78 / 89
第6章
弱る聖女
しおりを挟む
シスタは、自分を責めずにはいられなかった。
『私が、神と繋がれていないから。
今までの歴代の聖女たちのように東の帝国を護れていないから』
いくらあの若い修道女にもらった十字架に祈りを捧げても、神との繋がりは感じられない。
シスタも寝食とわず祈り続ける。
国を護りたい、民を、平和を
そんな気持ちを踏みにじるように
「聖女様の力がなくなった…」
「現王室の聖なる力が弱まった…」
「新しい聖女様が気に入らずに、息子との結婚も許さず、嫌がらせで礼拝室にも行かないらしいぞ…」
「教会の聖女認定にもケチをつけるとか、歴代最悪の聖女だな…」
心無い領民たちはそのような噂をたてている。
噂の出どころは…教会だとも誰も知らずに。
シスタの姿はやせ細り、美しかった髪は艶がなく目には生気すらなくなってきた。
「シスタ、少しは休んでおくれ。お前がもし死んでしまったら、私は何をささえに生きていけばいいんだい?」
優しい王はシスタが心配でたまらい。
「ありがとう、でも私のせいで国は民は疲弊しています。
休むなど、私にはできない。
あなただって、私は苦しめてばかりですわ。
ごめんなさい」
ただひたすらに自分を責める姿は痛々しい
しかし、そんなシスタに神は更なる試練を与える。
シスタには耐え難い、ひどい試練を
『私が、神と繋がれていないから。
今までの歴代の聖女たちのように東の帝国を護れていないから』
いくらあの若い修道女にもらった十字架に祈りを捧げても、神との繋がりは感じられない。
シスタも寝食とわず祈り続ける。
国を護りたい、民を、平和を
そんな気持ちを踏みにじるように
「聖女様の力がなくなった…」
「現王室の聖なる力が弱まった…」
「新しい聖女様が気に入らずに、息子との結婚も許さず、嫌がらせで礼拝室にも行かないらしいぞ…」
「教会の聖女認定にもケチをつけるとか、歴代最悪の聖女だな…」
心無い領民たちはそのような噂をたてている。
噂の出どころは…教会だとも誰も知らずに。
シスタの姿はやせ細り、美しかった髪は艶がなく目には生気すらなくなってきた。
「シスタ、少しは休んでおくれ。お前がもし死んでしまったら、私は何をささえに生きていけばいいんだい?」
優しい王はシスタが心配でたまらい。
「ありがとう、でも私のせいで国は民は疲弊しています。
休むなど、私にはできない。
あなただって、私は苦しめてばかりですわ。
ごめんなさい」
ただひたすらに自分を責める姿は痛々しい
しかし、そんなシスタに神は更なる試練を与える。
シスタには耐え難い、ひどい試練を
0
お気に入りに追加
92
あなたにおすすめの小説

王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です

初耳なのですが…、本当ですか?
あおくん
恋愛
侯爵令嬢の次女として、父親の仕事を手伝ったり、邸の管理をしたりと忙しくしているアニーに公爵家から婚約の申し込みが来た!
でも実際に公爵家に訪れると、異世界から来たという少女が婚約者の隣に立っていて…。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。

公爵令嬢を虐げた自称ヒロインの末路
八代奏多
恋愛
公爵令嬢のレシアはヒロインを自称する伯爵令嬢のセラフィから毎日のように嫌がらせを受けていた。
王子殿下の婚約者はレシアではなく私が相応しいとセラフィは言うが……
……そんなこと、絶対にさせませんわよ?
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでのこと。
……やっぱり、ダメだったんだ。
周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間でもあった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表する。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放。そして、国外へと運ばれている途中に魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※毎週土曜日の18時+気ままに投稿中
※プロットなしで書いているので辻褄合わせの為に後から修正することがあります。
【完結】もう誰にも恋なんてしないと誓った
Mimi
恋愛
声を出すこともなく、ふたりを見つめていた。
わたしにとって、恋人と親友だったふたりだ。
今日まで身近だったふたりは。
今日から一番遠いふたりになった。
*****
伯爵家の後継者シンシアは、友人アイリスから交際相手としてお薦めだと、幼馴染みの侯爵令息キャメロンを紹介された。
徐々に親しくなっていくシンシアとキャメロンに婚約の話がまとまり掛ける。
シンシアの誕生日の婚約披露パーティーが近付いた夏休み前のある日、シンシアは急ぐキャメロンを見掛けて彼の後を追い、そして見てしまった。
お互いにただの幼馴染みだと口にしていた恋人と親友の口づけを……
* 無自覚の上から目線
* 幼馴染みという特別感
* 失くしてからの後悔
幼馴染みカップルの当て馬にされてしまった伯爵令嬢、してしまった親友視点のお話です。
中盤は略奪した親友側の視点が続きますが、当て馬令嬢がヒロインです。
本編完結後に、力量不足故の幕間を書き加えており、最終話と重複しています。
ご了承下さいませ。
他サイトにも公開中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる