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第2話.勇者ですがお嫁に逝きます
08.めでたし、めでたし
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それから約二年後の王宮の一角にあるテラス――そこでは相変わらず宰相と魔術師が、月の光を肴にグラスを傾けていた。ただし今回はアラサー男子トークではなく、明後日の国王の婚礼についての確認を行っている。二人は上機嫌で更に互いに酒を注ぎ合った。
「いや、これで無事王家の血筋が繋がりました」
宰相の感慨深げな言葉に魔術師が苦笑した。
「勇者がなかなか見つからずにどうなることかと思いましたからね。あれだけ条件が厳しかったことは歴代でも初めてだったと思いますよ」
魔術師の意味深な表現に宰相が声を潜め尋ねる。
「……ところで今回の勇者の条件 もとい王の好みは何だったんです?」
魔術師は「それがですねぇ」とグラスに目を落とした。
「ネク……内気だけど芯の強さを持っていて、ついでにちょっと焼き餅焼きのツンデレ……ってのがメイン条件で、対象地域を全世界にして詳細検索をかけたら、ケンゴ様が一〇〇パーセントのマッチでヒットしたんですよ」
「細かっ!! なんつう微妙な注文!!」
「ええ、だから一〇〇パーセントはもう奇跡でしかなかったんですよね。あるいは運命なんでしょうかねえ。無数にある世界の中でケンゴ様たったお一人だったんですから」
――結局勇者ケンゴは最後まで勇者の条件を知らなかった。まあ、知ろうと知らなかろうと、なんだかんだで幸せだったのには違いない。
ところでこの三十年後にまた新たなる勇者が召喚されることになり、またまたてんやわんやの大騒動となるのだがそれはまた別の話。とりあえずはその代の王が黒い髪に青い目の王だったと言うことだけ言っておこう。
たぶん、きっと、おそらく、今度こそめでたしめでたし♪
第2話終
「いや、これで無事王家の血筋が繋がりました」
宰相の感慨深げな言葉に魔術師が苦笑した。
「勇者がなかなか見つからずにどうなることかと思いましたからね。あれだけ条件が厳しかったことは歴代でも初めてだったと思いますよ」
魔術師の意味深な表現に宰相が声を潜め尋ねる。
「……ところで今回の勇者の条件 もとい王の好みは何だったんです?」
魔術師は「それがですねぇ」とグラスに目を落とした。
「ネク……内気だけど芯の強さを持っていて、ついでにちょっと焼き餅焼きのツンデレ……ってのがメイン条件で、対象地域を全世界にして詳細検索をかけたら、ケンゴ様が一〇〇パーセントのマッチでヒットしたんですよ」
「細かっ!! なんつう微妙な注文!!」
「ええ、だから一〇〇パーセントはもう奇跡でしかなかったんですよね。あるいは運命なんでしょうかねえ。無数にある世界の中でケンゴ様たったお一人だったんですから」
――結局勇者ケンゴは最後まで勇者の条件を知らなかった。まあ、知ろうと知らなかろうと、なんだかんだで幸せだったのには違いない。
ところでこの三十年後にまた新たなる勇者が召喚されることになり、またまたてんやわんやの大騒動となるのだがそれはまた別の話。とりあえずはその代の王が黒い髪に青い目の王だったと言うことだけ言っておこう。
たぶん、きっと、おそらく、今度こそめでたしめでたし♪
第2話終
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