上 下
208 / 237
六章 決別

二十九.再仕官へ向け

しおりを挟む
  遺体を尾張に運ぶように高信たかしなに頼み、翔隆は着物を高信に借りて佐々さつさ成政なりまさ達に追い付く。
翔隆は、何も言わなかった。
黙ったまま、ただ光征と共に姫の輿の隣りを歩く。

 そして甲斐に入った途端に、翔隆は髪を結い直して成政の側に行く。
「翔隆?」
「ここよりは、武田家の近習としてご案内仕りまする。どうぞ、こちらへ」
「う…うむ」
そう言われて、知ってはいたが改めて〝武田に仕えているのだ〟と実感し、成政は戸惑いながらも頷く。

  そして躑躅ヶ崎館に着くと、翔隆は穏やかな顔をして菊姫の手を取り、中へ案内した。
…先程までの死人のような顔は何処へ行ったのやら…。
 信玄の弟の武田刑部少輔ぎょうぶしょうゆう信廉(三十四歳)が出迎える。
「遠路遙々、ご無事で何より。お疲れでしょう、さ、中へ」
「忝ない」
成政が答え、翔隆や姫と共に館の中に入る。
 火焼間では、既に手の空いている重臣達と勝頼が待っていた。
「お菊様、ご到着にござる」
「うむ」
信廉が言うと、信玄は微笑して頷く。
すると、成政達織田家の者達と共に菊姫を連れた翔隆が入って座り、恭しく一礼する。
「此度は四郎さまと菊姫さまの婚儀を承諾して下さり、誠にめでたく…」
「堅苦しい挨拶など抜きにして…これが伜の四郎勝頼じゃ」
「お初にお目もじ至す、お菊どの」
勝頼が笑って一礼すると、菊姫は頬を赤らめて一礼する。
「菊にござりまする。よろしゅう、お願い致しまする…殿」
二人の挨拶を見て、信玄は頷く。
「ほれ四郎、何をしておる。姫君を案内して差し上げい」
「は、はっ…」
勝頼は立ち上がって菊姫の側に行くと、片膝を撞いて手を差し伸べる。
「お疲れであろう。まずは、曲輪へ案内至す」
「あい」
その手を取り、菊姫は侍女達を伴って勝頼と共に出て行った。
「さて、佐々どの。忙しいであろうが、一献呑まれて行かれよ」
「…では、有り難く」
一礼してちらりと翔隆を見る。
翔隆は当然のように信玄の後ろに控えている…。
〈…まことに…信玄に……〉
いつも信長の側に居て当然だった友が、別の主君の側に居るのを見るものは、快くない。
そんな成政の視線に気付き、翔隆は申し訳なさそうに俯いた。
〈……不快な思いをさせてしまったか……しかし、武田に仕えているのは承知の筈だ…〉
判っていても、自分であったらやはり驚くし、嫌な気分になるだろう。
 成政は三献だけ戴いて、一礼する。

「それでは…」
「ご苦労であったな。織田どのに、よしなにお伝えあれ」
「はっ! では、これにて失礼仕りまする」
成政は再び深く一礼して、皆と共に立ち去る。
それを見て、翔隆は信玄を見る。…と、微笑して頷かれた。
行ってこい、と言ってくれているのだ。
翔隆は軽く会釈して後を追う。

「―――成政…殿!」
館の外で追い付いて言うと、成政は眉を顰めて返り見る。
「翔隆……安心せい。口外はせん」
「…それは有り難いが…そうではなく……」
小走りで成政の馬に近寄ると、翔隆は深く一礼した。
「済まん! 見たくも無いものだったやもしれぬのに…」
「翔隆…」
「必ず、再士官を果たす。だから……」
翔隆は唇を噛み締める。すると成政は苦笑して馬から降り、翔隆の肩を叩く。
「顔を上げろ」
「…成政……」
顔を上げた翔隆は、思った通り泣きそうな表情をしていた。
「…ふっ。今は、まだ至仕方あるまい。―――待っておるぞ!」
そう言い、強く翔隆の肩を掴む。
翔隆は何度も頷いて成政の腕を掴んだ。
「…必ず…っ!!」

