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3.その目的とは!?
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さて、突然だが私は日本人の転生者である。前世の私は結婚二年目の小梨の主婦だった。ところが買い物帰りに居眠り運転のトラックに轢かれ、呆気なく死んでしまったのだ。享年アラサーと呼べるギリギリ歳。若くもないが死ぬには早い年だった。
けれどもその後すぐに意識を暗い穴に放り込まれ、次に明るい外へ引き摺り出され、恐ろしさのあまりオギャアと泣いたのだ。ユージェニー・シャーロット・クルーとしての第二の人生の始まりである。
それから私は大勢の召使いにかしずかれ、両親にとことん甘やかされ蝶よ花よと育てられた。そしてようやく歩けるようになった二歳の年に、自分が異世界転生を果たしたと知ったのだ。
いやー、衝撃だったわ。頭をガツンと殴られた気がしたわ。あの日は今でも覚えているわ。頭にハテナマークを浮かべつつ鏡を覗き込んでみると、銀髪碧眼のスーパー美幼女が写っていたんだから。ネット小説ではよく読んでいたけれども、まさか実地体験することになるとは思わなかった。
私の生まれた場所はなんちゃってヨーロッパな国家で、時代はやはりお約束の中世と言ったところらしい。王と貴族を頂点とするまんまライトでノベルな世界観だった。ドレスフリフリピラピラ・ワールドである。王子様のカボチャパンツはなくてよかった。
私は始めこそ地球から切り離されたと落ち込んではいたものの、前世の主婦の図太さをもって約一日で立ち直った。ついでに開き直った。せっかく貴族の令嬢に、しかも美しく生まれついたんだもの。楽しまなくちゃ損じゃない?やってみたくてもできなかったこともやりましょうよと。
ところで前世の私は安定目当ての見合い結婚だった。よくある話でまったくモテないのに高望み。これまたよくある話でその挙句のこじらせ独身。アラサーになって現実を認識してから慌てて婚活を始め、どうにか公務員の旦那と結婚できたのは幸いだった。
が、旦那を男として好きだったわけではない。ぶっちゃけ旦那の外見はアレだった。私と同じモテない君で、見合いでしか相手の見つからないタイプだった。それでも年月を過ごせば情も沸くかと我慢をして結婚したのだ。
こんな前世だったからこそ最高の外見を頂いた今世は、目的のために最大限にそれを活用することに決めた。私が前世でやってみたくてもできなかったことの一つ――それはずばり逆ハーでしょう!
けれどもその後すぐに意識を暗い穴に放り込まれ、次に明るい外へ引き摺り出され、恐ろしさのあまりオギャアと泣いたのだ。ユージェニー・シャーロット・クルーとしての第二の人生の始まりである。
それから私は大勢の召使いにかしずかれ、両親にとことん甘やかされ蝶よ花よと育てられた。そしてようやく歩けるようになった二歳の年に、自分が異世界転生を果たしたと知ったのだ。
いやー、衝撃だったわ。頭をガツンと殴られた気がしたわ。あの日は今でも覚えているわ。頭にハテナマークを浮かべつつ鏡を覗き込んでみると、銀髪碧眼のスーパー美幼女が写っていたんだから。ネット小説ではよく読んでいたけれども、まさか実地体験することになるとは思わなかった。
私の生まれた場所はなんちゃってヨーロッパな国家で、時代はやはりお約束の中世と言ったところらしい。王と貴族を頂点とするまんまライトでノベルな世界観だった。ドレスフリフリピラピラ・ワールドである。王子様のカボチャパンツはなくてよかった。
私は始めこそ地球から切り離されたと落ち込んではいたものの、前世の主婦の図太さをもって約一日で立ち直った。ついでに開き直った。せっかく貴族の令嬢に、しかも美しく生まれついたんだもの。楽しまなくちゃ損じゃない?やってみたくてもできなかったこともやりましょうよと。
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が、旦那を男として好きだったわけではない。ぶっちゃけ旦那の外見はアレだった。私と同じモテない君で、見合いでしか相手の見つからないタイプだった。それでも年月を過ごせば情も沸くかと我慢をして結婚したのだ。
こんな前世だったからこそ最高の外見を頂いた今世は、目的のために最大限にそれを活用することに決めた。私が前世でやってみたくてもできなかったことの一つ――それはずばり逆ハーでしょう!
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