嫌われ王様の側室 ☆☆ちょっとだけ幽閉もあるよ☆☆

モスマンの娘

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1.出会い

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ここは王都サンクメルク
僕はここの王様の側室になるため連れてこられた。
馬車から見える景色は僕がいた獣人の国とは全く違って……

白や明るい茶色の壁に、庭には花々がたくさん育てられている。
綺麗に舗装された道路に、街には子供や老人も沢山見える。

僕の獣人の国はもっとゴミや糞尿で薄汚れた道に、たまに転がっている行き倒れの獣人
強盗、強姦、暴行が日常茶飯事で老人や子供がフラフラと道なんて歩けない
まず老人なんてほとんどいない
なる前に死んでしまうから

その獣人の国はこの王国に戦争を仕掛けて、反対に負けて侵略された…
でも、この町並みをみたらわかる
負けて当然だ、勝てるわけがなかったんだ…



僕は完全に侵略されたことを識らしめるように、王様の側室として差し出された。
獣人の国では第三王子だった。
上の二人の王子は属国となった獣人の国を建て直しをすることになり
そして僕は差し出された。

僕は今、5歳だ…
この歳にして人生を悲観している。
王国からの通達で去勢はしないことっとあった。
王都でいい感じに育ってから行うっということらしい
そう5歳にして、自分のチンチン君とおサラバする運命を知ってしまったのだ……


僕の護衛に付いていた騎士たちがしゃべっていた…


「おい、この子はまた側室として迎えられるらしいぞ?
今年に入って何人目だ?可哀想になぁ…まだ小さいのに」

「王様の側室になって、外に出てきた者はいないらしいからな…いったいどこへ消えてるのやら
噂じゃあ、酷く残虐な抱き方をしてすぐに殺しちまうらしいぜ?
恐ろしい王様だぁ……」


僕はチンチン君を切り落とされて、酷い抱き方をされて死んじゃう運命にあるらしい……
自分の運命が地獄へと転がり落ちていくようだった。
恐ろしくて白目向きかけてカタカタと体が震えてたら

気づけばめちゃくちゃ大きな、白を基調としたお城に馬車が入っていって……


終わった!
僕のチンチン君と僕の人生は終わったんだ……

お城に着いて、最初にされたことがお風呂!
もうピカピカに洗われました!!
僕の毛は真っ白で長毛種、兄達はくすんだ灰色で…白い僕は体があまり大きくなくて獣人の中では出来損ないって言われてた。
父に似て短毛種で力の強い兄達は国に残され、長毛種で力が弱い僕は貢物にされたのだ……

僕の毛が洗われて乾かされてフワッフワにされていく、すごく肌触りのいい白いシャツとシンプルな黒のズボンを着せられて広い食堂に通された。
色とりどりの食べ物が並んでいる。
どれも美味しそうだけど……

席に座らされるけど、緊張して食欲なんて湧きやしない
それに僕は側室に決まったときから、小さな体を維持するために食事を制限されていたから
あまりたくさん食べられないのだ。


程なくして、扉が開き数人の従者を連れた小さな人が……
真っ黒な艷やかな黒髪、夜空のような綺麗な瞳
子供にしか見えないような可愛らしい顔立ち…
綺羅びやかなシャツには王家の紋の百合の花が刺繍のされている。
服装からは間違いなく王様なのに…見た目が細くて弱々しくてまるで物語のお姫様のような出で立ちで


「待たせたね、君がジョン君だね…
ふふっ白くてフワフワの毛が可愛いね、お腹が空いてるだろう?食事にしようか」


優しいボーイソプラノな声色に胸が高鳴った。
ふわりと香る花のような香り、顔に血が昇り体温が上がる
僕はこんな綺麗で可愛い王様の側室になるの?
すごくドキドキして、胸が苦しくなった。
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