その後、行列に続く光征を呼び止めて離れた所に行く。
「…光征……戻れば分かる事だが、雪孝が死んだ」
「えっ?!」
「…双子の兄との戦いに敗れた…治す事も出来ずに……」
「雪孝が―――っ!!」
光征は目眩を起こす。
いつも共に笑い合い、修行をしたり寝食を共にした仲間が…昨日まであれ程元気だった友が殺されるとは…!
翔隆は言いにくそうにしながら続ける。
「…それと、義成だが…」
「! 義成様がどうかなさいましたかっ!?」
その返答で、光征達がまだ義成が〔狭霧〕に行った事を全く知らないのを確認する。
「…どうしている?」
「あ……それが…子と文を置かれて…出て行ってしまい…」
「何と、書いてあった?」
「あ…。〝許せ、これよりはもう会えぬ〟とだけ…」
「―――そう、か…」
「?!」
おかしい。
今までであったら、大切な義成が居なくなれば必死で探すし、〝何処に行った〟と問い詰めてくる筈だ…。
なのに、翔隆はやたらと冷静な顔で宙を見つめているだけ…。
〈何か知っておられる…。やはり、一成と共に何かを知ったのだ…〉
それは確信出来たが、今主君を問い詰めても何も言うまい。
言うのなら、もっと早くに知らせている筈…。
余程の事があったのは分かるが……教えて欲しい。
 もっと、信頼して欲しい…。
〈待つしかない…か〉
きっと、再士官すれば話してくれるだろう。そう思い、光征は何も聞かない事にした。
「…どうか、お体をお厭い下さいませ」
「ん……光征も…。皆にも、元気でいろと伝えてくれ」
「はい」
光征は微笑んで一礼して、行ってしまう。
〈…済まん…―――〉
翔隆は心中で詫びて、館に戻る。
まだ、義成が敵の〝長〟になったとは言えなかった…。
自分でも信じられないし、まだ信じたくないと思っているからだ。

 重臣達がそれぞれにくつろぐ中、翔隆は信玄の下へ戻る。そして平伏した。
「勝手な真似をして申し訳ござりませぬ! ですが、道中は危険だと思い…」
「良い。その格好を見れば、責められもせんわ。早う着替えて参れ」
「…あ…」
言われて、自分が血だらけである事に気が付く。着物から血が滲み、袴はボロボロ。
「…では、失礼を」
そう言って翔隆は火焼間を後にする。
菊姫を迎えに行った事は、影優かげゆう義深よしみの調べで分かっているのだ。

 借りている西曲輪に来ると、三人の子供が庭で遊んでおり、樟美だけが木の上で空を見上げていた。
浅葱が翔隆に気付いて、すぐに駆け寄ってくる。
「父さま! ケガしてるの?」
「ん…大事ない。遊んだら、皆と字の練習をするんだぞ」
「はぁい」
そう返事をして、浅葱はまた走り出す。
微笑してそれを見送り、ふと樟美を見上げる。
〈…あんな頃もあったな…〉
樟美を見つめながら、自分の幼い頃を思い出す。
 ちょうど同じ年の頃、よく空を見上げた。
 広くて何処までも続く大空を見上げていた。
雲は手が届きそうで届かず、何処かへ流れていく…。空を見ると楽しかったり、悲しかったり…。
 そう思っていると、樟美が振り向き降りてくる。
「父上…怪我を……」
「治すからいい。…お前は、たまには遊んだ方がいい」
そう言いくしゃりと樟美の頭を撫でて、曲輪に入った。
そして、傷を癒して着替える。
〈…陽炎を相手にした割には、軽い傷で済んだな…〉
視界が悪かったのが幸いしたのだろう。
翔隆は深く溜め息を吐いて、座る。
〈こんな事だけでは……他に何かしなくては許されない。思う事以上の働きを、望んでいらっしゃるのだ…〉
それは、分かっている。
信長が思いも付かない事をしろと言われて、すぐにいい事が思い付いたら苦労はしない。
〈…毎日こっそり忍び込んで、武器を磨いたり…掃除……〉
思い付く事が情けないものばかり。
かといって、戦などで《力》を使ったりしたら、それは卑劣な行為となるだろう。
―――と、最近気付いた事だ。
以前に《力》を使った自分が恥ずかしい。
〈じっくり考えよう……焦ったとて仕方が無い〉
翔隆は再び長息ちょうそくを吐いて、信玄の下へ向かった。



