に、もう力尽きているのにどうしても回復しなくてはならない時には薬を作って処方していたのだ。
レオリアムとマリアンナが真面目に聞く。
その間にルベルジュノーとノアセルジオとリュカシオンとクリストフは家具を作り、フィナアリスはマフラーを作り、アルベルティーナはレース編みをして、他のみんなはリース作りをした。
木の実の殻に色を付けたり枯れ葉に色を付けたり、紙で細かく花びらを作って花にしたりと皆でどうすれば綺麗に見えるかを考えてリースを作った。
出来の良いリースは、ダイニングの壁に飾った。
「すごくキレイ!」とティナジゼル。
「ベルが付いてる!」とクリストフ。
「焦げ茶の木なんてシャレてるな!」とルベルジュノー。
「小鳥が彫ってある…鹿も!」とアルベルティーナ。
みんなでドアを見ている間にカシアンが小物や棚を運び込む。
「この棚はどこに?」
「あ、それは私の部屋に運んで。薬棚にするの」
そうアルシャインが答える。
「薬棚?」とレオリアム。
「ええ、みんなが怪我や病気になった時に対応出来るように、色んな物を揃えるのよ」
「それ、覚えたい」
レオリアムが真剣に言う。
「薬に興味があるの?」
「出来れば、医者になりたいんだ」
レオリアムは真面目に言う。
どうやら本気らしい。
アルシャインは頷いて言う。
「夜に医学書を貸してあげるわ…私の知る知識も教える。貴方なら、きっといいお医者さんになれるわレアム」
そう言ってアルシャインはレオリアムを抱き締めた。
するとマリアンナが言う。
「あたしも知りたい!看護師さんになるの!」
「本当?」
アルシャインが笑いながら聞くと、マリアンナはちょっとモジモジして言う。
「だって、レアムがお医者さんになったら、看護師が必要でしょ?」
〈…アンヌはもしかしてレアムが好きなのかしら?〉
そう思いながらもアルシャインは頷いた。
「分かったわ、知りたい人に教えるから安心して。さあ、ディナーの支度をしなくっちゃ!」
そう言ってアルシャインはエプロンを付けてキッチンに向かった。
その日の夜は、薬草にちなんだ言葉遊びをする。
「カモミールはお風呂に入れてポッカポカ~、風邪を引いたら飲むんだよ!咳止めにはオオバコ・ヨモギ・ハハコグサ!」
そう言ってどんな花かを辞典で見る。
「眠気覚ましはミントがいいよ!体も冷えてスッキリだ!止血と鎮痛オトギリソウ!使い方は気を付けて!」
「何の歌だよ」
カシアンが笑う。
「作った歌よ!シャクヤクも鎮痛、腹痛、けいれんに効くよ!」
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「さあ、ここからはお薬の知識よ」
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レオリアムとマリアンナが真面目に聞く。
その間にルベルジュノーとノアセルジオとリュカシオンとクリストフは家具を作り、フィナアリスはマフラーを作り、アルベルティーナはレース編みをして、他のみんなはリース作りをした。
木の実の殻に色を付けたり枯れ葉に色を付けたり、紙で細かく花びらを作って花にしたりと皆でどうすれば綺麗に見えるかを考えてリースを作った。
出来の良いリースは、ダイニングの壁に飾った。
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