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第二幕 回避の為=世界の為
vs34 マリアとギルベルト
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その後は座学の授業を受けてランチを取る。
ギルベルトはマリミエドとランチを取っていた。
その食堂にマリアが入って来るのが見えて、マリミエドはボソッと呟く。
「来ましたわよ。…あれは貴族令嬢…いいですわね?」
「分かっているよ…」
答えるとすぐにマリアがやってきた。
「あの、ここいいかな?」
「…どうぞ」
マリミエドが答える。
マリアは一つ離れた席に座った。
「ギルベルトくんはステーキ?ここのステーキ美味しいよね!」
「ああ、仔牛のステーキだ。仔羊のロティも旨いし仔鴨のコンフィもいいな」
ギルベルトはわざと子供の事を言う。
するとマリミエドに睨まれた。
マリアは構わずに会話を続ける。
「パテ料理も美味しいよね。デザートに杏のパイなんてどう?甘くなくて美味しかったよ」
「デザートを先に食べたのか?」
「違うわよ!この前食べて甘くなくて素材の味で美味しいな~って思って…」
「砂糖が不作だから控えているんだろう」
「そうなんだ…サトウキビって難しいのかな」
「熱帯地域で育つからな。去年は寒い日が多かったから…」
などと2人で会話をしている。
それを聞く内に、マリミエドは目眩を覚えた。
〈何かしら…〉
やはり、振りとはいえ仲良くしているのを見るのは耐え難かった。
味方を失うのではないかと恐怖さえ湧いてくる。
マリミエドが立ち上がろうとすると、ギルベルトがテーブルの下で手を握ってきた。
食事に目を落としたまま、〝大丈夫だから〟と、トントンと叩きながら握る。
何故かそれでホッとして、マリミエドは紅茶を飲んだ。
そんな違和感たっぷりのテーブルを、遠くから見つめるのはレアノルドとクリフォード。
「最近やたらと仲が良い」
「不自然だ」
そう言ってクリフォードは紅茶缶を取り出す。
「今選ぶのか?」
「この後のティータイムに呼びたいじゃないか。あのままギルベルトがマリアと行ってくれれば誘えるのにな」
クリフォードが言いながら紅茶をブレンドする。
「学院に入ったから余計に過保護になったかな…いやしかし、取り入って婿候補に入れて貰うのも手だよな」
レアノルドがコーヒーを飲みながら言う。
「殿下がいるのに?」
「…他のお妃候補が正妃となれば、メイナード家なら王族から手を引く筈だ…側室なんて有り得ないだろう」
「まあ確かに。しかし、今の所は序列一位だしな。…良し、いつものガゼボに誘おう」
用意の終えたクリフォードがメイド達に指示を出して行かせる。
そして、レアノルドと共に話し掛ける機会を窺う。
すると、ギルベルト達のテーブルに教諭が近付いたので、二人は近寄ってみる。
「…明日から神殿祭の準備をするから、来てくれるか?」
「はーい」
答えてマリアが立ち上がる。
「じゃあまたね、ギルベルトくん!」
「頑張りたまえ」
それを聞いてマリアは喜んでいった。
するとレアノルドとクリフォードがギルベルト達の前に行く。
「ティータイムに招待してもいいかな?」
クリフォードが言うと、マリミエドが微笑んで頷いた。
「ええ、喜んで」
マリミエドが嬉しそうにするので、今度はギルベルトがモヤモヤとした。
ギルベルトはマリミエドとランチを取っていた。
その食堂にマリアが入って来るのが見えて、マリミエドはボソッと呟く。
「来ましたわよ。…あれは貴族令嬢…いいですわね?」
「分かっているよ…」
答えるとすぐにマリアがやってきた。
「あの、ここいいかな?」
「…どうぞ」
マリミエドが答える。
マリアは一つ離れた席に座った。
「ギルベルトくんはステーキ?ここのステーキ美味しいよね!」
「ああ、仔牛のステーキだ。仔羊のロティも旨いし仔鴨のコンフィもいいな」
ギルベルトはわざと子供の事を言う。
するとマリミエドに睨まれた。
マリアは構わずに会話を続ける。
「パテ料理も美味しいよね。デザートに杏のパイなんてどう?甘くなくて美味しかったよ」
「デザートを先に食べたのか?」
「違うわよ!この前食べて甘くなくて素材の味で美味しいな~って思って…」
「砂糖が不作だから控えているんだろう」
「そうなんだ…サトウキビって難しいのかな」
「熱帯地域で育つからな。去年は寒い日が多かったから…」
などと2人で会話をしている。
それを聞く内に、マリミエドは目眩を覚えた。
〈何かしら…〉
やはり、振りとはいえ仲良くしているのを見るのは耐え難かった。
味方を失うのではないかと恐怖さえ湧いてくる。
マリミエドが立ち上がろうとすると、ギルベルトがテーブルの下で手を握ってきた。
食事に目を落としたまま、〝大丈夫だから〟と、トントンと叩きながら握る。
何故かそれでホッとして、マリミエドは紅茶を飲んだ。
そんな違和感たっぷりのテーブルを、遠くから見つめるのはレアノルドとクリフォード。
「最近やたらと仲が良い」
「不自然だ」
そう言ってクリフォードは紅茶缶を取り出す。
「今選ぶのか?」
「この後のティータイムに呼びたいじゃないか。あのままギルベルトがマリアと行ってくれれば誘えるのにな」
クリフォードが言いながら紅茶をブレンドする。
「学院に入ったから余計に過保護になったかな…いやしかし、取り入って婿候補に入れて貰うのも手だよな」
レアノルドがコーヒーを飲みながら言う。
「殿下がいるのに?」
「…他のお妃候補が正妃となれば、メイナード家なら王族から手を引く筈だ…側室なんて有り得ないだろう」
「まあ確かに。しかし、今の所は序列一位だしな。…良し、いつものガゼボに誘おう」
用意の終えたクリフォードがメイド達に指示を出して行かせる。
そして、レアノルドと共に話し掛ける機会を窺う。
すると、ギルベルト達のテーブルに教諭が近付いたので、二人は近寄ってみる。
「…明日から神殿祭の準備をするから、来てくれるか?」
「はーい」
答えてマリアが立ち上がる。
「じゃあまたね、ギルベルトくん!」
「頑張りたまえ」
それを聞いてマリアは喜んでいった。
するとレアノルドとクリフォードがギルベルト達の前に行く。
「ティータイムに招待してもいいかな?」
クリフォードが言うと、マリミエドが微笑んで頷いた。
「ええ、喜んで」
マリミエドが嬉しそうにするので、今度はギルベルトがモヤモヤとした。
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