  今年中は居られる―――。

 そう思っていたのだが、そうもいかなくなった。
〔狭霧〕が不穏な動きをしている、と頭領の凪間なぎまが知らせに来たのだ。
どうやら躑躅ヶ崎館を襲撃して、今度は信玄を盾にしようとしているらしい…と。
「いかがいたしますか? 長…」
「ならば高信たかしなと手を組み、細かく情報を取った上でその裏を掻け。どうせ大将は清修だろう。ならば、この街道を使う筈だ。それとここからここに…」
と、詳しく絵図で説明をしてから凪間を帰らせた。
こんな平和な武田家に、迷惑は掛けられない。翔隆は急いで旅支度をした。


 そして、信玄に会って事情を説明する。
「――なので、ここにはおれませぬ。まだ東海も回ります故、どうかご容赦を…」
そう言い平伏する。
「…そうか……分かった」
「申し訳ござりませぬ…」
「良い。…馬が一頭では心細かろう。野育ちのいいのがいる。参れ」
そう言って信玄は立ち上がった。

 ついてくると、厩の奥に一頭だけ他の馬より一回り大きな馬が居た。
その馬はこちらを見ると、いなないて前足でカツカツと地を叩く。
「奴は気が荒い女子おなごでな。六人掛かりで捕まえたが、強くて丈夫だぞ」
「はあ…有り難く……」
つまり、手に負えないから厄介払いをしたいのだろう。
そういう事なら、快く頂ける。
翔隆は何も言わず、その馬に近付いていった。すると馬は激しく暴れ出す。
『ヒヒヒーン!!』
縄を千切らんばかりに暴れるが、翔隆は優しい微笑を浮かべてすぐ近くまで行くと、じっと目を見つめる。
「恐いのか?」
『ブルルル…』
「殺しはしない。お前、戦は好きか?」
そう聞くと、馬はピクリと反応した。
どうやら言葉は理解出来るらしい。
翔隆は笑って続ける。
「私は嫌いだ。だが、黙っていてもいつも向こうから戦いを挑まれる。それ故、足となる馬も、強くてしっかり者でなくてはならん。…女子のお前に言うのも悪いのだが、私の下で働いてはくれまいか?」
『ブルル…ブル…』
おとなしくなると、馬はじっと翔隆を見つめた。
「いい目をしているな」
『ヒヒヒン!』
「来るか?」
尋ねると、馬は頷くように首を縦に振った。それに頷き、翔隆は横木を外してやる。
すると馬は静かに出てきて、翔隆の頬をベロリと舐めた。
それを見て、信玄は感心する。
「ほう、さすがよな」
「気が合っただけです。…名前を付けないと…」
「ああ、それなら決めてある。百鬼なぎりよ。百の鬼をも負かす名じゃ。良かろう?」
「……はあ」
「そ奴の前で〝気に入った名があれば嘶け〟と言って色々と言ったら、百鬼にだけ嘶いた」
〝女〟に付ける名ではないが、当の馬が気に入ったのならいいのだろう。
取り敢えず〝影疾かげとき〟に対面させて隣りに並べた。
雄と雌だからどうかとも思ったが、興奮する様子も無く静かに互いを見ているので、相性はまあまあのようだ。
「明日…いや、今夜には発つから、それまで休んでいてくれ」
『ヒヒン!!』
二頭が同時に答えた。

