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第三章「侍女ですが、○○○に昇格しました。」
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「それは……」
ドミニクに注意されたからとは、告げ口のようで言い辛くて口を噤む。
「今まで申し訳ございませんでした。恐れ多くもお名前を呼んでおりました」
「……」
アルフレッドはソランジュの顎を掴んだまま、「お前はそのままでいい」と言い切った。
「だからソランジュ、俺の名を呼んでみろ」
「で、ですが……んっ……」
開いた口を何を言う間もなく熱い唇で塞がれてしまう。
「……言い訳は必要ない」
ドミニクと同じ言葉とともにまた呼吸を奪われる。
「んんっ……」
手首を掴まれ身動きができない。口内を熱い舌で蹂躙され、息を吐くことすら難しくなっていく。
「……ん……はっ」
その間にアルフレッドはソランジュの背に手を回し、お仕着せのドレスの背のホックを外した。
「あ……ン」
濃厚な官能の予感を覚えて身悶えたが、逞しいアルフレッドから逃れられるはずもない。
「アルフレッドと呼べ」
「あっ……」
ドレスをシュミーズごとずり下ろされ、瞬く間に生まれたままの姿にされてしまう。ぱさりと衣服が石畳に落ちると、身を守るものが何もなくなってしまった。
ふるりとまろび出た乳房を反射的に覆い隠そうとする前に、背と膝裏に手を回され軽々と横抱きに抱き上げられてしまう。
「きゃっ」
思わずその逞しい肩と首に手を回す。いつの間にかアルフレッドもズボンを脱いでおり、互いに一糸纏わぬ姿なのだと気付いてますます頬が熱くなった。
「俺に逆らおうとするのはお前だけだ」
「そ、んな」
そんなつもりはなかったと身を震わせる。
「も、申し訳ございません。私は……」
アルフレッドは腕の中のソランジュと目を合わせた。
「俺の名を呼んでいいのもお前だけだ」
「……っ」
その視線の強さに息を呑む間に、湯船に連れて行かれて入れられてしまう。
ざぶんと水音がしたかと思うと、全身が熱い湯に包まれ、伸ばしたアルフレッドの足の上に座らされた。腹に手を回されがっしり固定され、それ以上動けなくなる。
「……っ」
背にアルフレッドの厚い胸板が当たる。
ソランジュが思わず身を捩ろうとすると、すかさず手に力が込められ、離れるなとばかりに抱き寄せられた。耳元にアルフレッドの熱っぽい吐息がかかる。
「誰に何を言われたのか知らんが、お前は俺の言葉だけ聞いていればいい」
唇が濡れた金髪を掻き分け首筋に押し当てられた。肌を吸われると「ひゃんっ」と鼻に掛かった声を上げてしまう。
続いて背後から濡れた胸を入念に揉み込まれると、もう何も考えられなくなっていった。
「もう一度俺の名を呼んでみろ」
「あ……ン」
アルフレッドが力強く愛撫するごとにぱしゃぱしゃと湯が跳ねる。
大きな手の平の中で柔らかな肉の塊が形を変え、薄紅色の先端がピンと立ってソランジュの快感を伝える。全身が内側から湯と同じ熱さに火照っていく。
「……っ」
名を呼ぶどころではなかった。
「やぁん……」
腹の奥がじゅんと熱くなり蜜を滾々と分泌する。
そのタイミングを見計らったかのように、アルフレッドがソランジュの腰を持ち上げ、すでにいきり立っていたみずからの分身で、真下から時間を掛けて貫いていった。
「あっ……ああっ……ああぁっ……」
体内でずぶずぶと肉の楔を埋め込まれる音が響く。
最後にズンと最奥を突き上げられる衝撃で身を仰け反らせた。腰と腰がこれ以上ないほど密着している。内臓を押し上げられる感覚についいやいやと首を横に振ってしまった。
「……っ」
アルフレッドの灼熱の吐息が肩にかかり肌が焼け焦げそうだ。
肩だけではない。背後から筋肉質の腕と胸で包み込まれると、全身が性感帯になったかのように熱くなる。
「あっ……あっ……んぁぁ……」
腰をぐっと掴まれ上下に揺すぶられると時折首がガクンと落ちて、水面の下にあるアルフレッドと繋がる箇所が目に入った。
「……っ」
羞恥心に体がまた熱を持つ。体内をみっしり埋めるアルフレッドの雄の証も、ソランジュと同じ熱さになっていた。
「――ソランジュ」
アルフレッドに名を呼ばれ息も絶え絶えに振り返ると、そのまま唇を熱と吐息ごと奪われる。
「ん……ん……」
ようやく解放されたかと思うと、また腰を持ち上げられた。ずるりと隘路から肉の楔が引き抜かれる感覚に、目を見開く間に体を反転させられる。
気が付くとアルフレッドの眼差しがすぐそばにあった。自分だけを映す瞳のその強い煌めきに目を奪われる。
だが、それも一瞬で激しくアルフレッドの肉の楔の上に落とされると、くぐもったパンという音とともにすべての思考が弾け飛んだ。
手から力が抜け落ちだらりと下がる。
「あ、るふれっど、さまぁ……」
「そうだ、ソランジュ。それでいい」
湯の熱さとアルフレッドの熱と湯気が次第に意識を曖昧なものにしていく。愛する人に求められ、抱かれる喜びに身も心も蕩けていく。
「あ……あっ……アルフレッド様……」
