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5.手をつなぎたい

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アキラとの関係が恋人同士になったけど、僕の中では次の日の朝はめちゃくちゃ顔を合わせるのがドキドキしていた。


「ジョン、おはよーまだ暑いねぇ…
なのに制服の衣替えとかもうすぐらしいよ、残暑のこと考えて衣替えの時期決めてほしいよねぇ」


なんていつも通りすぎるアキラに、すごく安心した!
僕はせめて髪型とか気にした方がいいのかな?っとか…
朝一でなんて声かけようっとかめちゃくちゃ悩んでたのに、アキラは相変わらずのピコンって跳ねた寝癖も付いてるし、いつものまだ眠そうなちょっと不機嫌顔だし、もう、本当に安心した!!

そして通学もランチタイムもまったく変わらなく過ぎていく…
付き合うとはいったい?告白されたのは夢だったかな??って疑いだしてしまう

いままでの彼女達は二人きりになると

『何か面白い話ししてよ』
『私のどこが好き?』

っとか聞いてきたりしたけど…
そんなこと言われてもわからないし、

『もっとかっこいい格好してよ!』
『何その服は、ありえないんだけど…』

とかも言われたな…そんなこと言われても服とか自分で買うようなお金ないし、母さんが買ってきてくれるものに文句なんて言えないし…

あと二人きりになるとベタベタ触られるのが気持ち悪かったな…、なんでベタベタひっついてくるんだろう?
申し訳ないけど、うっとうしいなって思ってたけど…

アキラはいつものように僕の部屋に来て、なんか分厚い本を読んでるし
僕はスマホで猫の動画を見たり、漫画を見たりしている。
本当に前とまったく変わらない関係にほっとするし、ちょっとだけ拍子抜けしてしまった。

そんな僕の内心を見透かしたのか、アキラがパタンっと本を閉じると、上目遣いでちょっと緊張したような表情で僕を見つめる…


「あのさ……ジョン、お願いがあるんだけど……手を繋いでみていいかな?」


手を繋ぐの…?そんな緊張した顔で、ぐっと引き締められた口でおずおずっとしてきたお願いに、僕は


「いいよ…こっちくる?」


僕は床にクッションに持たれながら、座ってて、アキラは僕の勉強机に座ってたから
僕の申し出に、小さくコクリっと頷くとちょっとズレてスペースを作った僕の左側に正座して座ると

僕が差し出した左手を両手で恐る恐る包むように握っていく
アキラの手は緊張からか、すごく冷たくてヒヤリっとしている。

僕の手は…あっ!やばい!!
なんか緊張しすぎて手から汗がめちゃ出てる気がする…ベチャベチャで気持ち悪いとか思われたらどうしよう!
って焦りだして、アキラの顔を見たら


「ふふっ……嬉しい……」


ってすごく嬉しそうにへニョリって笑うから、もう僕は言葉も出てこなくて
もうなんだか、その笑顔が可愛いし、なんか胸がキュンキュンするしで……

とりあえずっグギギって音がでそうな感じで、首を前に向けて、ひたすら猫の動画の続きを二人で見てた。
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