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第6章
弱る聖女
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シスタは、自分を責めずにはいられなかった。
『私が、神と繋がれていないから。
今までの歴代の聖女たちのように東の帝国を護れていないから』
いくらあの若い修道女にもらった十字架に祈りを捧げても、神との繋がりは感じられない。
シスタも寝食とわず祈り続ける。
国を護りたい、民を、平和を
そんな気持ちを踏みにじるように
「聖女様の力がなくなった…」
「現王室の聖なる力が弱まった…」
「新しい聖女様が気に入らずに、息子との結婚も許さず、嫌がらせで礼拝室にも行かないらしいぞ…」
「教会の聖女認定にもケチをつけるとか、歴代最悪の聖女だな…」
心無い領民たちはそのような噂をたてている。
噂の出どころは…教会だとも誰も知らずに。
シスタの姿はやせ細り、美しかった髪は艶がなく目には生気すらなくなってきた。
「シスタ、少しは休んでおくれ。お前がもし死んでしまったら、私は何をささえに生きていけばいいんだい?」
優しい王はシスタが心配でたまらい。
「ありがとう、でも私のせいで国は民は疲弊しています。
休むなど、私にはできない。
あなただって、私は苦しめてばかりですわ。
ごめんなさい」
ただひたすらに自分を責める姿は痛々しい
しかし、そんなシスタに神は更なる試練を与える。
シスタには耐え難い、ひどい試練を
『私が、神と繋がれていないから。
今までの歴代の聖女たちのように東の帝国を護れていないから』
いくらあの若い修道女にもらった十字架に祈りを捧げても、神との繋がりは感じられない。
シスタも寝食とわず祈り続ける。
国を護りたい、民を、平和を
そんな気持ちを踏みにじるように
「聖女様の力がなくなった…」
「現王室の聖なる力が弱まった…」
「新しい聖女様が気に入らずに、息子との結婚も許さず、嫌がらせで礼拝室にも行かないらしいぞ…」
「教会の聖女認定にもケチをつけるとか、歴代最悪の聖女だな…」
心無い領民たちはそのような噂をたてている。
噂の出どころは…教会だとも誰も知らずに。
シスタの姿はやせ細り、美しかった髪は艶がなく目には生気すらなくなってきた。
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「ありがとう、でも私のせいで国は民は疲弊しています。
休むなど、私にはできない。
あなただって、私は苦しめてばかりですわ。
ごめんなさい」
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しかし、そんなシスタに神は更なる試練を与える。
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