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第一幕 断罪からの始まり
vs52 属性鑑定
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人の頭程の大きな水晶が乗ったスタンドをマリミエドの前に置いて、ユークレースは水晶に手を乗せる。
「では利き手を乗せて、魔力を少し流してくれ」
「魔力を少し…」
マリミエドは右手で水晶に触れて魔力を少し放出した。
すると水晶が様々な色に移り変わる。
「これは…」
ユークレースとギルベルトが驚いて水晶を見る。
「…どの属性も同じ…いや、待ってくれ。数値化する装置も持ってこよう!」
そう言うとユークレースはまた奥に行く。
すると30センチ四方の四角いタイルのような物を持ってきて机に置く。
「下の水晶に手を置いてくれ。先程と同じように魔力を」
ユークレースが興奮気味に言う。
「はい…」
マリミエドは戸惑いながらも右手を置いて魔力を放出する。
するとタイルの上部にゲージが六本現れた。
それぞれの横に数値…白いゲージが70と黒いゲージが30、青・赤・緑・茶色の四つは40となっている。
「こんなに素晴らしいとは…これなら聖女になれるし、魔塔でも聖塔でも聖魔塔でもどこでも管理が出来るだろう」
「え…でも、わたくしは聖女にはなりませんわ」
「んー…しかし闇が30か…光と合わせてちょうど百だな。一般より高いが何故か…」
ユークレースは独り言のように喋る。
それらが何を表しているのか分からないマリミエドには、何も言えずにいた。
すると同じく詳しくは分からないギルベルトが言う。
「ユーク、この結果は良いという意味だろう?」
「ああ勿論だ。それぞれのエレメントが等しくある人間などそうそう居ない」
「あの…お2人の結果も見たいのですが…わたくしだけだと、どんなものかも分からなくて」
マリミエドがまだ不安そうに言うのを聞いて、ユークレースが手を置いて見せた。
数値は闇が50と光が15、四つそれぞれのゲージが60以上だ。
「光は神聖力でもある。これは、皆持っているので10~20が一般的だ。ギル」
「…見劣りしそうで嫌だが」
そう言いながらギルベルトも水晶に手を置いて見せる。
数値は闇と光が10、緑のゲージが95、青20、他の二つは10だ。
「違いますのね…あら、では緑が風という事ですわね」
「ああ、何の説明もしないで済まない。青が水、赤が炎、緑が風で茶色が土を表している。白が光…つまり神聖力。黒は闇で魔力を表す。ギルが一般的だな」
ユークレースが説明をした。
「こうしてみると楽しいですわね。わたくし初めてで、なんだか嬉しいですわ」
やっとマリミエドが明るい笑顔でそう言った。
ギルベルトは胸を押さえ、ユークレースは微笑んだ。
装置を片付けてから、ユークレースが喋る。
「昼食はどうするんだ?俺は街のレストランに行くが…」
「勿論食べに行くさ、いいかい?リュミ」
ギルベルトが聞くと、マリミエドはコクリと頷いて微笑んで言う。
「ええ、楽しいランチになりそうですわね」
「……っ!」
その笑顔に再びギルベルトは胸を押さえ、ユークレースは照れを隠すように手を口元に置いて横を向いた。
「では利き手を乗せて、魔力を少し流してくれ」
「魔力を少し…」
マリミエドは右手で水晶に触れて魔力を少し放出した。
すると水晶が様々な色に移り変わる。
「これは…」
ユークレースとギルベルトが驚いて水晶を見る。
「…どの属性も同じ…いや、待ってくれ。数値化する装置も持ってこよう!」
そう言うとユークレースはまた奥に行く。
すると30センチ四方の四角いタイルのような物を持ってきて机に置く。
「下の水晶に手を置いてくれ。先程と同じように魔力を」
ユークレースが興奮気味に言う。
「はい…」
マリミエドは戸惑いながらも右手を置いて魔力を放出する。
するとタイルの上部にゲージが六本現れた。
それぞれの横に数値…白いゲージが70と黒いゲージが30、青・赤・緑・茶色の四つは40となっている。
「こんなに素晴らしいとは…これなら聖女になれるし、魔塔でも聖塔でも聖魔塔でもどこでも管理が出来るだろう」
「え…でも、わたくしは聖女にはなりませんわ」
「んー…しかし闇が30か…光と合わせてちょうど百だな。一般より高いが何故か…」
ユークレースは独り言のように喋る。
それらが何を表しているのか分からないマリミエドには、何も言えずにいた。
すると同じく詳しくは分からないギルベルトが言う。
「ユーク、この結果は良いという意味だろう?」
「ああ勿論だ。それぞれのエレメントが等しくある人間などそうそう居ない」
「あの…お2人の結果も見たいのですが…わたくしだけだと、どんなものかも分からなくて」
マリミエドがまだ不安そうに言うのを聞いて、ユークレースが手を置いて見せた。
数値は闇が50と光が15、四つそれぞれのゲージが60以上だ。
「光は神聖力でもある。これは、皆持っているので10~20が一般的だ。ギル」
「…見劣りしそうで嫌だが」
そう言いながらギルベルトも水晶に手を置いて見せる。
数値は闇と光が10、緑のゲージが95、青20、他の二つは10だ。
「違いますのね…あら、では緑が風という事ですわね」
「ああ、何の説明もしないで済まない。青が水、赤が炎、緑が風で茶色が土を表している。白が光…つまり神聖力。黒は闇で魔力を表す。ギルが一般的だな」
ユークレースが説明をした。
「こうしてみると楽しいですわね。わたくし初めてで、なんだか嬉しいですわ」
やっとマリミエドが明るい笑顔でそう言った。
ギルベルトは胸を押さえ、ユークレースは微笑んだ。
装置を片付けてから、ユークレースが喋る。
「昼食はどうするんだ?俺は街のレストランに行くが…」
「勿論食べに行くさ、いいかい?リュミ」
ギルベルトが聞くと、マリミエドはコクリと頷いて微笑んで言う。
「ええ、楽しいランチになりそうですわね」
「……っ!」
その笑顔に再びギルベルトは胸を押さえ、ユークレースは照れを隠すように手を口元に置いて横を向いた。
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