ポツンと一軒家の主婦は元賢者〜夫を半殺しにしたら、世界の声が、魔法を駆使して快適スローライフを目指します

お姉ちゃんの正体

しおりのマンションは億ションと言われるものでかなり豪華だ

最上階とまではいかないが、そこそこ上の階にある

「何飲む？ポーション？」

そんな冗談を飛ばすしおりにひよりはため息をつく

「ミネラルウォーターお願い」

ソファに座ると、グラスとペットボトルのウォーターを持ってきてついでくれる

隣に座ると、しおりは笑顔で向き合う

「私の紹介からした方がいいかな？」

自分はビールを缶ごと飲んでいる

「私はね、鑑定士だったの、だから相手のステータス画面画面を見ることができるのよ」

なるほど、だから私のステータス画面の変化がわかったのか

「いつから前世の記憶はあったの？」

「ひよりが昔、近所のバカ犬に追いかけられて、私がそれをボコボコにしたときにね、世界の声を聞いたのよ」

淡々となんでもないことのように話す。

「じゃあ、お姉ちゃんは私の味方なのは変わりないのかな？」

上目遣いでみてくるひよりに、しおりはドキッとする

「…それはひよりが、変わっていないならかな？」



ひよりはゆっくりと昨日のことを話しだした

つよしを殴ったこと、世界の声、隠蔽工作、それはまるで懺悔のように

張り詰めていた糸が切れるように涙が溢れた


「頑張ったんだね、大丈夫だよ、これからも私はひよりの味方だから」