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第一幕 断罪からの始まり
vs14 ユークレースの気遣い
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何故か、中庭のガゼボに来るとユークレースは透明化とバリアを掛けて防音シールドを張る。
「これで、誰も近寄っては来ないし誰かが貴女と俺が長い時間2人きりだ…と、噂にしたりしないと思うが…どうかな?」
一応、婚約者が居るので気を遣ったのだが…マリミエドはクスクスと笑う。
「やり過ぎですわ。インビジブルは解いて宜しいですわ」
そう言ってベンチに腰掛けた。
「あ!気が利かなくて済まない…」
そう言いユークレースはハンカチを取り出して反対側のベンチに置く。
「良かったら、こちらに」
「…ふふ、ありがとう」
マリミエドは好意に応じてそちらに座り直した。
代わりにユークレースがマリミエドの座っていた方に座る。
「…何から聞いたらいいか…何故、魔法を?」
「あの…早く浄化しなくては大変な事になると思って、焦ってしまいましたの。ごめんなさい!授業の妨害をするつもりは無かったの…」
「あ、いや授業はいいんだ。何故〝浄化〟を?」
「その…」
〝マリアがポーションに毒のようなものを入れた〟などと言えない。
毒ではないかもしれないし、本人が違うと言えばそれまでで、証明が出来ない。
「ポーションを浄化しなさい、と風の精霊が教えてくれましたの…そう、きっとお兄様が遣わせて下さったのですわ!」
兄がポーションの毒を知らせてくれた事にすればいい、と思い付いてマリミエドは考えながら喋る。
「ギルベルトが?」
「ええ。ポーションが劣化しているようだから急いで浄化するように、と…。そこで本で見た浄化の仕方を思い出して、授業のように〝擬似的〟に作り出そうと必死でやったら、あんな事に…先に言わなくて本当にごめんなさい」
そう言いマリミエドは頭を下げる。
ユークレースは手のひらを向けて眉をひそめて言う。
「謝らなくていい。確かに、浄化するのを見ていたから信じるよ。…しかし、そうか…疑似浄化をその場で…確かに、神聖力は使っていなかったな。大したものだ」
そう言ってユークレースは微笑む。
その笑顔にドキッとしながらも、マリミエドは手を口元に当てて照れを隠す。
「い、いえ…本で読んだから思い付いただけで…きっとアーダルベルト令息でしたら、簡単に出来ましたわ」
「謙遜を。…うん、確かに授業前に何か言い掛けてたな…聞かないで済まない」
マリミエドが話し掛けてきていたのを思い出して、ユークレースは謝罪した。
「いえ、誰も怪我をしていなかったのが幸いですわ」
そう言い微笑むマリミエドを見て、ユークレースもドキッとして頬を赤らめて拳で軽く胸を押さえる。
〈…俺も、あいつらの仲間入りか…?!〉
まさか自分は女に熱を上げたりしないと思っていたので、ユークレースは自分を疑う。
〈いやいや、気のせいだ〉
そう自分を誤魔化して立ち上がる。
「メイナード令嬢、話してくれてありがとう。この事は俺から学院長に話しておこう。君は教室に戻りなさい」
そう言って手を差し伸べる。
「はい、宜しくお願いしますわ」
マリミエドはその手を取って立ち上がり、途中までのエスコートを受けて、互いに会釈をして別れた。
「これで、誰も近寄っては来ないし誰かが貴女と俺が長い時間2人きりだ…と、噂にしたりしないと思うが…どうかな?」
一応、婚約者が居るので気を遣ったのだが…マリミエドはクスクスと笑う。
「やり過ぎですわ。インビジブルは解いて宜しいですわ」
そう言ってベンチに腰掛けた。
「あ!気が利かなくて済まない…」
そう言いユークレースはハンカチを取り出して反対側のベンチに置く。
「良かったら、こちらに」
「…ふふ、ありがとう」
マリミエドは好意に応じてそちらに座り直した。
代わりにユークレースがマリミエドの座っていた方に座る。
「…何から聞いたらいいか…何故、魔法を?」
「あの…早く浄化しなくては大変な事になると思って、焦ってしまいましたの。ごめんなさい!授業の妨害をするつもりは無かったの…」
「あ、いや授業はいいんだ。何故〝浄化〟を?」
「その…」
〝マリアがポーションに毒のようなものを入れた〟などと言えない。
毒ではないかもしれないし、本人が違うと言えばそれまでで、証明が出来ない。
「ポーションを浄化しなさい、と風の精霊が教えてくれましたの…そう、きっとお兄様が遣わせて下さったのですわ!」
兄がポーションの毒を知らせてくれた事にすればいい、と思い付いてマリミエドは考えながら喋る。
「ギルベルトが?」
「ええ。ポーションが劣化しているようだから急いで浄化するように、と…。そこで本で見た浄化の仕方を思い出して、授業のように〝擬似的〟に作り出そうと必死でやったら、あんな事に…先に言わなくて本当にごめんなさい」
そう言いマリミエドは頭を下げる。
ユークレースは手のひらを向けて眉をひそめて言う。
「謝らなくていい。確かに、浄化するのを見ていたから信じるよ。…しかし、そうか…疑似浄化をその場で…確かに、神聖力は使っていなかったな。大したものだ」
そう言ってユークレースは微笑む。
その笑顔にドキッとしながらも、マリミエドは手を口元に当てて照れを隠す。
「い、いえ…本で読んだから思い付いただけで…きっとアーダルベルト令息でしたら、簡単に出来ましたわ」
「謙遜を。…うん、確かに授業前に何か言い掛けてたな…聞かないで済まない」
マリミエドが話し掛けてきていたのを思い出して、ユークレースは謝罪した。
「いえ、誰も怪我をしていなかったのが幸いですわ」
そう言い微笑むマリミエドを見て、ユークレースもドキッとして頬を赤らめて拳で軽く胸を押さえる。
〈…俺も、あいつらの仲間入りか…?!〉
まさか自分は女に熱を上げたりしないと思っていたので、ユークレースは自分を疑う。
〈いやいや、気のせいだ〉
そう自分を誤魔化して立ち上がる。
「メイナード令嬢、話してくれてありがとう。この事は俺から学院長に話しておこう。君は教室に戻りなさい」
そう言って手を差し伸べる。
「はい、宜しくお願いしますわ」
マリミエドはその手を取って立ち上がり、途中までのエスコートを受けて、互いに会釈をして別れた。
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