それでも、その夜のソランジュの脳裏には、どうしても離れてくれないドミニクの一言があった。
ドミニクに注意されたからとは、告げ口のようで言い辛くて口を噤む。
「今まで申し訳ございませんでした。恐れ多くもお名前を呼んでおりました」
「……」
アルフレッドはソランジュの顎を掴んだまま、「お前はそのままでいい」と言い切った。
「だからソランジュ、俺の名を呼んでみろ」
「で、ですが……んっ……」
開いた口を何を言う間もなく熱い唇で塞がれてしまう。
「……言い訳は必要ない」
ドミニクと同じ言葉とともにまた呼吸を奪われる。
「んんっ……」
手首を掴まれ身動きができない。口内を熱い舌で蹂躙され、息を吐くことすら難しくなっていく。
「……ん……はっ」
その間にアルフレッドはソランジュの背に手を回し、お仕着せのドレスの背のホックを外した。
「あ……ン」
濃厚な官能の予感を覚えて身悶えたが、逞しいアルフレッドから逃れられるはずもない。
「アルフレッドと呼べ」
「あっ……」
ドレスをシュミーズごとずり下ろされ、瞬く間に生まれたままの姿にされてしまう。ぱさりと衣服が石畳に落ちると、身を守るものが何もなくなってしまった。
ふるりとまろび出た乳房を反射的に覆い隠そうとする前に、背と膝裏に手を回され軽々と横抱きに抱き上げられてしまう。
「きゃっ」
思わずその逞しい肩と首に手を回す。いつの間にかアルフレッドもズボンを脱いでおり、互いに一糸纏わぬ姿なのだと気付いてますます頬が熱くなった。
「俺に逆らおうとするのはお前だけだ」
「そ、んな」
そんなつもりはなかったと身を震わせる。
「も、申し訳ございません。私は……」
アルフレッドは腕の中のソランジュと目を合わせた。
「俺の名を呼んでいいのもお前だけだ」
「……っ」
その視線の強さに息を呑む間に、湯船に連れて行かれて入れられてしまう。
ざぶんと水音がしたかと思うと、全身が熱い湯に包まれ、伸ばしたアルフレッドの足の上に座らされた。腹に手を回されがっしり固定され、それ以上動けなくなる。
「……っ」
背にアルフレッドの厚い胸板が当たる。
ソランジュが思わず身を捩ろうとすると、すかさず手に力が込められ、離れるなとばかりに抱き寄せられた。耳元にアルフレッドの熱っぽい吐息がかかる。
「誰に何を言われたのか知らんが、お前は俺の言葉だけ聞いていればいい」
唇が濡れた金髪を掻き分け首筋に押し当てられた。肌を吸われると「ひゃんっ」と鼻に掛かった声を上げてしまう。
続いて背後から濡れた胸を入念に揉み込まれると、もう何も考えられなくなっていった。
「もう一度俺の名を呼んでみろ」
「あ……ン」
アルフレッドが力強く愛撫するごとにぱしゃぱしゃと湯が跳ねる。
大きな手の平の中で柔らかな肉の塊が形を変え、薄紅色の先端がピンと立ってソランジュの快感を伝える。全身が内側から湯と同じ熱さに火照っていく。
「……っ」
名を呼ぶどころではなかった。
「やぁん……」
腹の奥がじゅんと熱くなり蜜を滾々と分泌する。
そのタイミングを見計らったかのように、アルフレッドがソランジュの腰を持ち上げ、すでにいきり立っていたみずからの分身で、真下から時間を掛けて貫いていった。
「あっ……ああっ……ああぁっ……」
体内でずぶずぶと肉の楔を埋め込まれる音が響く。
最後にズンと最奥を突き上げられる衝撃で身を仰け反らせた。腰と腰がこれ以上ないほど密着している。内臓を押し上げられる感覚についいやいやと首を横に振ってしまった。
「……っ」
アルフレッドの灼熱の吐息が肩にかかり肌が焼け焦げそうだ。
肩だけではない。背後から筋肉質の腕と胸で包み込まれると、全身が性感帯になったかのように熱くなる。
「あっ……あっ……んぁぁ……」
腰をぐっと掴まれ上下に揺すぶられると時折首がガクンと落ちて、水面の下にあるアルフレッドと繋がる箇所が目に入った。
「……っ」
羞恥心に体がまた熱を持つ。体内をみっしり埋めるアルフレッドの雄の証も、ソランジュと同じ熱さになっていた。
「――ソランジュ」
アルフレッドに名を呼ばれ息も絶え絶えに振り返ると、そのまま唇を熱と吐息ごと奪われる。
「ん……ん……」
ようやく解放されたかと思うと、また腰を持ち上げられた。ずるりと隘路から肉の楔が引き抜かれる感覚に、目を見開く間に体を反転させられる。
気が付くとアルフレッドの眼差しがすぐそばにあった。自分だけを映す瞳のその強い煌めきに目を奪われる。
だが、それも一瞬で激しくアルフレッドの肉の楔の上に落とされると、くぐもったパンという音とともにすべての思考が弾け飛んだ。
手から力が抜け落ちだらりと下がる。
「あ、るふれっど、さまぁ……」
「そうだ、ソランジュ。それでいい」
湯の熱さとアルフレッドの熱と湯気が次第に意識を曖昧なものにしていく。愛する人に求められ、抱かれる喜びに身も心も蕩けていく。
「あ……あっ……アルフレッド様……」
それでも、その夜のソランジュの脳裏には、どうしても離れてくれないドミニクの一言があった。
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