 婚儀までには、まだ時間がある。翔隆は勝頼の下へ挨拶に行く。
「…よろしいでしょうか?」
「ん? ああ、入れ」
障子を開けると菊姫の姿がなく、勝頼は暇を持て余している所だった。
翔隆は静かに障子を閉めて、平伏する。
「初陣に参陣出来ず、申し訳ございませぬ」
「ああ、それか。良い良い。それよりも、もっと近う」
勝頼がにこにこしながら手招くので、近寄ってみるといきなり抱き寄せられて、接吻の嵐を受けた。
「なっ…勝頼様っ!?」
頬やら首やら唇にまで口付けをすると、勝頼はニヤリとした。
「いつの間にか、こうしてお主を抱けるようになった。いつも見上げてばかりで、首が痛くなっておったのにな」
「はあ…それは申し訳…いえ、おめでとう…??」
翔隆は何と返事をしていいか分からずにいた。
「わしも十八。気に入りの小姓もおるぞ」
「そうですか…。あの、手を……」
勝頼は翔隆を抱き締めたまま、肩に顔を埋める。
「…わしは、主君の伜だ」
「はい」
「では、抱いても良かろう?」
「――――はあっ?!」
仰け反ると、更に強く抱き締められ着物を引っ張り出された。
「良かろう?」
「い、いえいえ! 良くはありません! それに、今日は姫君を娶られている、めでたい日ではありませんかっ!!」
「婚儀は夜じゃ。暇でな」
「かっ、勝頼様っ!!」
叫ぶと、ゴホンと障子から咳払いが聞こえる。見ると、伊織が立っていた。
「伊織…なんじゃ」
「なんじゃ、ではありませぬ! 姫君が見たら何とするのですか?」
「……」
そう言われ、勝頼は仕方なく翔隆を離した。
「何の用じゃ」
問われて伊織は一礼して言う。
「菊姫さまは、支度で夜までお会いになれませぬので、それを伝えに参りました。それでは、ごゆるりと…」
そう言い障子を閉めて行ってしまう。
「はあ…」
翔隆はその場に座って溜め息を吐いた。
すると、勝頼も溜め息を吐いて座る。
「いい所で邪魔をする。…して、翔隆。何か用があったのか?」
「あ、はい。実は婚儀の後に甲斐を出る事になりまして…」
「何?! 折角会えたのに、もう行くのか!?」
「はっ…申し訳ござりませぬ。故は、信玄様に申し上げましたが…」
「〔一族〕とやらの事か?」
「…はい」
「……ふぅ」
勝頼は溜め息を吐いて、翔隆を見つめる。
「…昔、義深から聞いた事がある。翔隆があちこちを飛び回るのは、〔一族〕と戦っているからだ、と。先程も、怪我を負っていたな…」
「…はい。姫を狙って〔一族〕がやってくると思いましたので……」
「戦とは…違うのだな」
「はい。いつ、何処でも、狙って参ります故…」
翔隆が俯いて言うと、勝頼は苦笑しながら翔隆の頭を撫でる。
「勝頼様…」
「余り、無理はするなよ?」
「…はい」
翔隆も苦笑して頷く。

 勝頼と菊姫の婚儀を見届けてから、翔隆は子供達を連れて亥の三刻(午後十一時頃)に館を出た。
 これから先、ここを訪れるのはいつになるか分からない…。
解任を解かれなければ、ここには来れなくなる…。
〈どうか、息災で…!〉
翔隆は深く館に向かって一礼をし、歩き出した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【短編】輿上(よじょう)の敵 ~ 私本 桶狭間 ~

四谷軒
歴史・時代
【あらすじ】 今川義元の大軍が尾張に迫る中、織田信長の家臣、簗田政綱は、輿(こし)が来るのを待ち構えていた。幕府により、尾張において輿に乗れるは斯波家の斯波義銀。かつて、信長が傀儡の国主として推戴していた男である。義元は、義銀を御輿にして、尾張の支配を目論んでいた。義銀を討ち、義元を止めるよう策す信長。が、義元が落馬し、義銀の輿に乗って進軍。それを知った信長は、義銀ではなく、輿上の敵・義元を討つべく出陣する。 【表紙画像】 English: Kano Soshu (1551-1601)日本語: 狩野元秀(1551〜1601年), Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で

蘭癖高家

八島唯
歴史・時代
 一八世紀末、日本では浅間山が大噴火をおこし天明の大飢饉が発生する。当時の権力者田沼意次は一〇代将軍家治の急死とともに失脚し、その後松平定信が老中首座に就任する。  遠く離れたフランスでは革命の意気が揚がる。ロシアは積極的に蝦夷地への進出を進めており、遠くない未来ヨーロッパの船が日本にやってくることが予想された。  時ここに至り、老中松平定信は消極的であるとはいえ、外国への備えを画策する。  大権現家康公の秘中の秘、後に『蘭癖高家』と呼ばれる旗本を登用することを―― ※挿絵はAI作成です。

富嶽を駆けよ

有馬桓次郎
歴史・時代
★☆★ 第10回歴史・時代小説大賞〈あの時代の名脇役賞〉受賞作 ★☆★ https://www.alphapolis.co.jp/prize/result/853000200  天保三年。  尾張藩江戸屋敷の奥女中を勤めていた辰は、身長五尺七寸の大女。  嫁入りが決まって奉公も明けていたが、女人禁足の山・富士の山頂に立つという夢のため、養父と衝突しつつもなお深川で一人暮らしを続けている。  許婚の万次郎の口利きで富士講の大先達・小谷三志と面会した辰は、小谷翁の手引きで遂に富士山への登拝を決行する。  しかし人目を避けるために選ばれたその日程は、閉山から一ヶ月が経った長月二十六日。人跡の絶えた富士山は、五合目から上が完全に真冬となっていた。  逆巻く暴風、身を切る寒気、そして高山病……数多の試練を乗り越え、無事に富士山頂へ辿りつくことができた辰であったが──。  江戸後期、史上初の富士山女性登頂者「高山たつ」の挑戦を描く冒険記。

