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第一章 始まりの館
Chapter07 メニュー
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翌日は雲が多かった。
朝からまた綿の布団が一組出来たので、客室が増やせた。
ジョージさんには、スープとパンと目玉焼きとベーコンが追加された。
それを子供達が外から見る。
「何、アレ…」とマリアンナ。
「アレが卵だよ、朝ティーナが取ったじゃないか」とレオリアム。
「へえ…美味しいの?」とアルベルティーナ。
「分からない」とレオリアム。
ひそひそと言っているので聞こえない筈だが…どうだろうか?
朝、みんなでミュージとニワトリの世話をした時にアルシャインに言われたのだ。
「いーい?お客様の食事を羨ましそうに見ては駄目よ?その内食べさせてあげるから…分かった?」
そう言われたので、みんなで洗濯をしながら見ていたのだ。
ジョージさんは美味しそうに目玉焼きを食べた。
きっと美味しいのだろう…子供達はいつか食べられるかもしれない目玉焼きを思いつつ、洗濯を干して畑に水をやる。
「では、明後日に!」
そう言いジョージさんは旅立った。
アルシャインは部屋の片付けをしに入り、苦笑する。
サイドテーブルに、2G置いてあったのだ。
「やだ…これじゃ募金になっちゃうわ」
「いいじゃないか、募金で」
カシアンがやってきて掃除をする。
「アイシャお嬢様は、どうせこれからも子供を見つけたら拾ってくるだろう?そしたらここも狭くなるだろうし…」
「拾うだなんて…」
「あいつらは拾ったと言わないかい?」
「……ひろっ…集まったのよ」
アルシャインは言いながら2Gを手にしてカバンを持った。
「せっかくのご厚意だし、これで花の苗と廃材を買ってきましょう!」
そう言って外に出た。
「みんなー、集まって!」
そう声を掛けると、みんなが集まる。
「これから買い物に行くから…ノアとアンヌは果樹園の水やり、レアムとティーナはこのお庭の周りの土を掘っておいて」
「はーい」
みんなが答えた。
アルシャインは頷いてカシアンと買い物に行く。
「…出来るかな…?」
カシアンが呟く。
「あの子達なら何でも出来るわ。やるべき事を教えたら、何でも出来るようになるの……家具を作り終えたら、文字を教えましょうね?」
アルシャインがそう言う。
「え?俺も?」
「そうよ、一緒に暮らしてるんだから、何でも協力してやらないと!」
そう言って笑い、アルシャインは駆けていく。
「アイシャお嬢様!」
「お嬢様禁止。給料だって一年分くらいしか貰ってないでしょ?」
そう言いながらアルシャインは廃材置き場に向かった。
ここには、貴族や商人が捨てた家具や、建物を壊した時に出る廃材が置いてある。
家具はすぐに無くなるが、廃材はたくさんあるのだ。
「わあ、綺麗な白い板よ!黒い木も……あ、あの大きな板!テーブルにしたい!」
まるで天国にでも来たかのようなはしゃぎようで、アルシャインは踊るように次々と廃材を選んで出してくる。
カシアンは途中で借りた荷馬車にそれらを詰めていった。
一枚板のテーブルやベンチになりそうな物が結構あった。
「あなた意外と力持ちね…」
アルシャインが言う。
「意外とはなんだ、俺だって騎士だぞ!」
「だってそのボサボサヘア…」
「髪ならいつもはあげてたんだよ!」
言いながら髪をかき上げるので、アルシャインはドキッとしてその手を払ってやめさせた。
「駄目だってば!降ろしてて!」
「なんでだよ…」
「なんでも!」
「じゃあ、切っていいか?見えにくいんだ」
「す…少しだけなら…目が隠れるくらいね!」
「意味がねーな…まあいいや」
カシアンは短剣でウザったい前髪を少し切った。
それを左右に分けて、作業をする。
アルシャインはドキドキしながらも廃材を選んだ。
すると、廃材の陰に足踏み式ミシンが捨ててあった。
調べたらまだまだ使える物だったので、アルシャインはすぐにカシアンを呼んで運び込ませた。
帰りにキャベツと酢と塩を買った。
帰ると、マリアンナとアルベルティーナが誰かとテーブルに居た。
「ただいまー…アンヌ、ティーナ、その人は?」
「お客様!ノアが連れて来たの!」とアルベルティーナ。
「お客様!あ、お部屋に…」
アルシャインが慌てると、ルベルジュノーがやってきて水を出す。
「もう案内したよ。水が欲しいからってここに座ってもらったんだ。アイシャ、板は見つかった?」
「ええ、早く作らないとね!」
