嫌われ王様の側室 ☆☆ちょっとだけ幽閉もあるよ☆☆

モスマンの娘

文字の大きさ
上 下
19 / 19

19.エンドロール

しおりを挟む
「ダークさん、とりあえずアキラさんにどんなやり方で綺麗にしたか教えてください

そして一ヶ月くらい、隣国と来年の小麦の価格について交渉してきてください
この見積もり額は高すぎます、もう少し値切れるでしょ?」

「はは…イヤイヤ別に普通に綺麗にしただけですよ?
そんなそんな、王様にお教えするようなことじゃありませんよ?
まさか、今後は王様がやられるとか?これは私のような側室あがりの経験者がやるものですよ?

そんな交渉は大臣あたりにやらせたらいいでしょう?
はは…まさかのそれにしても貴方は、元王様を側室にするなんて思いもしませんでしたよ!」


憎々しげな宰相のダークさんと執務室で大量の書類を捌きながら、話している。
この仕事が終わらないと、アキラさんとゆっくりとした夜を楽しめないのだ
そりゃ必死に仕事をするよ。


「貴方抱かれてませんよね?経験ないですよね?
アキラさんは誰も抱けない体ですからね、もう知ってますから!
もうアキラさんに指一本触れさせませんからね!

僕は貴方に隣国に行ってほしいんですよ!
僕が側室にしなかったら、アキラさんを囲うつもりだったんですか?
アキラさんが住処に選んだあんな生産性のないような領土を、貴方は買い集めてましたよね?」


ダークさんがチッとあからさまな舌打ちをする。
普段冷静なダークさんにしては、珍しく苛立ちを隠せていない


「本当に油断も隙もないですね、ヒロシさんも騎士団長をやめる準備をしてたし、あの僻地領主騎士にでもなるつもりだったのかな?
他にもあれやこれや動いている貴族や大臣や、副司祭すら変な動きしてたし…」


調べれば調べるほどに怪しい動きの者たちが現れる
副司祭に至ってはアキラさんを聖女に祭り上げて、教会管理にしようとしてたし!なにしてんだよ…


「くっ…王様も上手にジョン君を育てましたね!
こんな、裏をかかれるなんて…
はぁ…まさかまさか、あそこは今、絶賛値上がり中の土地ですよ?
売ったら10倍にはなりました。投資目的で買っただけですよ
隣国には行きますが、交渉事は元王様がお上手でしたから、同伴を願ってよろしいですか?」

「いいわけないでしょ?
あの人は僕の側室なの!
値上がりしたのは、アキラさんを囲いたい元側室たちが競って合って買い上げるからですよね
絶対に他の方には渡しませんからね!暴君と言われようが、アキラさんは僕だけの側室ですからね!!」





王都サンクメルクは賢王ジョンにより、これまでにない繁栄を極めていった。

屈強な肉体に類まれない賢さ、先見の明が鋭かった王は、決して側妃を娶らず、ただ一人の側室を愛し続けた。

その側室は終ぞ国民の前には披露目られることはなかったが、王国を支えた大臣、貴族、騎士たちがこぞって誠に美しく賢く最高の側室と褒め称え

『サンクメルクの秘宝』と後に言われるようになった。


《end》



=============

最後までお付き合いありがとうございました。
物語調ぽい雰囲気に憧れましたが、なかなか難しかったです。

ご感想等いただけたら、喜んで飛び跳ねます。
番外編へのリクエストなんてもらえたら、踊りながら書いちゃいます。
しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

きかる
2023.01.16 きかる

初めまして。アキラさんに閨の本渡したのが誰か気になりますw面白く読ませていただきました。

モスマンの娘
2023.01.16 モスマンの娘

きかる様
感想ありがとうございます。
執事長(元暗殺者)が渡したっという実は設定がありました。
そこに気づいていただけるなんて、すごく嬉しいです。ありがとうございます。

「夢から覚めるなら殺して〜」に出てくる田中っというキャラをイメージしています。
よろしければ、読んでいただけると嬉しいです。こちらは処女作でかなりの乱文ですが…

解除

あなたにおすすめの小説

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

悩める文官のひとりごと

きりか
BL
幼い頃から憧れていた騎士団に入りたくても、小柄でひ弱なリュカ・アルマンは、学校を卒業と同時に、文官として騎士団に入団する。方向音痴なリュカは、マルーン副団長の部屋と間違え、イザーク団長の部屋に入り込む。 そこでは、惚れ薬を口にした団長がいて…。 エチシーンが書けなくて、朝チュンとなりました。 ムーンライト様にも掲載しております。 

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

黄色い水仙を君に贈る

えんがわ
BL
────────── 「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」 「ああ、そうだな」 「っ……ばいばい……」 俺は……ただっ…… 「うわああああああああ!」 君に愛して欲しかっただけなのに……

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

君と秘密の部屋

325号室の住人
BL
☆全3話 完結致しました。 「いつから知っていたの?」 今、廊下の突き当りにある第3書庫準備室で僕を壁ドンしてる1歳年上の先輩は、乙女ゲームの攻略対象者の1人だ。 対して僕はただのモブ。 この世界があのゲームの舞台であると知ってしまった僕は、この第3書庫準備室の片隅でこっそりと2次創作のBLを書いていた。 それが、この目の前の人に、主人公のモデルが彼であるとバレてしまったのだ。 筆頭攻略対象者第2王子✕モブヲタ腐男子

何故か正妻になった男の僕。

selen
BL
『側妻になった男の僕。』の続きです(⌒▽⌒) blさいこう✩.*˚主従らぶさいこう✩.*˚✩.*˚

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。