嫌われ王様の側室 ☆☆ちょっとだけ幽閉もあるよ☆☆

モスマンの娘

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8.その血を…

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また一人、また一人っと側室を召し取っては、その者達は僕に色々なことを教えてくれた。


権力争いに負けて聖職者を追われて、露頭に迷っていた神官は、僕に人に甘えることを教えてくれた。

公爵家に暗殺に入って失敗し、捕らえられて処刑を待つ身だった暗殺者は、僕に人を恨むことを教えてくれた。

僕は側室を召し取っては、払下げるを繰り返し、ちょっとだけその者たちを優遇していった。




もう10人は払下げをしたころ、僕の世界がガラリと変わることが起きてしまった。
ある貴族が違法の薬を売りさばいて利益を得ていることが露見した。
その薬での商売は、即刻お取り潰しの上に処刑か幽閉と決まっている。

しかし、その貴族の夫人が僕にお目通りを願い出でてきたのだ。
僕は会って驚愕した。
母親だと思っていた人だった……
王様になってからはあえていなかった。

もう会えないと思っていた人だった。
ずっと会いたかった人だった。


そこで夫人は僕の母親役を行っていたこと、本当の母親は口封じのため僕を産み落とすとすぐに処刑されたことをペラペラってま話すと、知らぬ仲ではないのだから助けてほしいっと懇願してきた。


『その血を誇りなさい!』


僕が唯一守っていた言葉は、単なる僕を操るだけの虚言でしかなかったのだ……


その後はどうなったのかはわからない、でも僕はその元母親のためには何もしなかった。



そのあと僕はどうしたらいいかわからなかった…
自分の中にある怒りの矛先は、自分の血に向かった。
自分の中の悲しみは、この血を持って産まれたことに向かった。 


どうしても答えがでない僕は、元側室達を頼った。
僕が招集をかけると、誰一人として欠けずに、すぐに来てくれたことが何よりも嬉しかった。


皆の顔を見たときに、僕のしたいことがわかった気がした。
僕の提案を聞いても、誰一人反対しなかったし力を貸してくれることを約束してくれた。


僕はそれからさらに多くの側室を召し取っては払下げていった。
側室には庶民や平民や奴隷に犯罪者、特に不遇な立場の者から選んだ。
僕の話を聞けば、皆が賛同してくれ力を貸してくれた。
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