上 下
52 / 89
第5章

王子と西の帝国

しおりを挟む
王子の要望で屋敷の中に場所は移された。

もちろん縄で縛られているのは変わりない。
領民たちは、庭で待機し、何かあればいつでも駆けつける状態だ

「それでは話してもらいましょう、なぜこの地にしかもそんな少人数でいらっしゃったのですか?」

「わかりました。僕はロミオといいます。もう西の帝国を追われた身です。
隠し立てすることもありません」

ロミオの言うことには、西の帝国のには4人の王子がいて、長男のロミオが第1王子であり、王になる最有力の候補だった。

東の帝国との和平を進め、友好的な関係を重視した政策をとっていた。

しかし、第3王子を立てた派閥がクーデターを起こしたのだ。
第3王子は東の帝国ては、敵対し距離を置くべきだと。友好関係は不利益にしかならないと言ってきたのだ。

最初はそんな意見は通らなかったが、東の帝国の情勢が悪くなると第3王子につく貴族が多くなった。

さらに東の帝国で疫病が流行り、それに何人かの西の領民がかかり、第1王子の責任が問われた。

ロミオは幽閉され、待遇としてはもちろん悪くなかったがほぼ軟禁状態にされた。

そこから腹心の家来を連れて逃げ延びてきたのだ。


「なるほど、それはあなたの先見の明がなかったのが原因ですね」

マリア婦人のあまりな言い方に、ロミオはとっさに睨み返す。

「あなたは、フランシスがだれか忘れていることから、王の器ではありません。
うちのフランシスは来賓のあなたの顔ですら、覚えていたというのに」

マリア婦人はロミオの不甲斐なさをついていく

「フランシスは婚約式での主役だった、次期皇后候補だったのですよ?
その顔も忘れているなんて」

「あなたが、無能ということですは」

ロミオの顔の前にグイと顔を近づけ、呟くようにいう
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい

春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。 そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか? 婚約者が不貞をしたのは私のせいで、 婚約破棄を命じられたのも私のせいですって? うふふ。面白いことを仰いますわね。 ※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。 ※カクヨムにも投稿しています。

婚約破棄を宣告した王子は慌てる?~公爵令嬢マリアの思惑~

岡暁舟
恋愛
第一王子ポワソンから不意に婚約破棄を宣告されることになった公爵令嬢のマリア。でも、彼女はなにも心配していなかった。ポワソンの本当の狙いはマリアの属するランドン家を破滅させることだった。 王家に成り代わって社会を牛耳っているランドン家を潰す……でも、マリアはただでは転ばなかった。

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい

宇水涼麻
恋愛
 ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。 「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」  呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。  王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。  その意味することとは?  慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?  なぜこのような状況になったのだろうか?  ご指摘いただき一部変更いたしました。  みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。 今後ともよろしくお願いします。 たくさんのお気に入り嬉しいです! 大変励みになります。 ありがとうございます。 おかげさまで160万pt達成! ↓これよりネタバレあらすじ 第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。 親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。 ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。

比べないでください

わらびもち
恋愛
「ビクトリアはこうだった」 「ビクトリアならそんなことは言わない」  前の婚約者、ビクトリア様と比べて私のことを否定する王太子殿下。  もう、うんざりです。  そんなにビクトリア様がいいなら私と婚約解消なさってください――――……  

【完結】皆様、答え合わせをいたしましょう

楽歩
恋愛
白磁のような肌にきらめく金髪、宝石のようなディープグリーンの瞳のシルヴィ・ウィレムス公爵令嬢。 きらびやかに彩られた学院の大広間で、別の女性をエスコートして現れたセドリック王太子殿下に婚約破棄を宣言された。 傍若無人なふるまい、大聖女だというのに仕事のほとんどを他の聖女に押し付け、王太子が心惹かれる男爵令嬢には嫌がらせをする。令嬢の有責で婚約破棄、国外追放、除籍…まさにその宣告が下されようとした瞬間。 「心当たりはありますが、本当にご理解いただけているか…答え合わせいたしません?」 令嬢との答え合わせに、青ざめ愕然としていく王太子、男爵令嬢、側近達など… 周りに搾取され続け、大事にされなかった令嬢の答え合わせにより、皆の終わりが始まる。

アリシアの恋は終わったのです【完結】

ことりちゃん
恋愛
昼休みの廊下で、アリシアはずっとずっと大好きだったマークから、いきなり頬を引っ叩かれた。 その瞬間、アリシアの恋は終わりを迎えた。 そこから長年の虚しい片想いに別れを告げ、新しい道へと歩き出すアリシア。 反対に、後になってアリシアの想いに触れ、遅すぎる行動に出るマーク。 案外吹っ切れて楽しく過ごす女子と、どうしようもなく後悔する残念な男子のお話です。 ーーーーー 12話で完結します。 よろしくお願いします(´∀`)

【改稿版・完結】その瞳に魅入られて

おもち。
恋愛
「——君を愛してる」 そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった—— 幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。 あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは…… 『最初から愛されていなかった』 その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。 私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。  『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』  『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』 でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。 必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。 私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……? ※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。 ※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。 ※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。 ※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。

処理中です...