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第1部
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*無理やりの描写があります。苦手な方はお気を付け下さい。(五行下)
陽のぞっとするほど美しい微笑みがわたしを見下ろしている。その笑顔を見上げるわたしの顔には涙の痕がいくつもあった。
ここはわたし達が生まれ陽が育った洋館の、樋野家の当主と正妻のためだけの寝室――通称「薔薇の間」と呼ばれる部屋だ。その天蓋つきのベッドの上でわたしは陽に、血を分けた双子の弟に犯され続けていた。
「ひっ……やっ……ああっ……」
もう何度体の中に熱を放たれたのか分からない。すでに喉は枯れ絶望と疲労だけがわたしの目に浮かんでいた。それでも突き入れられるたびまだ声が漏れ出る。
「陽、もうやめてぇ……。こんなの、駄目だよぉ……」
衣服はすべて取り払われ、手首はロープで拘束され、ベッドに大の字に繋がれている。もう何日目になるのだろうか、朝と夜を数える気力すらない。誰も助けに来ないことは分かっている。お父さんも、お母さんも、パパも、ママも、一樹君も皆いなくなってしまった。
ずるりと陽の熱が体から一気に引き出される。白濁と蜜の入り混じりがどろりとシーツに流れた。
「お願い、陽。わたし、も、もう……」
また涙がとめどなく零れてくる。
「駄目だ」
陽は優しい、優しい、優しい声で告げ、わたしの目の端から流れる雫を啜った。
「好きだ、瑠奈るな。誰よりも愛してる」
わたしの胸もとに形のよい唇を落とし、いくつもの赤い花を散らす。
「あ……」
「このまま永遠に一緒にいよう。俺たちは太陽と月なんだから、決して離れてはいけないんだ」
そして再び楔をわたしの体にずぶりと容赦なく打ち込んだ。
「あああーっ……」
わたしは悲鳴を上げ、限界まで身を仰け反らせた。陽が腰を激しく動かし始める。結合部がぐちゅぐちゅと嫌らしい音を立てた。わたしは体を揺すぶられながらただ喘ぐ。
「あっ……あっ……あっ……」
陽のどこか上ずった声がわたしの耳に届いた。
「瑠奈、きれいだ。俺に抱かれるお前は、誰よりきれいだ……」
どちらのものともつかぬ体液が、繋がる箇所から漏れ出して来る。わたしはその熱さとおぞましさに吐息を洩らした。
「瑠奈……俺だけの瑠奈」
陽は言葉とともにわたしの腰を抱える。ぐい、とその一点に全ての力を込めた。
「あ、う」
身体と身体の繋がる箇所が更に深く重なり、陽はついに私の一番奥へと入り込む。胎内で陽の欲がみるみる膨らみ、わたしの中で弾けるのを感じた。熱い迸りがどくどくと注ぎ込まれる。
「いやあ……」
わたしは喘ぎながらもうつろな目で陽の顔を見上げた。どうして?と唇から声にならない声が漏れ出る。
どうしてこんなことになってしまったのだろう?
わたしは陽に組敷かれ貫かれながら、確かに幸せだった八月のあの日を思い出していた。
陽のぞっとするほど美しい微笑みがわたしを見下ろしている。その笑顔を見上げるわたしの顔には涙の痕がいくつもあった。
ここはわたし達が生まれ陽が育った洋館の、樋野家の当主と正妻のためだけの寝室――通称「薔薇の間」と呼ばれる部屋だ。その天蓋つきのベッドの上でわたしは陽に、血を分けた双子の弟に犯され続けていた。
「ひっ……やっ……ああっ……」
もう何度体の中に熱を放たれたのか分からない。すでに喉は枯れ絶望と疲労だけがわたしの目に浮かんでいた。それでも突き入れられるたびまだ声が漏れ出る。
「陽、もうやめてぇ……。こんなの、駄目だよぉ……」
衣服はすべて取り払われ、手首はロープで拘束され、ベッドに大の字に繋がれている。もう何日目になるのだろうか、朝と夜を数える気力すらない。誰も助けに来ないことは分かっている。お父さんも、お母さんも、パパも、ママも、一樹君も皆いなくなってしまった。
ずるりと陽の熱が体から一気に引き出される。白濁と蜜の入り混じりがどろりとシーツに流れた。
「お願い、陽。わたし、も、もう……」
また涙がとめどなく零れてくる。
「駄目だ」
陽は優しい、優しい、優しい声で告げ、わたしの目の端から流れる雫を啜った。
「好きだ、瑠奈るな。誰よりも愛してる」
わたしの胸もとに形のよい唇を落とし、いくつもの赤い花を散らす。
「あ……」
「このまま永遠に一緒にいよう。俺たちは太陽と月なんだから、決して離れてはいけないんだ」
そして再び楔をわたしの体にずぶりと容赦なく打ち込んだ。
「あああーっ……」
わたしは悲鳴を上げ、限界まで身を仰け反らせた。陽が腰を激しく動かし始める。結合部がぐちゅぐちゅと嫌らしい音を立てた。わたしは体を揺すぶられながらただ喘ぐ。
「あっ……あっ……あっ……」
陽のどこか上ずった声がわたしの耳に届いた。
「瑠奈、きれいだ。俺に抱かれるお前は、誰よりきれいだ……」
どちらのものともつかぬ体液が、繋がる箇所から漏れ出して来る。わたしはその熱さとおぞましさに吐息を洩らした。
「瑠奈……俺だけの瑠奈」
陽は言葉とともにわたしの腰を抱える。ぐい、とその一点に全ての力を込めた。
「あ、う」
身体と身体の繋がる箇所が更に深く重なり、陽はついに私の一番奥へと入り込む。胎内で陽の欲がみるみる膨らみ、わたしの中で弾けるのを感じた。熱い迸りがどくどくと注ぎ込まれる。
「いやあ……」
わたしは喘ぎながらもうつろな目で陽の顔を見上げた。どうして?と唇から声にならない声が漏れ出る。
どうしてこんなことになってしまったのだろう?
わたしは陽に組敷かれ貫かれながら、確かに幸せだった八月のあの日を思い出していた。
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