嫌われ王様の側室 ☆☆ちょっとだけ幽閉もあるよ☆☆

モスマンの娘

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6.ダークとの出会い

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言われるがままにしていた仕事で、領地の視察があった。
そのときにダークに出会った。

真っ直ぐで愚直な印象、視察先の商家で小間使いのようなことをさせられていた。あまりいい扱いではないのが直ぐにわかる
汚れた体や服装、自分よりも小さな小間使い達の代わりに叱られて鞭を打たれているのを見かけた。


あぁ…あの子と話したいなっと思った。
初めて自分から何かを欲した。そこで初めて自分から動いみた。
どうすればいいか調べて、王様の権限で誰にも許可がいらないことを思いついた。



「あの者を、僕の側室とする」


ダークと初めてあったときは、かなり怯えられてしまった。
去勢させられるところだったと、涙目で訴えられた。そんなこと頼んでいないのだが…
大臣達が早合点したらしい

せめて王様に確認をとってからにしていただきたいっと必死な頼みが聞き入れられて、僕のところにキラキラした、薄いヒラヒラの寝巻姿で寝室に涙目で通されてきた。


「ごめんね、別に君をどうこうしたいわけじゃないんだよ……
ただ君と話してみたかったんだ」


僕の言葉に、涙目で固まったままのダークにとりあえず自分の自己紹介も兼ねて、今までの出来事を話してみた。
淡々と話していくと、ダークは何故か酷く怒り出した。


「あなたは……あなたは何故怒らないのですか?
そんな周りの都合ばかりに振り回されて!幽閉されて、操り人形のような王様をさせられて!
好き放題言われているのに、何故怒らないのですか??」


涙をポロポロ流しながら、僕の代わりのようにダークは怒っていた。


「あなたはもっと怒るべきです!
怒って暴君になっても、誰も咎めはしないような人生ですよ!!」


暴君にはあまりなる気はしないけど…怒ってもいいのかな?っとちょっと思えた。



それからちょっとだけ怒るようになった。
馬鹿みたいな提案をする大臣を叱咤し、無策のような政治をする宰相を糾弾してやった。
周りからはちょっと恐れられたけど、仕事が少し楽になったし、国の予算がわけもわからないような使われ方をしなくなった。


「ダークは何をしたい?
ダークのお陰で僕は怒れるようになったんだ…
お礼がしたいんだ…何をしたい?」

「私は勉強がしたいです。本当に国民が幸せになるにはどうしたらいいか勉強がしたいです。」


僕はダークを文官として払下げをした。
そこからダークがどう学び、立ち振る舞うかは僕にはわからないけど…
他の人よりちょっとだけ優遇されるようにはしておいた。
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