鸞翔鬼伝 〜らんしょうきでん〜

紗々置 遼嘉

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四章 礎

二十四.寵愛 〜忠長と〜 ※

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(男同士の性表現有ります)




  その夜。
 湯殿ゆどので身を清めた矢苑しおん佐馬亮さまのすけ忠長は、翔隆の寝所の布団に居た。
翔隆よりも先にとこに居たので、これには少し戸惑う。
「禾已…いや、忠長…早いな」
「勿論! 楽しみにしてましたから!」
笑って忠長が言うと、翔隆は微苦笑を浮かべて忠長の横に座る。
「お主もまだ十歳なのに……痛いぞ?」
「俺が陰間してたの、忘れましたね?」
「………」
そう言えば、もっと幼い頃から身売りをしていたのだった…。
「しかし、なんで私に」
「家臣は、主君の寵愛を受けるもの。当たり前なのに翔隆様が桜弥おうやすら抱かない方がおかしいんですよ」
「………」
そうなのだろうか?
光征みつまさも、嵩美かざみも抱いていないが……抱かなくては変なのか?
〈…本人に聞いてみるか…?〉
しかし、そんな素振りは無いし……いや、見せないだけなのかもしれないが…。
などと考えていたら、着物とふんどしを脱がされた。
「かっ…忠長!」
「今、桜弥達の事を考えてましたね?!」
「そ、それは…お前が言うから……」
どもりながら言うと、いきなり忠長は翔隆の男根を咥える。
「禾已っっ!!」
「ただなが、でふよ」
咥えたまま答え、しゃぶる。翔隆は片目を瞑って逃げ腰になる。
「まて…っ! まだ…」
「…………もー…」
忠長は仕方無く口を離して、翔隆に顔を近付ける。
「翔隆様」
「な、なんだ」
「伽は何度もしてるでしょう?」
「なっ…」
「伽をしている時に、信長はそんな事しましたか?」
「………いや」
もっと堂々としていたな、と考える。
「信長みたいにしてて下さい」
「ただな…」
言い掛けて、唇を塞がれた。
忠長は舌を入れて翔隆の舌を絡め取ると、自分の口に吸い寄せて舐める。
〈信長様のようにと言われても……〉
想像してみるが、全く思い付かない。
などと考えていたら、何故か押し倒されていた。
「んんっ!」
忠長は翔隆の頭を抱え込んで舌を深く押し入れ、歯裏や舌の付け根まで舐めてくる。
上乗りになられているので、離しようもない。
〈…やれるだけやってみよう〉
翔隆は覚悟を決めて、忠長の肩を抱いて逆に舌を押し入れて吸う。
「ん…」
やっとその気になったか、と忠長は益々積極的に口淫を楽しむ。
「んっ、は…」
やっと唇を離してくれたので息を整えていると、今度は首筋や鎖骨、乳首などを舐めてきた。
「こら…違うだろう、んっ!」
「感じやすいんだ」
忠長はクスクスと悪戯っぽく笑いながら、そのまま男根を掴んでしごき、足の付け根や内腿を舐め回す。
「ただっ…やめっ!」
「主君を感じさせないで、伽とは言えないでしょう?」
そう言い忠長は翔隆のふぐりを口に含んで舐めながら、尻の蕾を撫でてきた。
「んっ! やめっ…」
ビクリと躰を震わせると、忠長は愉しげに蕾に指を挿れてきた。
「ただな、がっ!」
ちゅばちゅばと、音を立てて舐めたり吸ったりと堪能してから、忠長は上体を上げて舌なめずりをした。
「…もうこんなに勃ちましたよ」
言われて翔隆はカーッと顔を赤くする。
これでは犯されているようで、なんだか腹が立つ。
「…逆だろう……」
「いいじゃないですか。コレを挿れるのは俺なんですから」
「……良くない」
翔隆は少しむくれたように言い、ひょいと忠長を持ち上げてあぐらを掻き、その上に乗せる。そして着物を脱がせると、忠長はニィッと笑う。
「出来るんですか?」
「馬鹿にするな」
