嫌われ王様の側室 ☆☆ちょっとだけ幽閉もあるよ☆☆

モスマンの娘

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9.王様の望み

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そして王様になって10年が経っていた。そろそろ最後の側室を召し取ることにした。

最後くらいは自分の好みの子にすることにした。
フワフワでモコモコの可愛い獣人の子供を見つけた。きっとあの子を撫でるのは気持ちいいだろうなっと想像して頬が緩んだ。


第三王子で育ちもいいし、一通りのマナーもできそうだ。戦争で勝ち属国になることが決まっていた。
第三王子なので、さして抵抗もなく側室に迎えられた。


そしてその子を王様として育てることにしたのだ。
そう…僕の望みは、したいことは…
僕の大嫌いなこの血を、この憎い血筋を王族から消して、僕の側室達にそぎ変えることだった。



王家の血の入っている、公爵家から大臣、大聖堂の司祭まですべて元側室達を払下げている。
王様の側室の払い下げなど、皆がこぞって欲しがったから。
さらにその者達は、王様の加護を受け優遇されていく。


もう20年もすれば、側室達が第一線に出てくるだろう。
そう、僕は僕の側室の国を作ったんだ。


≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈


王様の話を聞いて、信じられなくて隣にいるダークさんの顔を見る。
小さく頷く様に背筋が氷ついていく。


「ジョン君、大丈夫だよ?
ほとんどの役職持ちは君を受け入れて補佐してくれるさ、なんてったって、君と同じ元側室だからね?
君はそんなに男らしくて、かっこよくて、強くて賢い、完璧な王様だ!」 


うっとりとしたような顔で王様が僕を見る。だから僕をこんな風に育てあげたんだね!
僕を王様にするために…


僕は怒りとも困惑ともつかない気持ちだったけど、とにかく考えた。
ひたすらに今後のことを……


『裏をかかれないように、新しい情報を常に先に制しなさい』


王様が僕にひたすら教えてくれたことだから………
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