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第6章

そのころのエレファント地区2

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気持ちのいい朝

ブンッブンッ

庭からは、風を切る音がする。

「おはよう。
セバスチャン、ロミオ、朝から生が出ますね」

マリア婦人は庭にでて労う。

「おはようございます。
マリア婦人、ロミオはなかなか筋がいいですぞ。
素直な性分なのでしょう、すいすい教えたことを飲み込んでいきますぞい」

ふぉふぉふぉ
と嬉しそうにセバスチャンは笑う。

「そんな、ありがとうございます。セバスチャン師匠がすごくわかりやすく教えてくださるからですよ。」

ロミオはすっかりセバスチャンを慕っている。

「あらあら、仲がよろしいこと。セバスチャンも弟子ができて若返ったんじゃありませんか?」

「そうですかな?それは嬉しい、ロミオ殿がしっかりとこの地区を守れるようになるまで、老いてはいられませんからな」


ロミオを見る目を嬉しそうに細める


「はい、セバスチャン師匠の期待に答えられるようがんばります。
そしてそして、エレファント地区やフランシス様をお守りして暁には…」


バゴっ

すごい速さでセバスチャンの木刀を奪い、マリア婦人がロミオの頭をなぐった。

「あぁすいません、大きな虫がいました。可愛いフランシスを狙う虫が…」

はぁとセバスチャンが大きなため息を吐く

「すいませんマリア婦人、素振りのし過ぎで、興奮してたんだと思います。
ロミオ殿、それくらい受け止めれないと、まだまだマリア婦人には認められませんよ」


ロミオはマリア婦人の中で虫以上にするのは難しそうだと、セバスチャンは頭を悩ませた。
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