幼女のお股がツルツルなので徳川幕府は滅亡するらしい

マルシラガ
歴史・時代
(本文より抜粋) 「ここと……ここ。なの。見て」  霧が着物の裾を捲って、二人に自分の股ぐらを披露していた。  な、なにをしておるのじゃ?  余三郎は我が目を疑った。  余三郎側から見ると霧の背中しか見えないが、愛姫と百合丸の二人は霧の真っ正面に頭を寄せて彼女の股ぐらを真剣な目で観察している。 「ううむ……ツルツルじゃな」 「見事なまでにツルツルでござるな」  霧はまだ八歳児だぞ、当たり前だろうが!  余三郎は心の中で叫ぶように突っ込んだ。 「父様は霧のこれを見て……殺すしかないと仰った。なの」  二人は目を見開いて息を呑んでいた。聞き耳を立てていた余三郎の顔は驚愕で歪んだ。  な、なにぃー!? 自分の娘の股ぐらがツルツルだから殺すとな!? 立花家はあれか? みな生まれた時からボーボーじゃなきゃダメなのか?

【R18・完結】鳳凰鳴けり~関白秀吉と茶々

みなわなみ
歴史・時代
時代小説「照葉輝く~静物語」のサイドストーリーです。 ほぼほぼR18ですので、お気をつけください。 秀吉と茶々の閨物語がメインです。 秀吉が茶々の心を開かせるまで。 歴史背景などは、それとなく踏まえていますが、基本妄想です。 短編集のような仕立てになっています

忍び働き口入れ(時代小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品)

牛馬走
歴史・時代
(時代小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品)藩の忍びだった小平治と仲間たち、彼らは江戸の裏長屋に住まう身となっていた。藩が改易にあい、食い扶持を求めて江戸に出たのだ。 が、それまで忍びとして生きていた者がそうそう次の仕事など見つけられるはずもない。 そんな小平治は、大店の主とひょんなことから懇意になり、藩の忍び一同で雇われて仕事をこなす忍びの口入れ屋を稼業とすることになる――

もどろきさん

藤瀬 慶久
歴史・時代
昭和六年の春 十六歳になる秋川千佳は、ある日突然訪ねて来た佐々木隆と出会う 『この人がお前のお婿さんだ』 父にそう言われ、千佳は今日初めて出会った軍人さんとその日のうちに祝言を上げた。 突然のことに戸惑いながらも、千佳は少しづつ隆に惹かれていく。 だが、時代はそんな夫婦の幸せを黙って見守ってはくれなかった。 世間の空気が不穏さを増し、日本全体が戦争への道をひた走っていく時代。それは、当たり前の夫婦の幸せを引き裂いて行く時代でもあった。 『ただ、無事に帰って来て欲しい』 激動の昭和を生きた、一組の夫婦の物語 この作品は『小説家になろう』『カクヨム』『アルファポリス』に掲載しています。 アルファポリスのみR-18版となります。

Jesus Christ Too Far(神様が遠すぎる)

湖灯
歴史・時代
数々の戦場で勇猛果敢に戦い騎士十字章を授かった英雄ルッツ軍曹の部隊は、ノルマンディーに向かう途中のカーン攻防戦で敗れルーアンに撤退を余儀なくされ、そこで知り合ったジュリーと言う娘との恋に落ち、パリで別れ際に終戦後のクリスマスに会う約束をします。 はたしてルッツとジュリーは、終戦まで無事生きていられるのでしょうか? そしてクリスマスの約束は果たされるのでしょうか? ノルマンディ上陸作戦後から物語は始まり、ヒトラー暗殺未遂事件を経て、パリの解放から終戦とその後までを描く物語。 ドイツ軍歩兵の中でも特にエリート部隊と呼ばれる、空軍降下猟兵の分隊長ルッツ軍曹と、その分隊が遭遇する戦場物語です。

処理中です...