呪われた地の聖女〜聖女認定を外され婚約破棄に、呪われた地にて継母と同居、イジメられると思えば溺愛、呪いの魔術師にも、私はここで幸せになります

モスマンの娘

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第6章

戦争の火種

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西の帝国の対談が決まった。
第2王子は疫病を嫌ってか、なかなか対談をうけてはくれなかった。
西の帝国が疫病がでた際に無期限で貸した、貸付金のことを持ち出したら、しぶしぶと受領した。


「あの第二王子を納得させるのはなかなか骨が折れそうだよ、シスタどうか祈っておくれ。

国や領民のための祈りのついででいいから、私のために、
そしたら私は空だって飛べる気がするよ」


珍しく弱気を吐く王の目は、大変に疲れを感じさせる。
シスタは優しく包み込むように手をとる。


「えぇ祈りますとも、王のご無事を、成功を、幸運を。
私の全霊をかけて祈ります。

空を飛んでくださるなら、少しでも早く帰ってきてくださいませ。
ご無事を祈っております」

ふふっと二人は笑った。
疲れきって力ない笑いだが、幸せなときが二人を包む。


「お父様、お母様少しよろしいでしょうか?」

ジールが突然部屋に入ってきたため、二人はパッと離れて目をそらしだす。

「あぁ、よろしくなかったですかね?すいません」

気まずい雰囲気を察して、ジールが謝れば

「別にかまわんよ、なぁ?シスタ、別になぁ?」

王が顔を赤らめている。

「えぇ、かまいませんよ
ただ王と私が仲良く話していただけですよ。
ふふ、私たちが中の良いことぐらい、ジールが一番しっているでしょう?」

シスタは王が愛しくて、ついからかってしまう。
シスタの言葉に、王はゆでダコのように顔をさらに赤くしている。

幸せだった、すべてがうまくいっていなかったが。
その瞬間だけは確かに幸せだった
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