あたふたとするので、カシアンがアルシャインを中に押し込んでカバンをルベルジュノーに渡す。
「テーブルとイスを作ってくるから、この荷物を中に入れといてくれ」
「あいよ」
答えてルベルジュノーは部屋に向かう。
「…アイシャはお客様を見てて。アルベルティーナ、ノアセルジオ、レオリアム、マリアンナ、来てくれ」
カシアンが言うとみんなが返事をしてついていく。
「…孤児院宿ですかな?」
初老の男性が薬を飲みながら言う。
「あ、はい…似たようなものです」
「あなたがマスターのアイシャさん」
「はい」
「…なるほど、肝の座ったお嬢さんだ。食事はスープとパンでいいよ、老人には卵は要らんから」
「あ…何か言われました?」
「朝ご飯を頼むと美味しい目玉焼きが付く、とね。…その卵は、あなた達が食べなさい」
「そんな遠慮はなさらないで下さい!旅は栄養を付けないと…」
「子供も、栄養を付けんと」
そう言い、男性は7G渡してきた。
「え…あの」
「メニューには、パン1G、日替わりスープ1Gとある。夕飯と、明日の朝飯で頼むよ」
そう言って男性は部屋に入る。
「メニューって…」
「これ」
ルベルジュノーが持ってきて見せたのは、木に炭で書かれたメニューだった。
「ジョージさんが言ってたから、昨日書いたんだ…駄目だった?」
木のメニューには、
宿泊3G、パン1G、日替わりスープ1G、と書かれていた。
「ジュドー…」
「…!」
ルベルジュノーは怒られると思って目をつぶる。
するとアルシャインはルベルジュノーを抱き締めて言う。
「文字が書けるなんてすごいわ!なんて素晴らしいの!」
そう言って頬にキスをしてくるので、ルベルジュノーは真っ赤になって離れた。
「や、やめろって!俺は…教会とか行ってたから…」
「じゃあ、花の苗を植えながらみんなで文字の勉強をしましょう!」
そう言いアルシャインはルベルジュノーと共に外に出る。
テーブルとイスを作り、花を植えながらみんなで言葉遊びをした。
「お花が咲いて雲がモクモク、空からお水!雨は川に、川は海へ!」
アルシャインが言いながら地面に文字を書く。
その様子を、先程の男性が微笑ましく見つめていた。
その日の夜に、客室2つにテーブルとイスを設置した。
「おお、これでクッションがあれば一晩4Gでいいくらいだな」
男性がそう笑顔で言った。
みんなは微笑して頷く。
「もっとベッドとサイドテーブルとかを増やすぞー!」アルシャインが言い
「おー!」とみんなで言った。
朝からまた綿の布団が一組出来たので、客室が増やせた。
ジョージさんには、スープとパンと目玉焼きとベーコンが追加された。
それを子供達が外から見る。
「何、アレ…」とマリアンナ。
「アレが卵だよ、朝ティーナが取ったじゃないか」とレオリアム。
「へえ…美味しいの?」とアルベルティーナ。
「分からない」とレオリアム。
ひそひそと言っているので聞こえない筈だが…どうだろうか?
朝、みんなでミュージとニワトリの世話をした時にアルシャインに言われたのだ。
「いーい?お客様の食事を羨ましそうに見ては駄目よ?その内食べさせてあげるから…分かった?」
そう言われたので、みんなで洗濯をしながら見ていたのだ。
ジョージさんは美味しそうに目玉焼きを食べた。
きっと美味しいのだろう…子供達はいつか食べられるかもしれない目玉焼きを思いつつ、洗濯を干して畑に水をやる。
「では、明後日に!」
そう言いジョージさんは旅立った。
アルシャインは部屋の片付けをしに入り、苦笑する。
サイドテーブルに、2G置いてあったのだ。
「やだ…これじゃ募金になっちゃうわ」
「いいじゃないか、募金で」
カシアンがやってきて掃除をする。
「アイシャお嬢様は、どうせこれからも子供を見つけたら拾ってくるだろう?そしたらここも狭くなるだろうし…」
「拾うだなんて…」
「あいつらは拾ったと言わないかい?」
「……ひろっ…集まったのよ」
アルシャインは言いながら2Gを手にしてカバンを持った。
「せっかくのご厚意だし、これで花の苗と廃材を買ってきましょう!」
そう言って外に出た。
「みんなー、集まって!」
そう声を掛けると、みんなが集まる。
「これから買い物に行くから…ノアとアンヌは果樹園の水やり、レアムとティーナはこのお庭の周りの土を掘っておいて」
「はーい」
みんなが答えた。
アルシャインは頷いてカシアンと買い物に行く。
「…出来るかな…?」
カシアンが呟く。
「あの子達なら何でも出来るわ。やるべき事を教えたら、何でも出来るようになるの……家具を作り終えたら、文字を教えましょうね?」
