ポツンと一軒家の主婦は元賢者〜夫を半殺しにしたら、世界の声が、魔法を駆使して快適スローライフを目指します

前世の記憶

ファンファーレを聞いた瞬間、ひよりは前世の記憶を思い出した。
ひよりは賢者だった。魔法に魔法薬、更に魔道具を駆使して村人を助け、魔獣や魔物から守っていた。

「アホらしぃ」
その記憶が戻ったことで、先程までのつよしへの強い怒りも、悲しみも収まっていった。　

だいたいなんでこんなつよしアホに尽くさなければならないのか？
子供ができた？離婚がしたい？勝手なことばかりいって。

ただではさせない、このつよしアホから継続的にお金をむしり取り方法を考えだす。

「とりあえず、このタンコブをなんとかしないといけないわね」

つよしの頭には大きなタンコブができている。
もうひよりは、つよしが死んでいないことはわかっている。
この程度で人が死ねるわけがない。自分程度の攻撃力でクリティカルヒットをだしても、致命傷など到底無理だ。
脳震とうを起こして、気を失っているだけだろう。

しかしこのタンコブがあっては、ひよりが暴力をふるったはっきりとわかってしまう。
離婚の口実にされてしまう。しかもこちらの有責でだ。それではお金をむしり取りのは無理になってしまう。

まずひよりはステータス画面を開いた。
そこで思いいもよらない嬉しいことがあった。