そう言って翔隆は忠長に口付け、唇を舐めてから耳に甘噛みをする。
ピクリと忠長が反応したので耳を舐めてみると、忠長は身をよじらせた。
「んんっ…」
「忠長も、感じやすいな」
翔隆は耳から首筋を舐める。
「意地悪を…あっ」
ビクリとして、忠長は翔隆の肩を掴む。
そのままお返しと言わんばかりに、舌を鎖骨や乳首まで這わせて、脇腹を舐める。
「んっ、ふ…」
翔隆は身を捩っている忠長を布団に寝かせて、太腿を撫でながら開かせ、ふんどしを取って男根を触り亀頭を舐めた。
「んあっ!」
小さな男根をぺろぺろと舐め、左手に唾を付けて小さな蕾を弄る。すると、忠長は両足をぴくぴくと震わせる。
「と、翔隆様…意外と巧い…」
「…意外とはなんだ」
不器用だと思われていたとは心外だ。…確かに、うといのは認めるが…。
 いや今はいい。
まだ小さな男根を口に含んで吸ったり舐めたりすると、忠長は背を仰け反らせる。
「だめ…そんなにしたらっ! んん!!」
翔隆が余りにも口で攻めるものだから、忠長は我慢出来ずに気を放ってしまう。
「とび…あっ!」
翔隆を見ると、精液を飲んだようで、口の端を拭っていた。
それを見て忠長は驚愕してしまう。
「の、飲み…」
「…いけなかったか?」
「あ、あは! ……こんなコトした人、初めてだ」
そう言って忠長は含み笑いした。
「今度は、俺の番ですよ」
忠長は翔隆の男根を右手で扱きながら、口に咥えて上下に動かす。それと同時に、自分の蕾もほぐしていく。
「ん……」
それを見つめて、自分の時を思い出す。
〈…随分と慣れているな………私なんてぎこちないというのに…〉
こうすればいいのか、と手本に出来そうなやり方だった。
翔隆は息を乱しながら、忠長を離す。
「…忠長、もういい…」
「でも…」
「ほら」
翔隆は優しく忠長を引き寄せて寝かせようとする。が、忠長が上に乗ってきた。
「俺は、こっちの方がいいです」
「…そうか」
楽に出来るように寝そべると、忠長は上にまたがって翔隆の男根を己の蕾に押し付ける。
「…力を抜け」
そう言い翔隆が己の男根を持ち、小さな蕾にぐっと先を押し入れる。
「うっ…!」
何年か振りの激痛が躰に走り、忠長は苦痛に顔を歪ませる。
「止めておくか?」
「い、え…。直に慣れます…」
そう言って忠長は、自ら奥まで挿れた。
「くっう…」
痛みと、仄かに甘い刺激が躰を巡る…。
〈…何年やってなかったっけ……翔隆様が抱いてくれていれば、慣れてたのに…〉
忠長は少し翔隆を睨んでから、腰を動かした。
「ふっ、んん、あっ」
「…くっ…」
翔隆は忠長の腰を持って支えながら、締められる刺激に身を委ねる。
〈きついな……痛くは無いのか…?〉
そう思い忠長を見ると、陶酔したような表情に変わっているのに気付く。
「あっ、はあ…」
段々動きが激しくなってきたので、翔隆はそれに合わせて下から突き上げた。
「あっ、いぃっん!」
「た、忠長…狭い…!」
「ハッ…俺は、凄くイイですよ…んんっ!!」
ギチギチと締め付けられて、もう果ててしまいそうである。
「あっ、んっ…とび、たかさま…っ!」
「ただな……もう…、だ…」
駄目だ、と言えぬまま、翔隆は気を放つ。
「あああっ!!」
忠長も果てて、翔隆の腹に出してしまう。
 その上に、くってりと忠長が寝そべって翔隆の胸と肩に手を置く。
「…大丈夫か…?」
「はい……とても良すぎて……足が…」
そう言われて忠長の足を触ると、カクカクと小刻みに震えていた。
翔隆は微苦笑して男根を抜くと、片手で忠長を抱いて着物を羽織る。
「…まだ湯殿に湯が残っているだろう。…冷たくても、我慢しろよ?」
「…翔隆様こそ」
そう言い笑い合って、翔隆は忠長を包んで湯殿に向かった。
 
  【ここまで】
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