アルシャインがそう言う。
「え?俺も?」
「そうよ、一緒に暮らしてるんだから、何でも協力してやらないと!」
そう言って笑い、アルシャインは駆けていく。
「アイシャお嬢様!」
「お嬢様禁止。給料だって一年分くらいしか貰ってないでしょ?」
そう言いながらアルシャインは廃材置き場に向かった。
ここには、貴族や商人が捨てた家具や、建物を壊した時に出る廃材が置いてある。
家具はすぐに無くなるが、廃材はたくさんあるのだ。
「わあ、綺麗な白い板よ!黒い木も……あ、あの大きな板!テーブルにしたい!」
まるで天国にでも来たかのようなはしゃぎようで、アルシャインは踊るように次々と廃材を選んで出してくる。
カシアンは途中で借りた荷馬車にそれらを詰めていった。
一枚板のテーブルやベンチになりそうな物が結構あった。
「あなた意外と力持ちね…」
アルシャインが言う。
「意外とはなんだ、俺だって騎士だぞ!」
「だってそのボサボサヘア…」
「髪ならいつもはあげてたんだよ!」
言いながら髪をかき上げるので、アルシャインはドキッとしてその手を払ってやめさせた。
「駄目だってば!降ろしてて!」
「なんでだよ…」
「なんでも!」
「じゃあ、切っていいか?見えにくいんだ」
「す…少しだけなら…目が隠れるくらいね!」
「意味がねーな…まあいいや」
カシアンは短剣でウザったい前髪を少し切った。
それを左右に分けて、作業をする。
アルシャインはドキドキしながらも廃材を選んだ。
すると、廃材の陰に足踏み式ミシンが捨ててあった。
調べたらまだまだ使える物だったので、アルシャインはすぐにカシアンを呼んで運び込ませた。
帰りにキャベツと酢と塩を買った。
帰ると、マリアンナとアルベルティーナが誰かとテーブルに居た。
「ただいまー…アンヌ、ティーナ、その人は?」
「お客様!ノアが連れて来たの!」とアルベルティーナ。
「お客様!あ、お部屋に…」
アルシャインが慌てると、ルベルジュノーがやってきて水を出す。
「もう案内したよ。水が欲しいからってここに座ってもらったんだ。アイシャ、板は見つかった?」
「ええ、早く作らないとね!」
あたふたとするので、カシアンがアルシャインを中に押し込んでカバンをルベルジュノーに渡す。
「テーブルとイスを作ってくるから、この荷物を中に入れといてくれ」
「あいよ」
答えてルベルジュノーは部屋に向かう。
「…アイシャはお客様を見てて。アルベルティーナ、ノアセルジオ、レオリアム、マリアンナ、来てくれ」
カシアンが言うとみんなが返事をしてついていく。
「…孤児院宿ですかな?」
初老の男性が薬を飲みながら言う。
「あ、はい…似たようなものです」
「あなたがマスターのアイシャさん」
「はい」
「…なるほど、肝の座ったお嬢さんだ。食事はスープとパンでいいよ、老人には卵は要らんから」
「あ…何か言われました?」
「朝ご飯を頼むと美味しい目玉焼きが付く、とね。…その卵は、あなた達が食べなさい」
「そんな遠慮はなさらないで下さい!旅は栄養を付けないと…」
「子供も、栄養を付けんと」
そう言い、男性は7G渡してきた。
「え…あの」
「メニューには、パン1G、日替わりスープ1Gとある。夕飯と、明日の朝飯で頼むよ」
そう言って男性は部屋に入る。
「メニューって…」
「これ」
ルベルジュノーが持ってきて見せたのは、木に炭で書かれたメニューだった。
「ジョージさんが言ってたから、昨日書いたんだ…駄目だった?」
木のメニューには、
宿泊3G、パン1G、日替わりスープ1G、と書かれていた。
「ジュドー…」
「…!」
ルベルジュノーは怒られると思って目をつぶる。
するとアルシャインはルベルジュノーを抱き締めて言う。
「文字が書けるなんてすごいわ!なんて素晴らしいの!」
そう言って頬にキスをしてくるので、ルベルジュノーは真っ赤になって離れた。
「や、やめろって!俺は…教会とか行ってたから…」
「じゃあ、花の苗を植えながらみんなで文字の勉強をしましょう!」
そう言いアルシャインはルベルジュノーと共に外に出る。
テーブルとイスを作り、花を植えながらみんなで言葉遊びをした。
「お花が咲いて雲がモクモク、空からお水!雨は川に、川は海へ!」
アルシャインが言いながら地面に文字を書く。
その様子を、先程の男性が微笑ましく見つめていた。
その日の夜に、客室2つにテーブルとイスを設置した。
「おお、これでクッションがあれば一晩4Gでいいくらいだな」
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