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第6章
盗品の十字架
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貴族連中は新王ドエールにつき、ジールとシスタは軟禁状態になった。
更に最悪なタイミングで、教会がドエールの支持を表明したのだ。
慎重だった貴族達には、教会の後ろ盾があるドエールにまわるのは、自然なことだった。
そして民意も一気に傾いた
「腰抜け王子より、勇敢な強いドエール様の方が相応しい」
「親を殺されておきながら、何も動かないなどなんと親不孝な…」
「聖女様ももう力がないのだから、早く次期聖女様に席をゆずるべきだ!」
口々に二人を糾弾する。
コンコンと二人が軟禁されている部屋に来訪者が現れる。
「これは司祭様、このような場所にわざわざ来ていただいて、どのような用事ですか?」
ジールは司祭様に隠せない敵意を表す。
「ふふっそう邪険にしないでください、少し確認したいことがあるんですよ。
シスタ様、あなたに泥棒の片棒を担いだ疑いがかかっています。」
ジールは眉間にシワを寄せる、聖女としての座もとろうとしておきながら
今度は泥棒だと疑うのか
怒りを表すにしようとすると、憲兵たちが部屋になだれ込む。
部屋中をひっくり返し、中を探り出す。
「なっ!やめろ、なんの権限でこんなこと、不敬だぞ!やめっ…」「あったぞ!盗品だ、間違いない」
憲兵が十字架をもちあげ勝ち誇ったように宣言する。
それは修道女がくれた十字架だった。
「やめてください、それは優しい修道女が私にくださったものです。
返してください」
今やシスタの心の拠り所の十字架だった。
更に最悪なタイミングで、教会がドエールの支持を表明したのだ。
慎重だった貴族達には、教会の後ろ盾があるドエールにまわるのは、自然なことだった。
そして民意も一気に傾いた
「腰抜け王子より、勇敢な強いドエール様の方が相応しい」
「親を殺されておきながら、何も動かないなどなんと親不孝な…」
「聖女様ももう力がないのだから、早く次期聖女様に席をゆずるべきだ!」
口々に二人を糾弾する。
コンコンと二人が軟禁されている部屋に来訪者が現れる。
「これは司祭様、このような場所にわざわざ来ていただいて、どのような用事ですか?」
ジールは司祭様に隠せない敵意を表す。
「ふふっそう邪険にしないでください、少し確認したいことがあるんですよ。
シスタ様、あなたに泥棒の片棒を担いだ疑いがかかっています。」
ジールは眉間にシワを寄せる、聖女としての座もとろうとしておきながら
今度は泥棒だと疑うのか
怒りを表すにしようとすると、憲兵たちが部屋になだれ込む。
部屋中をひっくり返し、中を探り出す。
「なっ!やめろ、なんの権限でこんなこと、不敬だぞ!やめっ…」「あったぞ!盗品だ、間違いない」
憲兵が十字架をもちあげ勝ち誇ったように宣言する。
それは修道女がくれた十字架だった。
「やめてください、それは優しい修道女が私にくださったものです。
返してください」
今やシスタの心の拠り所の十字架だった。
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